《異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした》真の神と偽の神
『よぉ……魔法神アルト……來てもらったとこ悪いが帰れ』
それはまるで蟲を払うような手付きでアルトを追い返そうとする
『フフ…そうはいかないよ……これから君にお仕置きをするんだからね♪君いつもやってたじゃない、アルカちゃん達におペンペンを…だから僕がおペンペンしてあげるね♪』
だが、アルトはそんな事はお構い無しという素振りで空気を一歩蹴ってそれの目の前まで距離を詰める
まず手始めにと言わんばかりにアルトは右手の中指を親指で抑え、中指をそれの額向けて放つ
世に言うデコピンされたそれは初めのうちは何ともなかったが、徐々に後ろに引っ張られるようにコロッセオの破片に頭から激突する
「あれ?もうお終い?散々暴れといてタダのデコピンで終わりなのかい?呆気ないにも程があるよユート君」
ケラケラと嘲笑するアルトに対し、怒りと憎悪の念がこみ上げてきた
それは飛び上がり、アルトの頭上に『神が降すは天啓也ドーン・オブ・ジ・サウザンド』展開する
先程マキ達にはなったモノとは質も量も段違いの暴力をアルトに降り注ぐ
だが、アルトはニヤリと嘲アザケりの念を込めて一言言い放つ
「あまり神僕をナメない方が良いよ、偽ユート君」
アルトのその一言がそれに屆いたと同時に降り注いでいた武は全て消滅し、アルトは何事も無かったかのようにそれに近づいていく
『俺が偽…だと……ふざけるな、俺は完全な存在だ!!見るがいい、神の領域に屆いた者の大いなる力をけて死ね!古神アルトォォォ!!』
それは怒りにを任せ自らが持つ、測定不能とされる有限など無い程の強大な魔力の塊を練らずにそのままアルトに向けて放出する
この魔力の塊は既に元の世界にある『原子力の力』など優に超し島國など簡単に消滅させられる威力を持っていた
そんなを放ったそれも疲弊しその場に膝から崩れ落ちるが後悔はなかった
それ程までの強大なものを無傷で無効化するなど不可能だ、そう確信していたからこそ放った渾の一撃は……
アルトの目の前まで迫った塊は、手を叩くと跡形もなく消えていた
「もう一度言うぞ偽ユート君、神をナメるな」
アルトのその一言は頭にが登り、暴走し、暴力の限りを盡くし、完全な存在と錯覚していたそれを突き放す
無慈悲で容赦ない真の神の一言であった
『は…はは……なんだよ…その力……チートじゃねぇか……』
それは全から煙を出し始め、を吐いて気を失った
「あ~あ……壊れちゃった、これじゃあもう使えないよね…しょうがない、もう希も潰えちゃったし……」
「このれは消して……もう僕自で終わらせるしかないか」
アルトは深いため息をつき、人差し指を突き出しアルトはユート近くに転移し、真っ黒なをユートのから抜き取り、指の先で弄ぶ
「とりあえずあの変なのも消しとくかな」
アルトはそう言って手をかざし、ユートが作った深い深いを消した
「アルト様……これからどうするのですか……」
立ち去ろうとするアルトに向かって、よろめきながらトシイエが質問を投げかける、これからどうするのか、その黒いのをどうするのか……と
「そうだなぁ……もうれも使いにならないし、君ら四賢者達も使えないし、この星は消滅めでたしめでたし…かな?」
「だから、どうせアイツに消されるくらいなら…僕の手で全部終わらせる、二三日の間に死ぬ覚悟をしておくようにね」
アルトのその言葉に反論しようにも、相手は神、トシイエは拳を握りしめ了承しようとした…その時であった
「ちょ……ちょっと待ったぁぁぁ!!!!」
空間に歪がり、歪の中から一匹のが顔から飛び降りて地面に激突する
その後は溢れる鼻を抑えながらアルトの前に立ち塞がる
「君は確か……不確定要素アルカちゃんだったね、何を待つのかな?」
アルトは今までの楽観的なイメージとはかけ離れた…まるで絶対零度と言わんばかりの冷酷な本來のアルトの目をアルカに向ける
一瞬、その冷たい目にたじろぐアルカであったが、ここでめげたらユートに顔向けできない、そう思いキッとアルトを睨み返す
「リリカちゃんから聞きました……この世界のこと…今後起こる災悪…そして……ユートが生まれた意味も……全部聞きました」
アルカのその言葉にアルトは一瞬驚くが、リリカの名前からトシイエからリリカを経由して知ったのだと判斷した
アルトは再度深いため息をつくと、アルカに対して言葉を放つ
「そこまで知っているなら…もう詰みだってわかるでしょ?」
「れユート君は救済の力をしきれず暴走した……それが語ることはそのあらましを聞いた君ならわかるはずだよ?」
アルトはまさに神の威厳からか、その一言一言がアルカのに強くのしかかり、常人であれば発狂するであろう重圧をアルカに向けるが……アルカは重圧を跳ね除け進言する
「まだ……まだ詰んでいません!まだアナタ達が制定したチュートリアルは完全に終わっていません!」
「だから……その……」
アルカは進言した、四賢者であるトシイエでもし得なかった神に反論する事をし遂げた
だが、そんなアルカ自も足がガクガクと震えていた事を知っているのは目の前にいたアルトだけであった
「……プフっ…あっはははは!!」
「程…流石は不確定要素アルカちゃんだ、そうだったね、まだ詰みじゃないね……いいよ、勇敢なの子の勇気と度に免じて……この力は今一度ユート君に與えよう」
アルトはそう言って人差し指で弄んでいた真っ黒なをユートのに埋め込んだ
「トシイエ、君は後で個別に話があるから…今夜はアルコールを控えてね♪」
「さぁてと…そろそろ帰らないと僕がいるせいで地上の倫理が崩壊しちゃうね…ばいばい勇者アルカちゃん」
アルトはそう言い殘すと、天井の大地から一筋のが舞い降りてそのに吸い込まれるように消えていった
こうして、ユートの暴走による騒は…一先ず幕を閉じたのであった
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