《転生王子は何をする?》第45話 下拵えは大変です
適度に・・・魔族を倒す予定であったトリスだが、思わず全滅させてしまった事に頭を抱える。
「しまった〜!やり過ぎた〜!」
予定変更の知らせをアリアーヌにいれるため、トリスは対話インター・アクティブも使う。
『すみません、師匠。ちょっとミスりました。』
唐突に失敗宣言をされたアリアーヌは仰天する。
『そんな馬鹿な!まさか魔族にもトリスと同じような者が居たのか!?』
その言葉で最悪の事態を想像していることに気付いたトリスは、慌てて否定する。
『ち、違いますよ。予定では適度に倒して、殘りは騎士や冒険者の皆さんで倒して貰う予定でしたよね。』
『う、うむ。』
『けれども、先程無限の迷宮方面の敵を殲滅してしまったんです。』
殲滅という言い方に、アリアーヌは遠い目をする。
『あー…。その景が想像出來るぞ。ま、まぁ次は加減をしてくれればそれで良い。うん。』
『はい、すみません。深淵の迷宮方面の敵は、適度に殘すんで対応お願いします。』
『了解した。』
アリアーヌとの連絡を終えたトリスは、気合をれ直して目的地へと転移するのだった。
一方その頃、深淵の迷宮方面の魔族達は、文字通り壁に阻まれていた。その壁は魔法を弾き、魔族の馬鹿力による攻撃を難なくけ止め、毒や酸による攻撃にも何の反応も示さないのだ。
「クソ!ナゼダ!?ナゼ、ツチクレデデキタカベゴトキガタオセナイ!?」
「ダ、ダメデス!マホウブタイ、マリョクツキマス!」
混する大將と副大將と思しき魔族。傍から見ていて哀れなほど、狼狽えているのが丸分かりである。
だがそんな彼らにとどめを刺す存在がその場に現れる。
「ヤッホ〜!皆元気〜?」
呑気な聲を発しながら空中に・・・現れたトリスに、魔族達は揺する。
『ザワッ!』
「ダレダ!?」
「クウチュウニウイテイル!?マホウツカイカ!」
そんな魔族の疑問を無視して、トリスは語りかける。
「別に君達に恨みは無いんだけど、流石に故郷を躙されるのは嫌だからね。死にたく無いならさっさと自分等の居るべき場所に帰ってくれ。…まったく。何で魔族は攻めて來るのかね?」
最後の方は完全に愚癡になっていたが、無闇に魔族を殺したい訳ではないので退卻を要請する。
しかしそうはいかないのが世の常である。
「フン!シレタコト!ドノシュゾクヨリモスグレテイル、ワレワレマゾクガ、セカイヲシハイスルノダ!」
「うわぁ…。廚二病でもそんな発言を本気でしないよ。今時世界征服とか無いわ〜。」
この世界では今時も何も無いのだが、トリスは煽りまくる。もっと理的な考えをするのであれば、対応を変えたのだが、この種族とは完全に馬が合わないのは明白であった。それどころか猛獣に知恵が無駄に付いただけという印象をけ、話をするだけ無駄であるともじた。
「アノコナマイキナオトコヲ、ウチオトセ!」
「おっと。ちょっと無駄話をし過ぎたかな?じゃ、適度に戦闘不能になってくれ。『稲妻ライトニング』。」
雷屬の中級魔法稲妻ライトニングが、魔族達に襲いかかる。通常稲妻の様な雷撃が1,2本敵に當たるのだが、トリスが使うと雨の様に稲妻が走るのだ。
しかし中級魔法であるため、霧の國ニブルヘイムや大発エクスプロージョンに比べて、死に至る魔族がない。だが生き殘った魔族は、電撃による痺れで數時間はけない狀態である。
『師匠。準備完了です。やっちゃってください。』
『了解した!』
対話インター・アクティブでアリアーヌに完了の知らせをいれ、トリスは空中でそのまま待機する。
十數秒後、トリスの作った壁から大量の騎士や冒険者が現れる。
『ウォォォォ!!』
鬨の聲をあげて魔族達に突撃していく。
「気を付けろ!幾らけないとはいえ敵は魔族だ!」
「野郎共!生きて帰ったら、この後酒場で可いチャンネー達と酌みわそうぜ!!」
『おう!!』
魔導師団団長と騎士団団長の言葉に、魔導師や騎士、冒険者が応じる。
こうして王都トゥールの全兵力で敵の殲滅が行われる事となった。
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