《魔法陣を描いたら転生~龍の森出の規格外魔師~》35 手を握れば
俺とセレーナは今、長の家に向かって歩いて――セレーナは飛んでいるが――いる。今日は本が読みたいと、セレーナひめ のご要だ。もちろん、斷る理由はない。
「キュウキュウ」 (ねぇねぇ、ユーリくん)
「ん?」
「キュウキューウ」 (今日はどんな本がいいかなぁー)
「そうだなー……魔法の本とか?」
「キュウ、キュキューウ」 (ユーリくん、前も同じこと言ってたよー!)
ありゃ? ついつい、魔法の本を勧めてしまう。でも、魔法は面白いよー!
「キュー、キューウ」 (うーん、やっぱりあの本かなー)
「あの本って『龍人姫と人族の年』?」
『龍人姫と人族の年』とは大まかに説明すると……龍人の姫であるの子はある日、一人の年に出會う。かに會うようになった姫は次第に、その年の優しさにをする。しかし、年は実は人族の子で龍人である姫は本來、関わることさえ許されない。そんな二人の切なくも溫かいラブストーリーだ。
「キュウっ」 (うんっ)
「セレーナのお気にりだよね」
「キュー! キュウ!」 (うん! 好きっ!)
……!? あ、本のことか……。なんか、いきなり言われるとドキドキしちゃうから。俺のことが好きかは、わからないけど……。
「おいっ! お前ら」
ん? いきなりなんだ、あいつら。
3人組の子供たちが俺たちの歩いている道の前に立ち塞がる。そして、真ん中の子供が喋り出す。
「お前ら、誰の許可を得てここを歩いてるんだ?」
「そうです!」
「歩いてるんだぁー」
「何で許可がいるの? ここはみんなの道でしょ」
なんて橫暴なことを言うんだ。親の顔が見てみたいよっ!
「この俺様が誰だか、わかって言ってるのか?」
「この方は武龍団第三班班長の息子、ボス様なのです!」
「そうだぞぉー」
「そ、そうなんだ……」
武龍団第三班班長ってお母さんの部下だよね……。確かに上から3番目に偉いけども。ってこいつら確か……昔、セレーナにちょっかいをだしてきたやつらか?
「ふんっ、びびったか……ん? そっちの子龍はまさか、あの出來損ないか?」
ボスはセレーナを見るや否や、聞き捨てならない言葉をはく。セレーナを見るその目は蔑さげすみ、笑っているように見える。
「キュウ……」 (わたし……)
セレーナは怯え、し震えている。俺は安心させるためにセレーナの手を優しく握る。すると、セレーナは安心してくれたのか震えが止まった。
セレーナの顔を見る。セレーナも俺の顔を見ていたのか、目と目が合う。セレーナの顔にはもう、怯えはない。その顔からは信頼という気持ちがじられた。
俺はボスへと向きを変え、自分の顔から優しさを消す。
「……撤回しろよ」
「あ? なんだよ」
「撤回しろって――言ってんだよ!!」
俺はその瞬間、魔力を全力で放出する。その威力、量は火山の噴火を思わせ、そこに込められた覇気は見る者を戦慄せんりつとさせる。
「わ、わわ、わ」
「ひぇー……(バタンッ)」
「へぇ?」
ボスは聲が形にならず、隣のメガネは威圧にやられ、気を失う。もう一人の大きいやつは気の抜けた聲を出している。
「どうなんだ」
俺は魔力の放出を止め、低い聲で言う。
「わ、わかった! 撤回するよ。だ、だから、許してくれ……」
ボスの目を見る。そこにはもう、蔑みといったは見えない。気のせいだと思うが畏怖といったがあったような、ないような……。
あっちゃー。やりすぎたかな? いや、セレーナに怖い思いをさせたんだから、このくらいはまだ優しい方だ。うんうん。
「ふぅー……セレーナちゃん許してもいい?」
「キュウキュウ」 (うん、いいよ)
「だってさっ。セレーナが優しくてよかったね」
本當にセレーナはお人好しだよ。優しすぎ。でも、そんなところもセレーナの良いところなんだよね。
「うっ……いくぞ、お前ら……」
「はーい」
ボスは苦蟲を噛み潰したよう顔を一瞬つくると、子分たちに聲をかけて歩き出す。大きいやつは気を失っているメガネを背負うと、ボスの後を追って歩く。
はぁー……セレーナのことになると冷靜さが足りなくなっちゃうから気をつけないと……。
「(ギュッ!)……キュウキュウ」 ((ギュッ!)……ユーリくん、ありがとう)
「うん」
俺はそう言うとセレーナを抱き返す。セレーナの心音が聴こえる。し早いような気がするが、もしかしたら俺の音かもしれない。溫もりをじるとともに、俺はドキドキしている。
一瞬か、數十分か、時間なんてわからないがセレーナが落ち著くまで俺はこのままの狀態でいた。
「キュウキューウ」 (うふふ、ありがとう)
「もう大丈夫?」
「キュウ、キュキューウ」 (うんっ、長の家に行こう)
「そうだね!」
俺たちは手を繋ぎ、長の家へと向かって歩き出す。
――俺がセレーナを守るんだ。
【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?
【書籍発売中&コミカライズ決定!】 「新山湊人くん……! わ、私を……っ、あなたのお嫁さんにしてくれませんか……?」 學園一の美少女・花江りこに逆プロポーズされ、わけのわからないうちに始まった俺の新婚生活。 可愛すぎる嫁は、毎日うれしそうに俺の後をトテトテとついて回り、片時も傍を離れたがらない。 掃除洗濯料理に裁縫、家事全般プロかってぐらい完璧で、嫁スキルもカンストしている。 そのうえ極端な盡くし好き。 「湊人くんが一生遊んで暮らせるように、投資で一財産築いてみたよ。好きに使ってね……!」 こんなふうに行き過ぎたご奉仕も日常茶飯事だ。 しかも俺が一言「すごいな」と褒めるだけで、見えない尻尾をはちきれんばかりに振るのが可愛くてしょうがない。 そう、俺の前でのりこは、飼い主のことが大好きすぎる小型犬のようなのだ。 だけど、うぬぼれてはいけない。 これは契約結婚――。 りこは俺に戀しているわけじゃない。 ――そのはずなのに、「なんでそんな盡くしてくれるんだ」と尋ねたら、彼女はむうっと頬を膨らませて「湊人くん、ニブすぎだよ……」と言ってきた。 え……俺たちがしたのって契約結婚でいいんだよな……? これは交際ゼロ日婚からはじまる、ひたすら幸せなだけの両片思いラブストーリー。 ※現実世界戀愛ジャンルでの日間・週間・月間ランキング1位ありがとうございます!
8 74婚約破棄された崖っぷち令嬢は、帝國の皇弟殿下と結ばれる【書籍化&コミカライズ】
【第3部連載開始】 ★オーバーラップノベルズf様から、第2巻8月25日発売予定です★ ★コミカライズ企畫進行中★ ミネルバ・バートネット公爵令嬢は、異世界人セリカを虐め抜いたという罪で、アシュラン王國の王太子フィルバートから婚約破棄された。 愛してくれる両親と3人の兄たちの盡力で、なんとか次の婚約者を探そうとするが、近寄ってくるのは一見まともでも內面がろくでもない男達ばかり。 いっそ修道院に入ろうかと思った矢先、冷酷と噂される宗主國グレイリングの皇弟ルーファスに出會い、ミネルバの人生は一変する。 ルーファスの誠実な愛情に包まれ、アシュラン王國を揺るがす陰謀に立ち向かう中、ミネルバにも特殊能力があることが判明し……。 人間不信気味の誇り高い公爵令嬢が、新たな幸せを摑むお話です。 (カクヨム様にも投稿しています)
8 185【お試し版】ウルフマンの刀使い〜オレ流サムライ道〜
サムライに憧れる高校生、高河孝(17)がVRMMORPG內で『マサムネ』となり、理想のサムライ像を模索する物語。 しかし昨今のゲームではジョブとしてのサムライはあれど、生き様を追體験するものは見つからなかった。 マサムネがサムライに求めるのは型や技ではなく、どちらかといえば生き様や殺陣の方に傾倒している。 數々のゲームに參加しつつも、あれもこれも違うと直ぐに辭めては誘ってきた友人の立橋幸雄の頭痛の種になっていた。 だと言うのに孝は何か良さそうなゲームはないか? と再び幸雄を頼り、そこで「頭を冷やせ」という意味で勧められた【Imagination βrave】というゲームで運命の出會いを果たすことになる。 サムライに成れれば何でも良い。そんなマサムネが最初に選択した種族は獣人のワーウルフ。コボルトと迷ったけど、野趣溢れる顔立ちが「まさにサムライらしい」と選択するが、まさかその種族が武器との相性が最悪だとはこの時は気づきもしなかった。 次にスキルの選択でも同じようなミスを冒す。あろうことかサムライ=刀と考えたマサムネは武器依存のスキルを選んでしまったのだ。 ログイン後も後先考えず初期資金のほとんどを刀の購入代金に充てるなど、本來の慎重な性格はどこかに吹き飛び、後にそれが種族変調と言う名のサポートシステムが影響していることに気付くが後の祭り。 こうして生まれたnewマサムネは、敵も倒せず、死に戻りしては貯蓄を減らす貧乏生活を余儀なくされた。 その結果、もしかしてこれはハズレなんじゃと思い始め、試行錯誤を繰り返したその時─── このゲームの本來の仕掛けに気づき、[武器持ちの獣人は地雷]という暗黙のルールの中でマサムネはシステム外の強さを発揮していくことになる。 そう。ここはまさにマサムネが夢にまで見た、後一歩物足りないを埋めるImagination《想像力》次第でスキルの可能性が千差萬別に変化する世界だったのだ。
8 99勇者のパーティーから追い出されましたが、最強になってスローライフ送れそうなので別にいいです
ある日、精霊大陸に『星魔王』と呼ばれる存在が出現した。 その日から世界には魔物が溢れ、混迷が訪れる。そんな最中、國々は星魔王を倒す為精鋭を集めた勇者パーティーを結成する。 そのパーティーの一員として參加していた焔使いのバグス・ラナー。だが、スキルの炎しか扱えない彼の能力は、次第に足手纏いとなり、そして遂に、パーティーメンバーから役立たずの宣告を受ける。 失意の內に彷徨った彼は、知り合った獣人をお供にやがて精霊大陸の奧地へと足を踏み入れていく。 精霊大陸がなぜそう呼ばれているのか、その理由も深く考えずにーー。
8 81クラス転移はts付きで
教室にいきなり浮かび上がった、魔方陣、それを認識すると僕は意識を失っていた。 僕が目覚めるとそこには美少女と爺が抱き合いながら「勇者様を召喚できた!」と喜んでいるのが目にはいった。そして僕は思った。――なんだこの混沌とした狀態は!?―― この話は異世界にクラス転移(全員ts付き)で魔王を倒すために連れられてきた勇者達の物語。 基本コメディ(グロいのが入らないとは言っていない)で軽い文章です。暇なときにはオススメ?
8 129創造の力で異世界無雙~言霊使いの異世界冒険譚
目を開けてみるとそこには見知らぬ場所が。そこで創造神やら何やらに世界を調整して欲しいと言われた。そして何かを戴けるそうなので俺は━━━━━━━━ 神様達からの加護で『創造』やら何やらの力(チート)を貰った俺は異世界を堪能しながら調整とやらを行っていった。現実世界でも最強の幸は異世界でも最強のようです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━処女作です。可愛がってください。 誤字脫字等あったら教えてください。逐次更新していきます。 週に1、2回にします。ちょっとキツくなりましたので。 もし、面白いと思ってくれたなら、高評価お願いします!
8 88