波に乗りながら揺れる船から、よいしょ、と言う聲をあげながらキラリは船を降りた。

アル達、それにイリスはキラリよりも先に降りている。

一番最後に降りたキラリは想像を絶する景を前にして、息を飲んだ。

「凄いな」

無意識のにそんな聲が出ていた。

それには、アル達も同という様子でキラリの言葉に応えた。

「そうじゃな。ここまでかな自然がこの世界にもあるのじゃな」

「だな。我もここまでかな自然を見たのは久し振りだ。確かグリーンライル以來じゃろうか」

「グリーンライルですか。ルナ様から聞いた事があります。一度は行って見たいと思ったものです」

なんとも近寄れない次元の話をされている方達には、付いていけないとじるキラリ。

イリスも同様だったよう。

「凄い會話ですね」

「そうだな。流石にあれにることは俺でも無理」

やっぱり神と人間（一応神）には差があるんだな、と良く分からない服をしているキラリを置いて起き、船は大陸を離れていく。

それもそうだろう。

キラリ達は普通にこの大陸にっているが、実はこの大陸には強い結界が張ってあるのだ。

結界は妖族に、いや妖族の中でも最上級であり、この世界には三人しかいないと言われている霊神にしか使えない結界が張ってある。

本當に強い結界で、生の人間であれば結界にれた時點で消滅するまでの威力を持っている。

……本當に、本當に強い結界なのだ。

……ただ、相が悪かった。

アルは結界など無いかのように普通に結界の中にり、ヘーニルは結界に課せられている定義を書き換え自分だけが結界を無視するようにし、ソラは結界をり自分がれるぐらいのを開けてった。

イリスは聖なるパワー（？）で結界の中にった。

キラリに至ってはる前に「邪魔だ」とか言いながら毆って結界をぶっ壊した。

その時にソラさんは、霊神のつくった結界を張る魔法を取得しました、と言っていたそうな。

ーーいや、そこまでしなくてもいいからね！？

などというキラリの聲はソラさんは勿論のごとく無視をされていた。

と言うことで、取得した魔法でさっきよりも強力な結界を張って置いたキラリ。

軽々と古代から伝わってきて、ずっと破られてこなかった結界を超える結界を張るキラリにソラ以外は気付いてもいなかった。

ソラは気付きはしたが、特に何も注意しないそう。

ソラ曰く、これぐらいでは注意するにはらないのだと。

……どのレベルまでいけば注意するんだと言う話ではある。

話は戻るが、そんなこんなで船に乗っている者達はこの大陸にはこれ以上近寄れない為、そして結界の能力でこれ以上いるとに害が及ぶ可能がある為、早急に帰って行ったのだ。

キラリはそんな船を見るのを止めると、言う。

「これからどうするんだ？」

それもそうだ。

キラリ達はイリスの護衛という依頼で來たが、容については一切と言ってもいい程に伝えられていない。

知ってる事など、妖族の安否の確認をしに來たという大まかな容だけだ。

イリスはキラリの問いに応えた。

というか、イリス以外は知らないので応えられないのだが。

「昔に來た時に案された里に行こうと思います」

「妖族が住む里とか？」

「はい。この大陸に住む妖族というのは、そこの里に全員が集まっています。人間の様に國と國で別れるという考えは無く、そもそも喧嘩とかそういう概念もありませんので、皆が皆優しく楽しく過ごしていますよ」

「へぇ〜。なんか想像していた通りってじだな」

ゲームとかなら、それが裏目になって良く騙されたりしてるけどな。

『それが実際に起こった所為で、人間族が住む大陸にも妖族が出沒していったのですけどね』

『マジで騙されてた！？』

『そう言えばですが、霊神の魔法を使える様になった事で、キラリ様も騙されやすくなりましたよ』

『噓だろっ！？』

『はい、冗談ですよ』

ーーそこまで冷靜に返されると言う言葉がない

キラリはそう思ってしまうのだった。

そして、ここまでソラに簡単に騙されてるんだし、今の話もマジでなのかなぁ？　という疑問を抱いた。

まぁ、そんな訳無いのだが。

話を切り替えるかの様にキラリは「じゃあ」という言葉を放ち、その後の言葉を述べた。

「行こっか。その里に」

アル達は、それぞれのタイミングで頷くのであった。