トリスは、アリアーヌに頼み込んでから9日間しばきにしばかれる、という事もなく軽く目的達のための手段を得してしまい、逆にアリアーヌに教えを請われたほどである。

そんなトリスは、とうとうパーティー會場に潛しようとしている。

｢さて、先ずは『気配隠蔽ハイド』!からの『消臭デオドラント』！これで完璧かな？師匠からは、絶対に悪用するなと念押しされたけど…。｣

それもそのはずであり、先ずトリスが最初に使ったのは闇屬の中級魔法である。一般的には暗殺者などが好んで使い、本來は短時間自の気配と魔力を隠す効果があるが、気を付けていればすぐに見破ることが出來る。しかしトリスが使えば効果は解かない限り數日は消えず、尚且つどんな生であろうと魔力と気配の探知は不可能である。

次に使ったのは無屬の初級魔法である。これは『気配隠蔽ハイド』の弱點である、臭を弱める効果がある。勿論トリス効果により幾分か強化されており、嗅覚に優れた狼や犬系の獣人であろうとも一切気が付くことは無いであろう。

｢あ！そうだ。これも使わないと。｣

そう言いながら時空屬の上級魔法の『収納インベントリー』の効果で魔法で作り出した異空間にしまっていた、アリアーヌから貰った魔力隠蔽の指を右手に著ける。これは、指の使用者の魔力と魔法使用の際の魔力を隠す効果がある。

｢よし、それじゃあ行くか！｣

完全に他者から知されなくなったトリスは、非常に浮かれた様子でパーティーの行われている王城の大広間へと向かうのだった。

パーティー會場に著いたは良いが、扉が閉まっており、その前には番兵が立っていたため、どうするかと思ったトリスだが、丁度招待客の貴族と思しき太ったオッサンが従者を4人も引き連れてやって來たので、それに乗じて中にることに功した。

中は豪華絢爛という言葉しか言い表す言葉が見つからない程豪奢であり、テーブルに乗っている料理は見るだけで食が刺激されるばかりであった。前世を含め、初めて見るそんな景にトリスはしつつもバレないように軽く料理を摘みながら會場を移する。勿論常時鑑定眼を使用しながらだ。

本來鑑定眼は、あまりの報量に人が大勢居る場所では処理しきれず、酷い頭痛が起こるのだが、トリスの『魔眼を統べる者』のスキル効果により、レベル10で使えるため報の取捨選択が出來るようになっているのだ。そのためトリスは名前とスキル、そして稱號のみが見えるようにしている。

-とはいえ、ちょっと人の量が多すぎるかな？こっちの世界に來てから『人がまるで〇ミのようだ〜』とびたくなったのは、これが初めてだな〜。-

心の中でグチグチと文句を言いつつも、目的の人を探し続ける。すると目的の人では無いが、トリスの夢を葉えるための近道とも言える年を発見した。

-こ、これは！この子は凄い人材だ！-

名前:ホルスト・ラ・レンバッハ

種族:人間族

年齢:5歳

Lv:4

スキル:剣Lv:2 槍Lv:1 拳闘Lv:2 火魔法Lv:3 

            雷魔法Lv:2 魔法Lv:4 無魔法Lv:1 

稱號:侯爵家次期當主 【勇者】 天然ジゴロ 鈍 

        怪盜（限定） 【ハーレム製造機（予定）】

        霊にされし者 《神に目をつけられた者》

※【】は條件を満たさない限り、市民証や通常の鑑定眼では見えないようになってるよ！《》はトリス君のためには付けたものだから、君にしか見えないようにしてあるよ。勿論この注釈も君専用だ！謝したまえ！

-久々にあいつの注釈見てちょっとイラつくけど、これだけは言っとく！グッジョブだ！-

思わぬ人材を発見したトリスは最高に興しているようだ。今にも踴り出しそうな雰囲気で年をじっと見つめる。

-よし、この子にはメニューの地図でマーカー付けとこう。クックック…。逃がしはしないぞ〜。-

この瞬間、ホルスト年の運命は決まってしまったのかもしれない。何せ生最強の創造神の加護を持った男に目をつけられたのだ。

この時ホルスト年は、謎の悪寒に襲われたそうな。