《神の加護を持つ死神》エルとの約束
俺と、俺に運ばれているエルは借りている家へと戻って來た。
丁度、みんなも帰って來たところらしく、先にシャワーを浴びて良いと言われたので俺は浴室へと向かった。
このスイートルームの浴室は、結構広く、俺一人でるのは勿無いと思う程。
それでも、誰かとりたいとは思わないが。
だって、例えばアルとれば何かと煩いだろうし、エルは寢てるから無しとして、ヘーニルは多分、無言で終わりそうで気まずいし、ソラは張して何も話せなさそうだから、まあ話せないのは主に俺だけど。
そんなじなので、誰かとりたいとは、一ミリとも思わない。
「……はぁ〜。癒されるぅ〜」
俺はシャワーを浴びて、浴槽へとった。
良い溫度の水がにれ、俺の気持ちを癒してくれる。
かれこれ、二週間近く風呂にっていなかったので、癒しの気分は何倍にも増している。
一応、≪リフレッシュ≫という生活魔法の一つを使っていたので、汚いとかは無いのだが、風呂は特別だ。
疲れていない時でもると癒される。
まあ、これは日本人特有らしいので、海外の様にこの世界の人も風呂が特別好きという訳では無いのだろう。
ーーガシャッガシャッ
風呂のり口の扉からそんな音が聞こえた。
まあ、多分、なくとも風では無いだろう。
「お邪魔するのです〜。キラリお兄ちゃん、橫良いでありますか?」
エルが浴室にって來た。
エルの言い方だと、間違ってって來た訳では、なくとも無いのだろう。
それと、タオルを著けていないのは、間違いであってほしい。
流石にお兄ちゃんだとしても、タオル無しではきつい。
エルであっても、意識してしまう。
「うん。良いぞ」
「ありがとうなのです〜! では、失禮するのです〜」
それでも許してしまう、俺。
しぐらいは考えても良かったのだろう。
だが、エルとりたいという気持ちは、抑えきれない。
まあ、一応の配慮として、見ない様にはしている。
エルは、「見ても良いのですよ〜」と言ってくれたが、流石にじっくりと見るのは悪いので、俺は見ない。
じっくりと見なければ良いだろう、と言われそうだが、エルをじっくりと見ないなどは出來ない。
綺麗な白のはに、見えそうで見えないところなどのせいで、絶対に一度見てしまうと、止めることはできないからだ。
「キラリお兄ちゃん」
「ん? どうしたんだ、急に畏まって」
エルは俺の方を向くと、ピシッとした姿勢へと変わったので、し困しながら言った。
ピシッとしたことによって、プルプルンッといていたものがあったが、それは気にしないでおこう。
それと、それが多分アル以上なのは、もっと気にしないでおこう。
心でも読まれていたら、俺は殺される。
「どうしたのですか?」
「……ああ、何でも無いよ。それで、どうしたの?」
エルが考え事をしていた俺を、心配する様な目で見て來た。
この仕草には結構、ドキッとした。
それに、の狀態なので、違う方面も、ドキッとした。
……って、駄目だな。
エルが真剣に何かを話そうとしているのに、こんな事を考えたら。
「エルは、この一ヶ月近く、みんなに稽古などをつけてもらいました。エルはしは強くなったと自分でも思うのです。けど、キラリお兄ちゃんや、お姉ちゃん達と比べるとまだまだです。それに、お姉ちゃん達の様に魅力的じゃないし……可く無いし……強く無いし……エルはキラリお兄ちゃんといっーー」
「一緒にいてはいけないーーなんて言わないだろうな」
「……」
なんとなく予想はしていた。
そんな事を言ってくるだろうと。
「……エル」
「……はいなのです」
「お前は賢い。……けど、間違ってる」
「えっ?」
エルは、自分が弱いから、俺とはいては行けないと考えていたのだろう。
それで、悩んだかもしれない。
実際に、アルやヘーニル、ソラと比べるとまだまだ劣っている。
だが、良いところだってある。
それをエルは自分で気付いていない。
「エル。みんなと同じ様になろうと思わなくて良いんだよ。お前はお前だ。アルの様に、ヘーニルの様に、ソラの様に、なんて考えなくても良いんだよ。お前にはお前の良さがある。だから、そんなことで、一緒にいては行けないなんて、言うな」
「……ごめんなさいなのです」
「それにな、抜けさせはしないぞ、絶対に。エル、お前は俺たちの仲間で、俺の妹だ。何があろうと、抜けるなんてのは、俺がさせない」
しばかり言い過ぎたかもしれない。
エルが、顔を下に向けてしまった。
こいう、場合はどうすれば良いんだ?
早く、早く思いかばなければ。
そう、俺が必死に悩んでいると、エルが顔を上げた。
それも、涙を流しながら。
こいう場合はまじでどうすんの?
俺、紳士的対応なんて出來ないぞ。
「……グスッ……ち、ぢがうのです。ゔ、うれじくなっぢゃって。ギラリお兄ぢゃんが、エルのごとを、ぞんなにも思っでくれでると思うと」
「そうか。大丈夫。俺はエルを抜けさせなんてしないから。安心して」
「はい……!」
紳士的対応が良くわからんから、取り敢えず、背中をさすってあげた。
どれくらいの力加減かも分からんから、結構難しい。
こいう行を、無意識に出來る奴って凄いよな。
改めて知ったよ。
「ありがとうなのです。もう良いのです」
數分さすってあげてると、エルが、泣き止みそう言ったので、さするのを止めた。
あれで、喜んでくれたのなら、良かった良かった。
それと、さするのは次からは上手いと思う。
だって、やってる途中でさするのは上手くならねーかな、って思っていると、《さする》という魔法が出來てしまった。
これの能力が、さするのが上手くなるというのらしい。
さするのが上手くなるだけの魔法なんて絶対に無いから、出來たのは納得出來るけど、使い道が殆ど無い。
の子を泣かせること自、俺はさせないし、本當に使えないだろう。
「キラリお兄ちゃん!」
「お、おう。どうしたんだ、エル」
急に、大きな聲を出されたので、結構びっくりした。
風呂の中なので、聲が響く。
それのせいもあり、まじでびっくり仰天。
「エルは、みんなの様になるのを止めるのです〜! なので、みんなを越せる様にエルは頑張るのです〜!」
「おう、頑張れ。俺も、ある程度は手伝ってやる」
「はい! けど、大は自分でやるのです〜!」
そう、いつもと同じ様なテンションの聲で言った。
良かった、良かった。
エルがいつもの様に戻ってくれて。
「まずは、ヘーニルお姉ちゃんよりも大きなおになるのです〜!」
「……それはし方向が違うぞ」
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