《引きこもりLv.999の國づくり! ―最強ステータスで世界統一します―》トルフィンの部 【約束】
筋骨隆々の天使――
すなわち、シュロン國の騎士団、そしてゴルムをも無慈悲に殺害した張本人。
その外道きわまる天使が、いま、トルフィンの前で仁王立ちをしている。
なぜ奴が蘇ったのかはわからない。だがそれを考えるより前に、一刻も早く剣を抜かなければ、間違いなく殺される――
そう判斷し、トルフィンは急いで立ち上がろうとしたのだが。
「……っ」
足がふらつき、またも片膝をついてしまう。どうやら相當のダメージがってしまったようだ。
――でも、おかしい。
さっき戦ったとき、奴はたしかに強かったが、これほどの理攻撃力はなかったはず……
そんなトルフィンの思考を見かしたように、天使はニタリと笑った。
「なぜ、という顔をしているね。いいだろう。教えてやる。……ステータス・オープン・シェア」
どういうわけだか、天使がみずからのステータスを開示してきた。
怪訝に思いながらも、トルフィンは提示された數値を確認する。そしてすべてのステータスを認めたとき、トルフィンは思わず激しく咳込んだ。
《HP 70000/70000
MP 70000/70000
理攻撃力 70000
理防力 70000
魔法攻撃力 70000
魔法防力 70000
俊敏 70000 》
すべてのステータスが七萬ジャスト。
――ありえない。
この數値はトルフィンのそれより明らかに高い。奴がこれほど強いのであれば、さきほどの戦いは絶対に勝てなかったし、そもそも國王シュンぐらいしかまともに戦うことができないだろう。
あるいは、さっきの戦いは手を抜いていたとでもいうのか……
「違う」
トルフィンの考察を、天使はきっぱりと否定した。大仰に両手を掲げ、大膽不敵な笑みを浮かべる。
「俺は創造神様に選ばれし者となったのだ! ゆえに! 一度失った命を蘇らせていただくことも可能!」
創造神……
詳細は不明だが、おそらくディストに蘇生してもらったのだろう。しかもステータス大幅アップというおまけ付きで、だ。
――こんなのアリかよ。ディストにはなんでもできるってのか。
天使はニカっと大きな口の両端を吊り上げた。
「ディスト様より命令だ。トルフィン。貴様を殺せとな」
「なんだと……?」
トルフィンが返事をしている間に、さらなる攻撃が打ち込まれた。
天使が片腕を突き出すや、明な衝撃波がトルフィンを襲う。その威力、まさに彼がいままで経験したダメージをはるかに超える。
「かはっ……」
後方に吹っ飛ばされ、トルフィンは地面に叩きつけられた。乾いた痛みが全に走り、彼は苦悶の表を浮かべる。
たしか、さきほど戦ったとき、天使は魔法の類をまったく使用しなかった。それは奴の見た目通り、理特化タイプだからだと思っていた。
だが、いまは違う。いまのあいつは、理攻撃も魔法攻撃も、平等に70000ものステータスを持っているのだ。
――適わない。適うわけがない。
「トルフィン君!」
リュアが息せききって駆け寄ってくる。上半を起こされるも、しかしトルフィンにはそのを味わう余裕などなかった。
「トルフィン君、立ち上がって! お願い!」
「リュア……俺は……」
トルフィンは殘る力で片腕をあげ、リュアの頬にれた。視界が黃く縁取られている。殘りHPも三割を切ってしまったようだ。
「トルフィン君、あなたまでいなくなったら、私……!」
リュアのび聲に、天使はガッハッハ、と笑いをあげた。
「リュアよ。ゴルムが死に、そしてトルフィンまでがこの世を去る……。くく、貴様にとり、この上ない悲しみであろう! ディスト様は悲しみに暮れる貴様の顔を見たいとおみだ!」
――ディスト。
なんという格の悪さだ。リュアの心をさらに傷つけるために、俺を殺そうと…… 
いや。
俺は約束したはずだ。
人類を守ることができなくとも、リュアだけは必ず守ると。
武大會の決勝戦前夜、そう誓ったはずだ。
リュアの小さな手と、指切りげんまんをしたはずだ。
その俺が、こんな簡単に諦めていいのか。
俺は……!
瞬間、トルフィンは心中に燃えるがごとき闘志をじた。痛めつけられ、けなくなったに無理やり気合いをれ、震えながら立ち上がる。
「俺は……負けない、負けられない!」
全の激痛を無視し、トルフィンは剣を引き抜く。彼我のステータス差がどうであろうと、俺は負けるわけにはいかない。
「くっくっく、馬鹿め! 勝てると思っているのか!? こんなにステータスが開いているのに!」
天使が両手を広げ、哄笑こうしょうした、そのとき――
「素晴らしい闘志だ。それでこそこの俺を破った男といえよう」
どこか懐かしい、聞き覚えのある聲が周囲に響きわたった。
瞬間。
刃狀の漆黒の波が、すさまじいスピードで天使に襲いかかる。
「――チッ!」
舌打ちとともに、天使は片腕を振り上げ、波を打ち破った。そのまま憎らしげな表を浮かべ、聲のした方向へ目を向ける。
「貴様か……玩がんぐ!」
「ふん。なんとでも呼ぶがいいさ」
勇者アルスがそう吐き捨てながら、トルフィンの隣に舞い降りた。
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