《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》魔王の娘に引きこもりは向いていない
ーーああ、これこそ至福の時間。
込み上げてくる慨を噛みしめながら、シュンは寢返りを打った。
いま何時だろう。
晝頃だろうか。
もしくはもう夕方になったのか。
いや、時間なんてもはやどうでもいい。
引きこもりの俺にとって、時間なぞあって無いようなもの。
以前は口うるさい親に無理やり起こされたりもしたが、その心配もいらないのだ。
好きに寢ていられる。
腹が減ったらそのへんの菓子を手に取ればいいし、目が覚めたらテキトーな本で時間を潰せばいい。
ああ、なんと最高な一日なんだろう。
誰ひとりとして、この至福のときを邪魔することはできなーー
バタン!
そんなシュンの思考は、勢いよく扉を開かれる音によって中斷された。
「お兄ちゃん! ひ! ま!」
案の定、ロニンだった。
「……おまえかよ。うるせぇなあ」
「だって退屈すぎて死にそうなんだもん! ずっと家にいれば大丈夫なんでしょ? だったら家のなかで遊ぼうよ!」
「斷る」
「なんで!」
「めんどくせぇ」
そっけないロニンの返事に、ロニンは目を滲ませる。
「お兄ちゃんなんて、もうレベル999だし、こもる必要ないじゃん。なんで外に出ないで平気なのよぉ」
「まあ、これも修行の賜たまものということさ。おまえには鍛錬が足りん」
あまりに調子の良いシュンの発言を、ロニンは馬鹿正直にけ止めたらしい。
「ごめんなさぃ……」
とうつむいてしまう始末である。
ーーはあ。
ため息をついて、シュンはロニンの方向へと寢返りを打った。
水の寢巻きを著たロニンは、戦闘服とはまた違った魅力があった。
あのときは鎧を著ていたから気づかなかったが、意外とのサイズもあるらしい。
い顔に反して、なかなか見事といえよう。
その視線をじたのだろう。ロニンはきょとんとした顔で言った。
「……どうしたの?」
「イヤ。おまえ、案外カワイイと思ってな」
「か、かわ……!」
ぼふっと音がするほどに顔を赤らめるロニンを放っておき、シュンは「よいしょ」と立ち上がった。
「おまえのせいで腹減ったよ。メシにしようぜ」
高校生男子による怪異探訪
學校內でも生粋のモテ男である三人と行動を共にする『俺』。接點など同じクラスに所屬しているくらいしかない四人が連む訳は、地元に流れる不可思議な『噂』、その共同探訪であった--。 微ホラーです。ホラーを目指しましたがあんまり怖くないです。戀愛要素の方が強いかもしれません。章毎に獨立した形式で話を投稿していこうと思っていますので、どうかよろしくお願いします。 〇各章のざっとしたあらすじ 《序章.桜》高校生四人組は咲かない桜の噂を耳にしてその検証に乗り出した 《一章.縁切り》美少女から告白を受けた主人公。そんな彼に剃刀レターが屆く 《二章.凍雨》過去話。異常に長い雨が街に降り続く 《三章.河童》美樹本からの頼みで彼の手伝いをすることに。市內で目撃された河童の調査を行う 《四章.七不思議》オカ研からの要請により自校の七不思議を調査することになる。大所帯で夜の校舎を彷徨く 《五章.夏祭り》夏休みの合間の登校日。久しぶりにクラスメートとも顔を合わせる中、檜山がどうにも元気がない。折しも、地元では毎年恒例の夏祭りが開催されようとしていた 《六章.鬼》長い夏休みも終わり新學期が始まった。殘暑も厳しい最中にまた不可思議な噂が流れる 《七章.黃昏時》季節も秋を迎え、月末には文化祭が開催される。例年にない活気に満ちる文化祭で主人公も忙しくクラスの出し物を手伝うが…… 《八章.コックリさん》怒濤の忙しさに見舞われた文化祭も無事に終わりを迎えた。校內には祭りの終わりの寂しさを紛らわせるように新たな流れが生まれていた 《九章.流言飛語》気まずさを抱えながらも楽しく終わった修學旅行。數日振りに戻ってきた校內ではまた新たな騒ぎが起きており、永野は自分の意思に関係なくその騒動に巻き込まれていく 《最終章.古戸萩》校內を席巻した騒動も鎮まり、またいつものような平和な日常が帰ってきたのだと思われたが……。一人沈黙を貫く友人のために奔走する ※一話4000~6000字くらいで投稿していますが、話を切りよくさせたいので短かったり長かったりすることがあります。 ※章の進みによりキーワードが追加されることがあります。R15と殘酷な描寫は保険で入れています。
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