《転生王子は何をする?》第6話 師匠との邂逅
現在トリスは、広大な城を騎士の案のもと、魔導師団長のアリアーヌ・ミオットの執務室に向かっていた。既に生最強の稱號を持っている俺に、家庭教師なんか居るのか?とトリスは一瞬考えたが、幾ら強力な魔法が使えたところで、上手に・・・使えねば自の崇高なる夢のためにならないと考え直し、気合をれることにした。そうこうしているに著いたようだ。
「態々道案、ありがとう。」
「いえいえ。帰りも案が必要でしたら、騎士でもメイドでもお聲がけ下さい。それでは失禮します。」
そう言い、次の仕事へと向った騎士を見送り、立派な裝飾のなされたドアを叩こうとした瞬間、扉の向こうから聲がかかった。
『どうぞ、おりください。』
トリスは驚きながらも呟く。
「…え?気配察知系のスキルかな?」
取り敢えず許しが出たからにはっても良いのだろうと判斷し、失禮しますと口にしながらドアをくぐる。
中は6畳程の部屋で、城の南向きに面しているため大きな窓が設けられていた。そこからしてくるのが、ドア向きに椅子に座りながら機に向かい、ペンをかしている人にあたっていた。
-も、若しかして、エルフってやつっすか〜!?綺麗すぎんだろ!!-
そう。魔導師団長のアリアーヌ・ミオットはエルフであったのだ。しい顔の造形。長い金髪に緑の瞳。何より目立つのは長い耳・・・。これぞエルフというじの人である。
トリスは込み上げてくるを、必死に抑えながら挨拶をする。
「はじめまして。私は第三王子のトリスタン・ラ・トゥールと申します。よろしくお願いします。」
と、深々と頭を下げながら言ったため、アリアーヌは面食らってしまった。トゥール王國の王族は誰も彼もがお人好しであるのは周知の事実であったが、まさか5歳児がしっかりとした口調で挨拶をした挙句、深々とお辭儀をするなどとは予想がつかなかったのだ。
「え?あ、あぁ。失禮、座ったままであったな。…コホン。え〜、私は魔導師団団長のアリアーヌ・ミオットだ。敬語は慣れていないので、この口調で失禮する。」
アリアーヌは立ち上がってそう挨拶をする。
「いえ、私の師となる方なのですから、私が禮を盡くすのは當たり前ですが、ミオット団長が禮を気にする必要は無いかと思われます。」
トリスは真面目くさった顔でそう返す。先程まで『教師とかいらねぇ〜』と考えていた者とは同一人には思えないレベルでの変わりである。
「そ、そうか?こちらとしては助かるからいいんだが…。不敬罪とかにしないよな?」
「え?不敬罪とかあるんですか?まぁ、あってもしませんけど。第三王子の名にかけて、保証します。それよりも師匠。」
トリス急に話を変える。
「え?師匠?師匠って私のことか?」
「え?ミオット団長以外に、この部屋に誰かいらっしゃいましたっけ?あ、それと私のことはトリスと呼び捨てでお願いします。(ニッコリ)」
トリスの笑顔に気圧されたアリアーヌは、師匠という呼び方とトリスの呼び捨てをけれることにした。
「はぁ、分かったよトリス。で、何だ?」
「何故、私が先程ドアをノックする前に、人が居ると判斷できたのかが気になりましたので、教えて頂けたら嬉しいです。」
するとアリアーヌは、トリスにとって予想外の、そして急事態を引き起こす回答をした。
「それはだな、トリスの魔力量をじ取ったからだ。人族にしては大分多かったからな。數値にしておおよそ300前後とらいったところ…ん?どうした?顔を青ざめさせて。気分でも悪いのか?」
トリスは顔を青くさせながらも、藁にもすがる思いで質問をする。
「し、師匠は私のステータスをご存知ですか?それも詳細で。」
しかし、トリスの思いは虛しく、打ち砕かれることとなるのだった。
「あぁ、もちろん知っているぞ?資料として詳細が記載されたものが私のところに回ってきたからな…って、あれ?確か魔力量は1桁じゃなかったのか?…確かこの辺に資料があったような。…お、あった。」
トリスはもう半分諦めた顔つきで、アリアーヌが資料を探している様子を眺めていた。
「どれどれ〜?あれ?やっぱり1桁だな。しかし今じる魔力量は300前後。どういうことだ?…トリス、教えてくれないか?(ニッコリ)」
奇しくも、先程とは正反対の立場となった両者であった。
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