《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》馬鹿にしてると痛い目に遭うよ

四天王の中心に無理やり立たされたロニンは、心で不満を抱きながらも、戦闘の構えを取った。

いままで、シュンがこの手の噓をついたことはない。

だから信じてみることにした。

まだ出會ったばかりの村人を。

「……ほう、ロニン殿。やる気ですか」

ローブたちが嘲るような笑い聲をあげる。

「いくら魔王様のお子といえど、あなたはまだ未。我々には遠く及びませぬよ」

「あはたは永らく人間の地に居座っていた。だが我々は違う。ずっと鍛錬を積んできた」

「ロニン殿。せめて安らかに死になさいな」

四天王たちの嘲笑を、ロニンは聞きれまいと意識の外に追い出した。

ーーもう私は負けたくない。

劣等者と言われ続けるのはもう嫌なんだ。

ドドドドド……と城全が揺れ始める。

と同時に、四天王たちの両手が漆黒の輝きを帯びた。

それは徐々に度を増し、室を深淵の闇に包み込む。

ーー來る!

四天王の魔法攻撃を予知したロニンは真上に高く跳躍した。

その剎那、ロニンのいた箇所に、四天王の魔法が炸裂した。

が放った線が、空を切って激突したのだ。

ぱっと目をるような閃が発生し、一瞬だけ訓練場が目映いばかりのに包まれる。

ロニンが元いた箇所には、もうもうと煙が立ちこめていた。一般のモンスターが喰らえば即死は免れない威力であった。

四天王たちは、ロニンに避けられたことに気づかない。魔法が命中したと思いこみ、攻撃の余韻に浸っている。

ーーいまだ!

ロニンは靜かに著地すると、鞘から剣を抜き、近くの四天王に襲いかかる。

「なっ……」

その四天王が目を見開いたときにはすでに遅かった。

ロニンの振りかぶった刀が、寸分の狂いもなく四天王の首を捉えたからである。

さっきまでロニンを嘲笑していた赤ローブは、呆気なく首を飛ばされ、その生命を終えた。

「なんだと……!」

「慌てるな! 次の攻撃を……!」

恐慌をきたした殘りの四天王にも、ロニンは容赦なく切りかかった。

數秒後、斷末魔の悲鳴をあげながら、ニの魔師はその場に崩れた。

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