《2度目の人生を、楽しく生きる》25話 「ルージュVSザイル」
「まずは……黒霧ダーク・ミスト」
黒霧を発生させ、ここら一帯の視界を悪くする。
「! くっ、まずは姿を隠すのか」
ザイルが辺りをキョロキョロしだす。
そのタイミングで俺は木に登り、次の手を考える。
さて…どうするか。
やみくもに接近しても避けられるのは分かりきってる。
ならやはり魔で決めるしかないだろう。
「ザイル先生相手には剣はダメだな」
ま、だからと言って、 剣を使わないわけじゃないがな。
「水球ウォーター・ボール…」
俺は小聲で詠唱し、水球を地面にぶつける。
バシャッという破裂音がなり、ザイルが音のした方を向く。
「なるほど…撹か」
……どうやらバレバレのようだ。
だがザイルは今俺に背を向けている。
俺の場所はバレていない。
「隕石雨メテオ・レイン‼︎」
俺は木の上から、隕石雨を撃つ。
特大の炎の塊が5個、ザイルに向かっている。
「っ⁉︎」
ザイルは驚きはしたが、すぐさま隕石雨を回避する。
「次々行くぞ、矢フォトン・アロー!」
矢を撃った後、俺はすぐさま今いる木から別の木へ移る。
これはザイルに場所を気づかれないようにするためだ。
「くっ…魔法か!」
ザイルは當然のように避け、ザイルのいた場所に矢が數本刺さる。
「炎斬!」
炎斬を放つが、これも避けられる。
そしてまた木から別の木へ移る。
「水領域ウォーター・フィールド!」
ザイルのいる場所一帯を水浸しにする。
アリスの中級魔法、聖水領域は流石に出來ないが、水領域は初級魔法だ、俺にも出來る。
そして剣に雷を纏わせる。
「水領域……これで一何をするつもりだい…?」
「よし…くらえ…! 俺の得意戦!」
俺は雷を纏った剣をザイルに向かって投げた。
剣はまっすぐザイルの方に向かっていく。
「っ!」
だが當たる寸前で気づかれ、回避される。
相変わらずすげぇ回避力だな…
「剣を投げるなんて…どういうつもり……っ!!?」
よし、計算通りだ。
雷を纏った剣は水浸しになった地面に落ち、電気が水を通ってザイルに流れる。
ザイルは電し、その場に膝をつく。
なんか俺、このパターンが多いな……
「ぐ…!」
ザイルが膝をついてる、今がチャンスだ。
「石連弾ロック・マシンガン!」
俺の手から石が大量に、ズドドドドッ! っという音を立ててザイルに放たれる。
「っ! …土壁‼︎」
だがザイルはすぐに立ち上がり、土壁で石連弾を全て防。
マジかよ…!
そして、黒霧が完全に消える。
「お、黒霧…消えたみたいだね。 ルージュ君」
ザイルが俺を見て言う。
ザイルは勝ち誇った顔をしている。
「できれば石連弾でやられてほしかったんですがね」
「初級魔法でやられる訳にはいかないよ」
「……そうですか」
なら次は…初めて使う魔だ。
挑戦した事はないので出來るかは分からないが…やるしかない。
たしか……水と風を合わせるんだったか…
セレナがやっていた事を思い出す。
……………よし
「いける……」
「もう降參かい?」
「そんなわけないでしょう。 氷結弾アイシクル・バレット!」
俺の手から氷の弾丸が発される。
正直、 氷魔法はセレナのしか見たことがないので、どんな魔があるのか分からない。
だからこれは完全に俺が今考えた魔だ。
「こ、氷魔法までっ…!」
ザイルはよっぽど焦ったのか、橫に転がって避ける。
そして、転がるという事は、隙だらけになる。
勿論、俺はその隙を見逃すわけがないし、隙が出來るのをずっと待っていた。
「大氷壁だいひょうへき‼︎‼︎」
俺は大量の魔力を消費し、ザイルの下半とザイルの周りの森を凍らせた。
大氷壁の高さは森の木よりも高く、自分でもこんなになるなんて思ってなかった。
大氷壁のせいでここら辺の気溫は下がり、口からは白い息が出始める。
「ふぅー……、宣言通り、攻撃當てましたよ」
ザイルに向かってそう言う。
ザイルは下半と両腕を凍らせているため、きがとれないでいる。
「…驚いたよ、複合魔まで使えるなんてね…」
「因みに、氷魔法は今日初めて使いました」
「え⁉︎ 本當かい⁉︎」
「はい、俺もこんなのが出せるとは思いませんでしたよ」
大氷壁を見ながら言う。
……これ、當分溶けないだろうな。
「…正直、君の事を舐めていたよ」
「でしょうね」
あんなに見下した目をされれば誰でも気づくわ。
「すまなかった。 君は強いよ」
「…いえ、まだまだですよ…今回みたいに、黒霧やら卑怯な手を使わないと勝てないし」
「いいや、それも立派な戦だ、誰も文句は言わない」
「……ありがとうございます」
こんな卑怯な勝ち方は認めん‼︎ とか言われるかと思ったが、逆に褒めてくれた。
「んで、この勝負、俺の勝ちでいいですか? 負けを認めてくれるんなら、氷溶かしますけど」
「うん、僕の負けでいいよ。 おめでとう」
「どうも」
負けを認めたので、熱手ヒート・ハンドでザイルの周りの氷を溶かす。
流石に大氷壁全てを溶かす事は出來ない。
「んじゃ、俺は行きますね」
「うん、試験、合格出來るといいね」
「はい、合格したら、魔を教えてください」
「僕で良ければ、喜んで教えよう」
「楽しみにしてますね」
俺は軽くザイルに頭を下げ、校舎のある方角に歩き出した。
ザイルとの戦闘が予想以上に長引いた、急がなければ。
【電子書籍化決定】生まれ変わった女騎士は、せっかくなので前世の國に滯在してみた~縁のある人たちとの再會を懐かしんでいたら、最後に元ご主人様に捕まりました
セリーヌは主である第三王子殿下を守るために魔物と戦い、同僚たちと共に命を落とす。 他國でスーザンとして生まれ変わった彼女は、十八年後、任務で前世の國を訪れる機會を得る。 健在だった兄や成長した元同僚の息子との再會を懐かしんでいたスーザンは、その後が気になっていた主と、自分の正體を隠して対面することになるが… 生まれ変わった女騎士が休暇を利用して前世の國に滯在し、家族や知人のその後の様子をこっそり窺っていたら、成長し大人の男性になっていた元ご主人様にいつの間にか捕獲されていたという話。 プロローグのみシリアスです。戀愛パートは後半に。 ※感想・誤字報告、ありがとうございます! ※3/7番外編を追加しました。 ※電子書籍化が決まりました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。
8 54SNS仲間で異世界転移
とあるSNSオフ會で高校生5人が集まった。 そのオフ會會場、カラオケ屋のリモコンにあった「冒険曲」ではなく「冒険」の選択アイコン。その日、カラオケルームから5人が一斉失蹤を起こした
8 63異世界で最弱の職についた僕は、最強を目指しました。
異世界に転生した主人公がはちゃめちゃな展開を乗り越え最弱から最強へ成長していく殘念系異世界ファンタジーです。
8 130異世界で美少女吸血鬼になったので”魅了”で女の子を墮とし、國を滅ぼします ~洗脳と吸血に変えられていく乙女たち~
”魅了”、それは相手に魔力を流し込み、強制的に虜にする力。 酷いいじめを受けていた女子高校生の千草は、地獄のような世界に別れを告げるため、衝動的に自殺した。しかし瀕死の吸血鬼と出會い、命を分け合うことで生き延びる。人外となった千草は、吸血鬼の力を使って出會った少女たちを魅了し、虜にし、血を吸うことで同じ半吸血鬼に変えていく。 何も持たず、全てを奪われてきた少女は、吸血鬼として異世界に生まれ変わり、ただ欲望のままに王國の全てを手に入れていくのだった。 異世界を舞臺にした、吸血少女によるエロティックゴアファンタジー。 ※出て來る男キャラはほぼ全員が凄慘に死にます、女キャラはほぼ全員が墮ちます
8 125梨
妹を殺された復讐から一人の米軍兵を殺してしまう『海』、家にいながら世界を旅できるという不思議な『世界地図』、表題作『梨』を含む短編・ショートショート。
8 175従妹に懐かれすぎてる件
昔から仲の良かった従妹が高校進學を機に一人暮らしの俺の家に住むことになった。 可愛い女の子と暮らせるなんて夢のようだ、と思ったのだが……。 「ゆうにぃ、おはようのキスは?」 俺の従妹は想像以上に懐いていました。 もはや同居じゃなくて同棲、ラブラブな新婚生活だよこれ……。 季節を追ってエピソードが繰り広げられていく日常アニメならぬ日常ラノベ! 甘々過ぎてちょっぴり危険な二人の生活を覗きに行きましょう! 2017/7/28-30 本日のノベルバ ランキングにて2位をいただきました!
8 136