意識が浮上する。

「わふう？」

（朝か？）

おっと、聲は出ないんだった。

ついつい聲にだしちまうな。

早く慣れねえと…。

そこで、改めて周囲に目を向ける。

うん。夢じゃあなかったんだよな……。

やはりそこには、る鉱石があちこちに埋まっている、なだらかな壁面が確認できる。

るキノコも生えてるな。

……この鉱石、【鑑定】してみるか？　これも念じればいいのだろうか?

（〈鑑定〉）

と、鉱石の報が頭に流れ込んでくる。

《邪石》:希度6　魔素の濃いダンジョンでしか手にらず、その數はない。モンスター除けの石で知られているが、その実加工に使えば破魔の屬を付與できる。

ふんふん、この鉱石ってめっちゃ貴重なんか……

見渡す限り邪石なんだが。

あと気になる単語は”魔素”だな。

どう考えても魔法関連だよな？　あれか？

周りに漂ってんのか？

試しにの周囲に意識を集中。

あれだ、森林浴みたいなじで。

《條件の達を確認、【魔力知】を取得》

なんかきたー!?

いや、確かになんかスキルもらえるかな～。

とは思ったけど、魔力知したの？　魔素じゃないの？

まあ、いいや。

意図的にスキルは増やしていけることもわかったしな。

てか、さっきまで何もじなかったのに、床から湯気みたいなのをじる。

これが魔素か？　なんかサウナみたいな景になってるよ？

ついでにるキノコも調べてみる。

《茸》希度不明　新種のキノコ、源として使えるが、食べると発する。

ふむ。

新種のキノコか。

食べると発って、食べねーよ。

るキノコなんか。

うーん、どちらも希度は高いしな。

この鉱石とキノコ、取ってったほうがいいか？

どうせ周りに死ぬほどあるんだし。

ちょっとぐらい取ってってもバチはあたらんだろ。

確か【空間魔法】って収納できるんだよな？

ヨッシャさっそく！

俺が念じると、周りの鉱石とキノコがいっせいに消えた。

合わせて10個ぐらいか。

容量あるらしいしこんなもんか。

と、頭の中にメッセージが。

《練度上昇【空間魔法Ⅱ】になりました》

おお！

これが練度の上昇か。

やっぱり使えば使うほどいいってことか。

これからはバンバン使ってやろう。

そろそろこの窟からおさらばするか。

方角はわかんねーが、上に行けば魔素の薄い平地みたいな場所がある。

たぶんそこがダンジョンの外なんだろう。

(【魔力知】でわかった)

では、新しい狼(犬)ライフの一歩を踏み出しに！

しゅっぱ～～つ！！！

◆◆◆◆◆

迷いました！

はい。

いや～ダンジョンって広いな。

同じような道ばっかで現在地が全くわかんねぇ。

上に行く階段どこにあるんだよ！

そういやこダンジョンって〈サハラ跡〉って名前だったよな？

ぜってーあいつ関連じゃねえか！

あ～嫌な予しかしね～。

そこからしばらく歩くと、曲がり角にさしかかる。

ん？　【魔力知】になんか引っかかったぞ？

生命反応的なあれか？

へー索敵さくてきに便利じゃん。これ。

あ、こっちに來る。

思えばこっちに転移してきて初めてのエンカウントイベント

(邪神はノーカン）

ドキドキするな。

お、見えた──って、あいつは！

尖った耳に、奇妙に折れ曲がった鼻、醜く歪んだ顔にやせ細った。

暗くてわかりにくいがその皮は緑に見える。

ゴブリンだな。

絶対ゴブリンだ！

【鑑定】なんかせんでもわかるもん！

まあ、人間じゃなかったのが殘念だが、ゴブリンといえばファンタジー世界の代名詞、代表的な雑魚モンスターだ。

今の俺のステータスとどっこいだろう。

これはラッキーだな！(運ー10だけど)

サクッと殺して経験値に変えてやんよ。

と、その前に【鑑定】っと。

ゴブリン？　の報が頭に流れてくる……。

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名前　なし

種族　ゴブリン(変異種)

裝備　鉄の短剣

LV：12/20

HP:60/100

MP:0/2

攻撃力：120

防力：10

抵抗力：10

俊敏：60

魔法力：10

運　：10

：ノーマルスキル：

【短剣技】【刺突】【噛みつく】【怒る】

：稱號：

【変異種】【醜悪な者】

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──────────噓だろ？