修行は數時間にも及んだ。

神の霊気をにまとい、全力で襲いかかってくる《悪魔》たちは、シュンに匹敵する実力を持ち合わせていた。そんな連中が五十三、多方面から攻撃を仕掛けてくるのだから、シュンもロニンも休まる暇がない。

攻撃をけ、そして反撃を繰り返していくうちに、シュンとロニンはしずつ《神の霊気》を自に取り込み始めていた。

《ステータス》とは、他者にその存在を熱烈にアピールするものといえる。力を解放すれば他者はそのパワーをじ取れるし、シェアすれば各項目の數値を見せることもできる。

対して、神の霊気とは、目には映らない、極めて神的な力といえた。いわば、に眠る靜かな力とでもいうべきか。

その力を引き出すべく、シュンとロニンは戦いに明け暮れた。結果、だいたいプラス１０００ほど、各ステータスの數値を上乗せできるくらいには霊気をれるようになった。

「あー、もう無理だ。けね」

地面に大の字になる格好で、シュンは仰向けに寢転がった。その隣でロニンも控えめに膝を抱えて座る。

「……まあ、上出來でしょう」

そんな二人を見下ろしながら、アリアンヌは無機質な聲を発した。見れば、五十三の悪魔たちもみな様々な格好で橫になっている。ギブアップ、ということだ。

「正直、ここまでやるとは思いませんでしたよ。元のステータスが高いのが幸いしましたね」

「俺……、長、したのか……？」

荒い呼吸で問いかけるシュンに、アリアンヌは目を細めた。

「ええ。信じられない速度で長していますよ。次の修行は私と一騎打ちです」

「はあ？　おいおい、もうけねぇって……」

「冗談ですよ。今日はもう寢ましょう」

「…………」

真顔でさらりと冗談を言うアリアンヌに、シュンはさらに疲れをじた。

「簡単ですがベッドを設えてあります。ついてきてください」