《転生王子は何をする?》第32話 試験をけよう 3
「トリスさ〜ん。試験の準備が出來ました。」
ニーナに呼ばれ、酒場の席を立つ。
どうやら漸く試験が開始されるようだ。トリスがニーナの居る窓口まで行くと、彼は若干目を逸らしながら説明を開始する。
「試験についての説明をします。まずは簡単な魔や素材の知識や一般常識についての筆記試験を行います。次に面接兼実力の確認として模擬戦をギルドの練習場で行ってもらいます。この2つで、一定以上の水準に達していると判斷された場合にはCランクとなります。」
「はい、分かりました。」
「…実力に関しては、もう必要ない気がしてきましたが。」
ニーナは溜息混じりにそう呟く。トリスには聞こえていたが、今更そんな事を掘じくり返されてもどうしようもないのでスルーする。
「では、著いてきてください。」
そう言い、ニーナは付の隣にあるドアを開けて中に招きれ、トリスを先導してどんどん奧にっていく。付嬢の居る部屋を抜け廊下に出る。
まるで學校の中を歩いているような気分になりつつも大人しく著いて行く。
「そういえば、模擬戦ではBランクの方が來るって言ってましたけど、どんな方何ですか?」
トリスはふと気になった事を尋ねる。
「殘念ながら、試験に関わることなので詳しい事は言えませんが、先程ゲースさんとゴーリラさんを倒した時のトリスさんのきなら、彼は簡単に出來ると思いますとだけ言っておきます。」
ニーナの口調からは、絶対的な信頼と尊敬をじた。どうやら余程有名な冒険者のようだ。
しかし『塗れ貓娘』などという二つ名がつくような者が憧れるという事に、そこはかとなく不安をじるトリスであった。
通された部屋で試験(ニーナ)の下筆記試験が行われる。容はトリスにとっては簡単なもので、『本當にこんなんで良いのか?』と不安になるレベルである。だかそれは本に囲まれた生活をしていたトリスだからこそであり、まず本なんて持っていても1、2冊の平民にはとても難易度が高いものなのだ。
兎も角、トリスは10分もかからずに全ての問題を解き終えニーナに手渡す。
「え、もう良いんですか?」
あまりにも早すぎるトリスに、ニーナはつい確認をとってしまう。
「ええ、大丈夫ですよ。なんならもっと難しくても良いくらいです。」
トリスは余裕綽々な返答をする。
そんな様子に戸いつつもニーナは自の仕事を全うするためトリスを促す。
「は、はぁ…。で、では次に行きましょう。」
今度はトリスは酒場の奧のドアを潛った先にある練習場まで連れてこられる。普段は2、3組のパーティが連攜や新技の練習をしているらしいが、試験のため貸切にしていて、神風の男と超マッチョなガンドレッドを裝備した男が待っているのみだった。
超マッチョな男は長2メートル越で、腕は子供バージョンのトリス位はありそうである。しかもスキンヘッドであり、白い歯を覗かせて獰猛に笑っている。小さい子なら、見るだけで泣くこと間違いなしである。
「フハハハハ!今回の相手は貴様か!Cランク2人を余裕で倒したと聞いたぞ!おっと、自己紹介がまだだったな!俺の名はマックス!裝備を見て分かるとは思うが、近接戦闘を主にしている!」
常に!がつくような大聲で喋っているマックスに気圧されつつもトリスは挨拶を返す。
「俺はトリスです。一応魔法に特化はしていますが、それなりに・・・・・けるつもりです。」
「え?」
トリスの自己紹介に、ニーナは思わずといったんじに驚きの聲を出してしまう。
魔師が、魔法を使わずにCランク2人を余裕で倒してしまったのだ。ニーナでなくても驚くだろう。
しかしそんな事は知らないマックスは、ニーナに訝しげな表を向けるがすぐにトリスに顔を向ける。
「ふむ、魔師か!まぁ、それなりにけるというのならば、一瞬で終わる事にはならんだろう!々俺と楽しく戦おうぜ!」
マックスはトリスに拳を差し出してくる。
「はい。を借りさせていただきます。」
トリスはマックスの拳に自の拳をぶつけながら言う。
「こ、これより模擬戦を始めます。雙方とも位置についてください。」
ニーナの聲に従い両者は10メートルほど離れて向かい合う。
「トリスさんは魔法は中級まで、マックスさんは相手に致命傷を與える攻撃は無しという事でよろしくお願いします。」
「はい。」
「おう!」
両者は頷きつつ返事をする。それを見て、ニーナは真剣な目付きになって號令をかける。
「では模擬戦、開始!」
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