《転生王子は何をする?》第18話 街に出よう 4
「…ん。こ、ここは…。」
は辺りを見回す。どうやら路地裏のようだ。自の下に何やららかいが敷かれ、そして布をかけられているのが分かった。
「お、漸く目が覚めましたか。」
「きゃあ!!」
いきなり聲をかけられたは、驚いて思わず聲を上げてしまう。
聲のした方を見るとローブ姿の子供(勿論トリスである)が路地の壁に寄りかかって座っていた。
「き、君は?どうして私は寢てたの?…あ!思い出した!わ、私は生きてるの!?」
「ははっ。元気そうでなによりだよ。ちゃんと生きてるから、取り敢えずこれでも飲んだら?」
の見ている目の前で、トリスが手を振るとテーブルと椅子が現れ、その上にティーカップが置いてあった。その中には熱々の紅茶がっていた。
「え?え?の、飲んでいいの?というか今どこから出したの?」
は戸いつつも椅子に腰掛け、紅茶を飲む。
「味しい!こんなに味しい紅茶、初めて飲んだ!」
トリスはその言葉に、ローブの下で微笑んだ。そして自もの対面に腰掛ける。
「それは良かったです。何せ産地直送というか、摘みたて茶葉をその場で魔法で発酵させた自家製ですから、自信はあったんです。」
「じ、自家製なんですか!?凄いですね!ほんとに味しいですよ!」
「いや〜、そこまで言ってもらえると嬉しいです。よろしければ、茶葉を2瓶お譲りしますよ?」
「え?いいんですか?あ、ありがとうございます!」
に瓶を渡すと、嬉しそうに抱きかかえた。
「それよりも、こんなに呑気にお茶してて大丈夫なんですか?私はこう見えても、先程男達を一方的にのしたんですが?」
トリスはちょっと呆れた風に言う。
「え?あ!そういえば!で、でも何か今更といいますか…。」
「まぁ、いいですけどね。さて、気分は落ち著きましたか?」
そう問われたは、慌てて立ち上がる。その隙に取り出していたを全てしまう。
「は、はい!助けて頂いたり、紅茶をご馳走になった挙句に茶葉も頂いたりと、々とありがとうございます!」
「まぁ、私も暇ってわけではないですが、いい運にもなりましたし、別にいいですよ。」
「そ、それであの…。」
「何ですか?」
は顔を赤くしながら、語尾が段々と弱くなっていく。
「な、名前を伺ってもいいですか?」
「名前ですか…。う〜ん。弱ったな〜。」
まさかここで正がバレるわけにもいかないため、どうするかと頭を悩ませる。
「ご、ご迷でしたか?」
「い、いや。大丈夫です。…と、トリスっていいます。家名は無いです。」
この國に何人同姓同名がいるか分からないが、稱な上に貴族達に顔見せもしていないため、バレやしないだろうと高を括ってそう言う。後にこの時の判斷のせいで、々とバレそうになる。しかし今は知る由もなく、ただトリスタン・ラ・トゥールとバレなければよいという考えで言ったのだ。
「トリスさん、ですか。あ、私の名前はマルティナ・アルムガルトといいます。今年で12になります。貴族の家に産まれましたが、三ですのであまり気にしないで下さい。」
名字を付けた時點で『貴族なのか!?』と固まったトリスを見て、マルティナは補足説明を行った。
「分かったよ、マルティナさん。また縁があったら會いましょう。あ、一応通りの多い道まで送りますよ。マルティナさんは可いから、また襲われそうですしね。」
トリスの言う通り、マルティナは非常に魅力的な容姿だ。々大人びてはいるが可い顔付き、肩口で切られた茶髪に、12歳とは思えないほど発達した部、キュッとなっているウエストで強調されているヒップ。服裝は白の清楚系なワンピースなため、先程のような男達はたまらないであろう。
「か、可いだなんて…。で、でも先程襲われかけてしまっているので、お願いしますトリスさん。」
「流石に5歳児にさん付けはやめません?」
マルティナの畏まった様子に、落ち著かない風にトリスは言う。
「いえ、トリスさんは命の恩人ですから。それにトリスさんはなんだかとても大人びていて、私よりも歳上な気がします。あははっ。」
-いやいや。核心ついてるし!-
心の中でツッコミをれる。
そんなたわいない話をしながら歩き、すぐに人通りの多い開けた道へと出たので、そこでマルティナと別れることにした。
「今日は本當にありがとうございました。お禮にコチラのブレスレットをお渡しします。何か困ったことがあった時、このブレスレットをアルムガルト侯爵家にてご提示頂ければ、大抵のことは解決出來ると思います。」
「あ、どうも、ありがとうございます。」
トリスは、マルティナが侯爵家の娘であることと、そんな大事なを渡されたことの驚きで、戸いつつもけ取る。
「護衛の者に怒られてしまうので、そろそろ行きますね。では、またお會いしましょう、トリスさん。」
「あ、はい。」
-いや、護衛居たんかい。仕事しろよ!-
心の中でぶが口には出さない。
最後はペースをつかまれ、戸うことしか出來ないトリスであった。
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