《進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~》第三十話 久しぶりの強敵です
紅蓮と凍荂とうわを構えた俺は、真っ先にコボルドとオーク方へ向かう。
リーナはゴブリンの方に向かったようだ。こういう時に何も言わなくても行できるのっていいよね。
そんなことを考えながら、俺は目の前で威嚇してくるコボルドに向かって紅蓮を振り下ろす。
コボルドはけ止めることはせずにバックステップでその場を離れる。
…………やはり原種オリジナルは知能があるようだ。普通のコボルドだと絶対にけ止めるもんな。
一瞬鑑定しようとも思ったが、それはやめた。
何故かって? その方が面白そうじゃないか!
そんな冗談はさておくとして、神であるミルティスさんの助言されたのだ。
彼曰く
「邪神やその従者たちは正當なステータスを持っていない可能があります。だからステータスを見てから子攻撃手段を決める戦法に依存するような戦い方になれると、いざという時に痛い目を見ます。だからなるべく早めに強い魔を見つけてステータスを見ずに戦うということに慣れておいた方がいいかもしれません。それに慣れておけばステータスを見ずともどんな戦い方をするのかが覚でわかるようになるでしょう」
とのことだ。
そんなわけで、ステータスを見ないという縛りを設けながら俺は戦闘を開始した。
「グルルルル……」
コボルドは腰に據えている刀を抜き放ち、こちらを威嚇しながらじりじりと詰め寄ってくる。
きがずいぶん人間っぽいな。これも原種特有のなのか?
そんなことを考えていると、後ろから何かが近づいてい來る気配をじ、咄嗟に前に飛び出る。
しかし、前には刀を構えたコボルドがいる。あ、これ完全に間合いにってる。どうしようか。
そんなことを考えている今も、刀は目前に迫っている。
ギリギリ避けれなくもないが、避けても間髪れずに攻撃されそうだし、この態勢から回避できたとしても行を起こすまでし時間がかかる。
ふむ、仕方がない。早速紅蓮と凍荂の力を使ってみるとしようか。
「焼け、紅蓮」
そう呟くと、右手に持った紅い小太刀が発熱し、前に炎を吹いた。
「ワオンッ!?」
隨分と犬っぽい鳴き聲を上げながら、突然現れた火に驚いて飛びのいた。
俺はそのまま後ろ振りむきながら、左手に持った蒼い小太刀を前方に突き出す。
「凍れ、凍荂」
そう言うと、小太刀から吹雪のようなものがオークに向かって一直線に放される。
「ブモォォォォ!?」
こちらも相當驚いたのか、喧しい雄たけびを上げながらその場から離れようとするが―――――けない。
雪雫を除いた俺の作り出した武たちには、俺の持つ魔力を古全て注ぎ込んで生み出したものだ。
破砕の斧ディバイズには【聖魔法】を。
今使っている紅蓮には【焔魔法】を。凍荂には【冰魔法】を組み込んでいる。
ただ単に燃やせるとかそう言った単純な能力ではない。というかそんなちゃちなじゃなかった。
何? どれほどのか知りたいって? そんなにみたいなら見せてやるよ
紅蓮ぐれん&凍荂とうわ
海崎晃が生み出したこの世界唯一無二の二振りの小太刀。
紅の小太刀には【焔魔法】蒼の小太刀には【冰魔法】を組み込んで作られている。
圧倒的な魔力を込めて作り上げられたため、滅多なことでは壊れない。
その気になれば小太刀一本で王都を火の海にしたり極寒の地に作り替えることができる程の威力を持つ。
ね? すごいっしょ? これクラスがまだあと一つ殘ってんだぜ? 驚きだろ?
冗談はさておくとしても、これほどの威力を持つ武から生み出された氷は、例え原種であったとしても壊すことは困難極まりない。
當然そんなことを知らないオークは必死に氷を壊そうともがいたりこん棒でたたいたりするがびくともしない。
てめぇは後だ。先にコボルドを殺ヤる。
振り返ると、ちょうどコボルドが刀を振り上げてこちらに向かってくる途中だった。
「へぇ~、奇襲を仕掛けようとしたのか。でも殘念、そこは既に―――――」
「俺の間合いだ」
ズパァァァァァンッッ!!
俺は小太刀を振り抜いた。
コボルドの上半と下半が離れ離れになる。
しやり過ぎたが否めないが、これくらいの強さじゃないと皮がくて斬れないんだよな。
オークはいまだに氷の束縛から逃れようと頑張っている。
俺はコボルドの刀や皮、牙や爪を剝ぎとり、オークの方に向かった。
*
*
*
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*
ヒカルが隣で戦っているのを目に、私は黒い皮のゴブリンと対峙していた。
ゴブリンの武は曲刀シミタ―と呼ばれる(ヒカルがそう言っていた)武だ。
私は墮神闇槍 ウロボロスを構える。
本來であれば長を扱うこちらの方が有利なのだが、それはあくまで障害がなければの話。
このような木が犇めき合っているような場所では槍使いは足手まといである。
なので、裝備を変える。
「モード変形チェンジ、ダガー」
そういうと墮神闇槍ウロボロスが黒い靄に包まれた。
靄が晴れると、私の手にダガーが握られていた。
墮神闇槍と同じで黒がベースにされたデザインで、暗殺の時とかに使えそうなじである。
…………うん、持っただけでわかる。これはかなりの業だ。
私は満足してゴブリンに向きなおる。
私の準備が終わるまで待っていたのか、ゴブリンは今の今まで一切攻撃してこなかった。
……以外と紳士なのかな?
そんなくだらないことを考えているうちに、ゴブリンがこちらに迫ってきた。
「グルギャアァァァァァァァ!!」
「うるさい」
私はそういってダガーを振りぬく。
一瞬の攻防。
勝ったのは、もちろん私。
いくら相手が原種だといっても、所詮はゴブリン。私が負けるはずがない。
まあ、だからといてて手加減は一切しないけど。
でも流石原種と言ったところ。まさか今の一太刀で斬り切れないなんて。
やる気が湧いてきてた。あいつならもしかしたら耐えられるかもしれない。
「福音をならせ―――――【之熾天使ガブリエル】」
之熾天使ガブリエル
と対をすを司るスキル。
七つの徳スキルにおいて、最も気高いスキルである。
三百年ほどスキル保持者見つかっておらず、き通るような魂の純度を持たなければ選ばれることはない。
之熾天使ガブリエルを使ったのはアルフィリーナとの特訓の最中のみだった。
「下界で使うのはこれが初めて。冥土の土産に持っていくといい」
そういうと、私の背中から三対の純白の翼が生えた。
もともと黒髪だった私の髪は真っ白に染まり、服裝が展開で見た天使のようなドレスになっていた。
この狀態に名前を付けるなら―――――
「墮熾天武裝ならぬ……熾天使武裝」
―――――スキル【熾天使武裝】が取得されました。
………スキル習得早いね。
私の纏う雰囲気が変わったのを理解したのか、ゴブリンは警戒したままで攻撃してこない。
「かない的はいらない。やるなら攻めて」
私の言葉を挑発と捉えたのか、怒り狂いながら突進してくる。
「グギャアァァァァァァァァァァ!!!!」
「攻撃してくるのはいいけど、そのび聲はいらないよね」
私はそう言って人差し指の照準をゴブリンの眉間に合わせる。
「ばーん」
一言、たった一言そう言っただけで――――――
ゴブリンが頭が吹き飛んだ。
傍目からは何も指先からは出ていなかったのに、である。
「勝利」
私はそう呟いて、ヒカルの元へと歩いて行った。
魔力ゼロの最強魔術師〜やはりお前らの魔術理論は間違っているんだが?〜【書籍化決定】
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