俺は絶対クリアしてやる。

そう心の中で流奈に誓うとアルの方を向いた。

「アル、休憩もしたし、もうそろそろ始めよう。試練を」

「そうでなくちゃの。今から試練の試練容を、キラリに教えるのじゃ」

どんな凄いのが言われるのかと、張半分、楽しみが半分ぐらいの気持ちで、アルから容を言われるのを待った。

「試練は昔、【天十握剣】の部下を育てる為に造った、迷宮を使うのじゃ。この迷宮は、一階から百階まであるのじゃが、キラリがやるでおるなら、普通の挑戦では余裕でクリア出來てしまうと思うのじゃ。じゃから、キラリには裏版でやって貰おうと思うのじゃ」

「裏版？」

「そうじゃ。全ての魔のレベルが通常とは、桁違いの強さなのじゃ。かつてクリアした者は【天十握剣】の幹部以外おらん。これをクリア出來たらキラリの力が相応しいと認め私の力を貸そう」

案外分かりやすい容だったので、しホッとした。

まぁ、それでも難しいのには変わりないので張は全く解けていないが。

「この試練には、何を使っても良いのか？」

「あぁー、良いのじゃ。それらも含めキラリの実力じゃからの」

アルから何をしても良いとの許可が下りたので、じゃんじゃん能力を使ってやる。

そう思い、しアルに時間を待って貰い作戦を考え始めた。

そして思いついた作戦は主に三つ。

一つ目の作戦は、まず魔法をバンバン使い魔を倒す。

ＭＰが無くなったらローブの認識阻害で魔から隠れる。

ＭＰが回復したら、また魔法をバンバン使い魔を倒す。認識阻害で隠れるを繰り返すと言う方法だ。

しかし、これには不安──欠點がある。

それは、迷宮の、それに裏番の魔に果たして効くのか。

もし見破られた場合、萬全じゃないそれに魔法は使えない狀態と言う不利な狀態で戦わないといけなくなるという事だ。

二つ目の作戦は、気力放を使い魔法を倒していくという方法だ。

しかし、このスキルは、気を使いそれを放すると言う技なので、気を使い過ぎると気を失って倒れる、と言う條件があり、迂闊にバンバンとは使いまくれないと言う事がある。

なので、余り使う事は出來なさそうと言う事が欠點だ。

最後の三つ目の作戦は、異能力《模造レプリカ》を使い、アイテムを造って相手を倒すと言う方法だ。

これは、一番クリアに可能があると思っている。

この作戦だと、作戦一、と一緒に使う事で、魔法が効かなかった魔に対して有効なアイテムを造り倒すという事が出來るからだ。

それに、欠點と言う欠點が無いので良い作戦だと思っている。

この考え付いた作戦の中から、作戦一、三を採用する事にした。

主に攻撃は魔法で、効かなかった場合は異能力でアイテムを造り、それで倒すという事に決まった。

作戦がまとまったので、暇そうにしているアルの元へ駆け寄った。

「アル、作戦が決まったぞ」

「おぉー、やっとか。もう暇で暇で仕方がなかったのじゃ。それよりどんな作戦で行くのでおるか？」

「ふん、それはだな……言うかよ。どうせ俺が戦うのを何かして、見るんだろう」

「ほう、何故そう思ったのじゃ」

俺は──いや簡単な事だろう、と呆れながら説明を始めた。

「アル、お前は俺の力が相応しいかどうかを見極めるのだろう。だったら俺を見ていないといけないし、それについて來ないとなると、どうにかして俺を監視する。違うか」

「いや、全て當たっておる。そうじゃな、その時にキラリの作戦を見る事にするのじゃ」

取り敢えず良かった。まぁ、面倒な作戦を話すと言う事が無くなったからだけど。それは良いとして、アルに「行くか？」と問われたので、俺は首を縦に頷いた。

「じゃあ、キラリを迷宮に飛ばすのじゃ。準備は良いかの？」

「ああー、大丈夫だ」

「もし死にそうになった時は棄権リタイアとぶのじゃ。私がいる所まで転移出來るからの。......初めて仲良くなった人──キラリには余り死なれたく無いからの。まぁ、ばず死んだ場合は私は知らないでおるが」

地味にそこまで思っていてくれていたのかよ。

こいつをからかっていたし前の俺を毆ってやりたい。

こいつの気持ちを守るため絶対戻って來てやる。

そしてこいつに認められるようになる。

「大丈夫だ！！　絶対クリアして戻って來てやる」

「分かったのじゃ。期待して待って居るのじゃ」

「じゃ、また」

「またなのじゃ」

別れの挨拶が終わった途端、俺は白いにを包まれ意識が消えた──