『大変だ!!　β、エルフのが襲われそうになってるぞ!』

俺はを視認すると同時に、隣で突撃態勢にっていた分βへ報告する。

『何!?　エルフだって!?　早く助けるぞ!!　α!!』

了解だβ。

早く助けねえと、彼の貞が危ねぇ。

「ウォォォォォォォン!!!』

狩りの前に【遠吠え】は必須。

素早さの跳ね上がったβが駆け出すのと同時に、俺も奴らの真上に転移。

俺の【遠吠え】はゴブリンズにも聞こえていたので、奴らの注意はβのいる方向へ向けられている。

俺は空中でバランスを取りながら、格納庫から銘銀喰ギンクイ>を取り出す。

は、サハラから貰ったを基に創った太刀を【武創造★】を使ってリメイクしたもので、刀から持ち手までが銀1になり、退魔屬が付與されている。

また、俺でも扱えるように刀をし短くしてる。

俺の現・主武メインウエポンだ。

取り出したを口に咥え、重力に従い落下。

著地と同時に、周りにいたゴブリンを數匹斬り捨てる。

「ガギョグゲ!?」

「ギョギョガ!!」

『こちらβ、エルフのの奪取に功。離する」

突然の俺のにゴブリンズが気を引かれた隙に、分βがエルフのを確保した。

今更、気付いても遅いわぁ!!

これでようやく暴れられる。

見渡す限り、周りはゴブリンズ一。

ならばやることは一つだ。

『全艦、一斉掃ぁあ!!」

宙に浮かんだ大量の銘(破付與の短剣)がゴブリンズへ降り注ぐ。

ドゴォオン！、ボガァアン!!、ゴガアァン!!!

ゴブリンズの斷末魔は、大量の音の中へ掻き消えた。

◆◆◆◆

『ふぅ～、すっきりした』

音がやみ、辺りに立ちこめていた煙が晴れると、自主規制の景が広がっていた。

的にいうと、ゴブリンのピーがピーしてピーになってる。

うえっ、ぐちゃぐちゃだ。

取りあえず全部収納しとくか。

蟲とか沸いたら嫌だし。

で、狀況連絡っと。

俺『こちらα、敵の殲滅完了。そちらに向かう。どーぞ』

β『こちらβ、了解した。ポイント1にて待つ』

よし、助けたエルフっ娘の顔を拝みに行きますか。

ついた先は俺の狩り拠點。

ここは、唯一日のが見える場所であり、周囲には綺麗な花が咲いている。

そして、拠點の切り株の上にが寢かされていた。

『β、悪いが、周囲の散策へ行ってくれ。俺はこの娘と會話を試みる』

『了解した』

そう言ってβは、鬱蒼と木々が茂る森へ走り去っていった。

さて、俺は切り株の上に目を向ける。

年は、9才くらいか？

というよりだな。

容姿も、それっぽい。

髪は、腰にかかりそうなほどの金で、遠目からは分からなかったがアホゲが1本立っている。

は白く、見るだけでツヤツヤしてる。

ちょっとおいしそう。なんて思ってしまった。

服裝はボロボロの布切れのようなもので、非常に際きわどい。

足は足で、ゴブリンズから走って逃げてたんだろう。

だらけだ。

こんな小さな子が、どうして一人でいたんだ？

「んっ、んん──ふぁああぁ」

そのとき、が起きて、あくびを始めた。

よし、話しかけてみよう。

思えば、俺の今までの會話相手は、邪神サハラや神獣エルビス、という規格外な奴らばかり。

しかも、ここしばらくはの子と全く會話していない。

やべぇ、張してきた。

なるべく怖がらせないようにしないと。

『よ、よぉ。どうだ、の合は？』

がこちらを向く。

しばらくお互いに視線をわし、そして。

「風ウィンド・エクスプロージョン」

の先制攻撃が牙をむいた。

『え、ちょ、タンマっ──ゴハァアアアア!!』

え、いきなり？