《「最強」に育てられたせいで、勇者より強くなってしまいました。》第二章 第三十六話 依頼達
依頼達の証拠として、依頼主のおじさんのサインを貰った俺たちは、今度は迷わずにギルドへと辿り著くことができた。
俺は完全に來た道が分からなくなっていたのだが、モミジとユキがちゃんと覚えていてくれたのだ。
早速って付の職員さんに確認してもらおうと思うのだが、折角なのでここの対応もモミジにやってもらおう。
別にまた俺が落ち込んでいて使いにならないとかそんなことはない。
ということで、掃除をした倉庫からずっとサインの書かれた依頼用紙を持っているモミジが、そのまま付に行った。
殘された俺たちはし離れた場所からその様子を見守ることにする。
「こんにちは。依頼達の確認をお願いしたいのですが……」
「はい、こちらで承っております。依頼用紙をご提示ください」
モミジはギルド職員の指示通りに持っていた依頼用紙を差し出す。
「確認させていただきます」
依頼用紙をけ取った職員さんはそう言うと、慣れた様子で依頼容や報酬、達の証拠を確認した。
「依頼の達を確認いたしました。こちらが報酬の銅貨三枚です。ご確認ください」
「はい、確かに」
銅貨三枚をしっかりと數えたモミジは、それを大切そうに路銀れにしまうと、対応してくれた職員さんにお禮を言ってから見ていた俺たちの方に駆けて來た。
そして、満面の笑みで、
「やったわね! これで初依頼達よ!」
周りの冒険者にも十分聞こえる大きさの聲でそう言った。
もしやこれ恥ずかしいことになるのでは?
と俺が思った頃には時既に遅し。
モミジの聲を聞いた冒険者たちは溫かな雰囲気でモミジに視線を送った。
當のモミジはすぐに周囲からの微笑ましいものを見るような視線に気付き顔を真っ赤に染めるが、殘念なことにそれはギルドに満ちたほんわかとしたムードを増長させるだけであった。
勿論、その視線は同じ場所にいる俺たちにも注がれるわけで、ずいぶんと居心地が悪い。
ユキなんかはに嫌そうな顔をしている。
いつまでも見られているのは嫌なので、一旦ギルドの端の方にある食堂に行くことにした。
思い返すと、今日はまだ遅めの朝食を食べたきりで、それ以降は飲まず食わずであった。
思っていたよりも依頼が早く片付いたこともあり、丁度晝食を取るのには良い頃なので、ギルドの食堂で済ませてしまおう。
食堂用の付に向かう途中、筋もりもりのゴツイ冒険者に「初報酬で飯か? 良いねぇ」と絡まれたりしたが、害はなさそうなので笑ってスルーした。
ただ、ゴツイわりにモミジやユキを見る目がねっとりしていたので、ロリコン的な意味で気を付ける必要があるかもしれない。
二人ともそこらの冒険者に後れを取るような鍛え方はしていないのでよほどのことがない限りは大丈夫だろうが、一応俺も注意しておこう。
ロリコンは彼だけとは限らないのだ。
そんなこんなで著いた付にはふくよかで元気なおばちゃんが立っていた。
そこで俺たちは注文する。
訊いてみるとモミジもユキも、俺にしても小腹が空いた程度の空腹度合いだったので、頼んだ量はごく量だ。
「すぐにできるから、そっちで待っといておくれ」
おばちゃんの指示に従い、注文したところからし橫にズレた恐らくけ取り用の場所にく。
そこには既に他の利用者が並んでいたが、おばちゃんの言った通り俺たちの注文した品が出てくる方が早かった。
俺たちが頼んだのはサンドウィッチと飲み、それからフォール用の生だ。
従魔用にも用意してくれるところや代金合計が屑貨十五枚分で済む懐への優しさは、さすがギルドと連攜しているだけあると言ったところか。
お盆に乗ったそれらをけ取って運び、俺たちは食堂の長機の端の方に陣取った。
サンドウィッチの中は、主にギルドに売られた魔の――勿論味しく食べられるもののみを扱っている――だそうで、臭み消しのためのハーブや香辛料がきいていた。
だがそれと一緒に挾まれているレタス風の野菜やクリーミーなソースのおで後味はまろやかだった。
若干味が濃く重たいような気もするが、の気の多い冒険者たちにはこれくらいが人気なのだろう。
飲みの方は水に果を混ぜたもので、いわゆるレモン水やモモ水に近い。
俺が飲んでいるのはそれのリンゴバージョンといったところだ。
他にも多くの種類があり、特に柑橘系などはこってりとしたサンドウィッチを食べた後でもさっぱりと食事を終えられる良い組み合わせだと思った。
個人的にファストフード店のような印象をけたギルドの食堂だが、他の利用者を見てみるとフードコートや學食に近いじで、ガッツリと食べようと思ったら安いにしてもそれなりの値段とクオリティの食べが提供されそうだ。
食事を終え一息ついた俺たちは、予想以上に時間が余った午後をどう過ごすのか、話し合いをすることにした。
「まだ今日は時間があるが、これからどうする?」
「依頼をもう一つけるか、観するかの二択よね」
「……買いも、あり……」
二人が言うように、主な選択肢としてはその三つだろう。
ただ、観するにしても買いをするにしても、まだお金が足りていない位というのが俺の意見だった。
それに、何か忘れているような気がする。
「うーむ……、まだ稼ぎたいところだけど……」
「そうね、観なんてしてたらすぐに一文無しになりそうだわ」
「……じゃあ、依頼……?」
そうだな、と言うのを抑えて、何を忘れていたかを必死に思い出す。
その結果――
「――あ! そう言えばまだ門番のとこ行ってねぇ!!」
何とか俺は大事な用事を思い出すことができた。
「完全に忘れてたわね……」
「……よく、思い出した……」
こうして、俺たちの午後の予定が門番に會いに行くことに決まった。
しかしここで橫槍がる。
「なあ、あんたら。門の方に行くなら、俺らと組んで外で魔狩りでもしねぇか?」
不意に後方から聲を掛けられ、何事かと振り向くと、そこには二人の新人風冒険者が期待を込めた眼差しでこちらを見つめていた。
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