《神の加護を持つ死神》キラリのルール
……俺ルールを作ろう!
取り敢えず簡単にだが、こうなった経緯を説明しよう。
俺は強くなった銃を使い、十一階層のボス、モスラを倒した。
しかし、相手は怪我をしており(俺がやったのだが)殆ど無抵抗でいた。
これには、魔だからと言っても無抵抗の奴を殺した事には関係ないと思い、凄く心が痛んだ。
こんな思いはもうしたく無い。
そう思い、こんな事が無いようにと戦いのルールを決まる事にした。
で今に至る。
「まぁ、そんな訳で何か良いアイデアがある人」
「ハイッ」
「じゃあ、キラリさん」
え、え、えぇ〜と。
一人で寂しいからって、一人授業している訳じゃ無いぞ。
……勘違いすんなよ。
「おっほん。で、考えついた策は……心を鬼にする」
「卻下ッ……………………はぁ〜」
なんか余計寂しくなってきた。
……あっ、今の寂しいと言うのは噓だからな、噓。
なんか、もう良いや。
止めよう、この授業風のやつ。
まぁ、気をとり直してどうしようか。
もう一層の事、敵と判斷したら殺す、で良いかな。
敵なら、心が痛いまなそうだし。
……うん。
何て言うか、これで良いや。
難しく考えるのは俺らしく無いし。
こいうのが合ってそうだしな。
でも敵の基準って……。
いや、これも難しく考えなくて良いや。
攻撃してきたら、敵という判斷としとこうか(・・・・・)。
しとこう、の理由は今後この敵の基準が変わりそうだかな。
そんな事は置いといて、攻撃してきたら敵とみなして遠慮無しに容赦なく戦う。
このルールで良いだろう。
ある意味俺にピッタリだし。
何故か分からないが、今まで溜まっていたものが全て消えた気がする。
これのおかは分からないが、これからが楽しみでワクワクが止まらない。
「……よっしゃ、進むか。この迷宮を!」
階段を駆け上がり十二階層へと出た──
◇◆◇◆◇◆
──ここを上がれば四十七階層。
ここまで來た俺を褒めてしい。
別に半分まで行った訳では無いが。
まぁ、誰も褒めてくれなさそうだし話を始めるとして、あのルールを決めてからここまで來るのに二ヶ月。
この二ヶ月間、々と苦労した。
苦労が何かと言えば、大はあのルールを守る事から起きた事だ。
一番は、三十階層を過ぎると、全ての敵が《気配察知》を覚えており《気配遮斷》を使ったのだが、これが効かない魔が上に行くにつれ増えていき、見つかりまくって無駄な戦闘をした事だ。
そのおでレベルは上がりまくるは、スキル、魔法が増えまくるわと、どんどん人間離れしていく事に嘆きまくった事などもある。
こんなのが他にも々とあり、本當に苦労した。
まぁ、この人間離れしていくのおで、迷宮は特に苦労する事なく上って行けたので結果オーライと言えるだろう。
こんな事を思っていると階段を全て上り終えた。
上り終えた先は、灼熱のマグマが海の様に広がっていた。
これ暑くてやべーんだよ……たぶん。
多分の理由?
だって、ケーレス・ローブの溫度調節があるから全く暑くなくて、本當は外がどれくらいの溫度か分からないんだよ。
……反則とか言うなよ。
俺も若干ズルしている意識があるんだから。
まぁ、普通だったらその暑いという事で集中力が失われたり、海の様に広がっているせいで進めなかったりとやばいんだよ、これも憶測だけど。
俺は、飛行魔法もあるし飛んで行けば良いだけなんだけど。
それにここの魔は全てマグマの中にいるおで、飛んでる俺は襲って來ない。
來たとしてもボスだけと、ある意味俺の俺の中ではここが一番今までの中で楽だと思ってる。
そんな事を思ってるとボスを見つけた。
四十七階層まで來ると応を使いこなせる様になり、今ではボスの位置を探る事まで出來る様になった。
応は使ってみると分かるんだが凄く難しかった。
未だに使おうと意識した時しか使えないし、完全には使いこなせる様になるのはまだまだ先だろう。
まぁ、取り敢えず行こうか。
「──っ!《飛行魔法》。最大速度で行こうか………………ゔぅぁわゔぁー」
ハァッハァッハァッ。
これは…………………し…油斷していた。
だってこんな速さだとは思っていなかったし。
何て言うか、ジェットコースターに目隠しで乗せられてるぐらい怖かった。
もう、最大速度で飛ばすのは止めよう──絶対に。
今は目の前に、いや下か。
下にいるボスを倒す事に集中しよう。
嬉しい事にこのフィールドのボスは先制攻撃をしてくるので、倒しても俺のルールには反していない事になる。
あっ、噂をしてみれば≪もうか≫を撃ってきた。
何故、分かったかって。
応で一度見た魔法だとわかる様になったんだよ。
もう目の前まで迫り來ている≪もうか≫に対してレッグホルスターから銃を抜き撃った。
≪もうか≫と弾丸が衝突した瞬間、≪もうか≫が魔に向かって跳ね返って行った。
この不可解な現象は弾丸に付與された魔法にある。
付與したのは、次元屬オリジナル魔法≪カウンター≫だ。
≪カウンター≫は名前の通り、魔法攻撃を跳ね返す技だ。
それを銃の弾丸に付與した。
なので、魔が撃ってきた魔法を跳ね返したのだ。
このカウンターで跳ね返した魔法が魔に當たった。
で、死んだ。
こんなあっさりと死んだのにも訳がある。
魔法を使える魔は、使える魔法の屬が一番の弱點ということが前、戦っている時に知れた。
だからその法則に従い、相手が撃った魔法を跳ね返して當てたらあっさりと死んだのだ。
『レベルが上がりました』
なんか、戦いをし続けるごとに、締めと化しているこの人工知能の聲。
初めじゃ、鬱陶しくて仕方がなかったんだがな。
こんな自然になるとは思ってもいなかった。
けどこの、レベルが上がりました、は要らないんだよな。
敵がいない程、強くなり過ぎるのは嫌だし。
まぁ、俺がんだ能力で上がってるんだし今更変えられねよな。
それか、敵がいなくなるぐらいまで強くなってみようかな。
……やっぱ、面倒いしやめよ。
普通に過ごせばいいや。
そのためにさっさと進もう。
こう決め、四十八階層へと上った。
四十八階層はマグマの海では無く、森の火事現場みたいなじだった。
木は燃え上がっていたが歩く訳では無いので、楽にボスの場所まで飛んでいった。
ボスは火のクジラ? (鑑定をしてないので正確には分からない)で魔法が使えないのか全く魔法を撃ってこなかったので、≪グラヴィティ・クラッチ≫を追加攻撃ONで撃ってやるといちころだった。
そのまま開いた階段を階段を駆け上がり──正式には飛行魔法で飛んで上り、四十九階層へと出た。
その先は……特に四十八階層と変わることはなかった。
はぁ〜。
いつもの事だとしてでもでも、がっかりしたんだよ。
こんな事で気を落とすのはやめとこう。
長いこと、この気分でいてたら俺のが持たん。
さっさと切り換えよう。
「よっしゃ〜。この階層も穏便に済ませるか」
そう言い終わった頃には、俺は飛行魔法で空へと飛びたっていた。
そして、宣言通り、穏便にボスを倒し、五十階層の階段が開いた。
遂に半分まで行く。
なんかしてきた。
大きく息を吸い込んで……スゥ〜。
よし!
俺は飛行魔法をやめ、階段を走って駆け上がった。
そこにはもう見慣れた、何もなく、何にも遮られてない部屋が広がっていた。
そして、その先には、ボス部屋へのり口──ドアがあった。
なんか思い出すなぁ。
十階層の時は、中にらずドアの外から倒したんだよなぁ。
今じゃそんなことしなくても良いんだけど。
こんな様に──ドアを開け、
「……ギュゥルルゥ……」
魔がこっちへ振り向く前に、
『ドン』『ドン』『ドン』『ドン』『ドン』
と殺戮兵を五発、追加攻撃ONなので十発撃ち放つと速攻で戦闘が終わる。
『レベルが上がりました』
『五十階層ボス撃破記念【疲労適宜強化】を取得しました』
むずっ!?
読み方は……ひろう……てきぎ、きょうか?
って、読むのか?
『はい、そう読みます』
うわっ!?
……マジでびっくりした。
急に頭に流れてくると困る。
『────』
ああ〜、直せないやつか。
それなら仕方がないか。
そんなことより、全く意味分からん。
「人工知能、説明プリーズ」
『かしこまりました。このスキルは天之尾羽張神様専用ユニークスキルの一つでございます。効果は、疲労──疲れが増えるほどスターテスが上がるというものでございます』
アルがくれたのか?
このスキル、プレゼントみたいで嬉しいのは嬉しんだが。
……今、まさに要らないやつだな。
あいつの事だしわざとでは無いと分かっているんだが、無自覚の悪意とでも言うのだろうか、こんなのあったらまた強くなってしまう。
これ以上俺はもう強くなりたく無いんだがな。
まぁ、貰ったものは有難くけ取っておこうか。
というかそもそも、これに拒否権などは無さそうだし、どちにしろ貰う羽目になると思うけど。
だけど、こんなのあったら結構楽にクリア出來そうだよなぁ、迷宮。
いや、これから強くなってくるのか?
まっ、そんなことは先に進まないとわからないか。
なら、さっさと行くしかないな!
──この階層を上ったら遂に半分を過ぎる
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8 179久遠
§第1章クライマックスの35話から40話はnote(ノート)というサイトにて掲載しています。 あちらでの作者名は『カンジ』ですのでお間違いなく。表紙イラストが目印です。 ぜひぜひ読んでください。 また第2章は9月1日から更新します。第2章の1話からはまたこちらのサイトに掲載しますので、皆様よろしくお願いいたします。失禮しました~§ 「君を守れるなら世界が滅んだって構いやしない」 この直來(なおらい)町には人ならざるものが潛んでる。 人の生き血を糧とする、人類の天敵吸血鬼。 そしてそれを狩る者も存在した。人知れず刀を振るって鬼を葬る『滅鬼師』 高校生の直江有伍は吸血鬼特捜隊に所屬する滅鬼師見習い。 日夜仲間と共に吸血鬼を追っている。 しかし彼にはもうひとつの顔があった。 吸血鬼の仲間として暗躍する裏切り者としての顔が………
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