トリスは、トゥール王國の中でも學園都市と名高いエコールから馬車で3日ほどの位置に來ていた。エコールは王都から見て比較的海側に位置し、馬車で5日ほど離れている。

何故トリスがこんな場所に転移したのかというと、それは勿論目的の人･････がこの場に居るからだ。

トリスは地図による転移の弊害で空中に居るため、下を見て人を探す。するとトリスから見て學園都市方向に1臺の10數人の盜賊に襲われている馬車を発見した。騎士達が必死に守っているが戦狀態に陥っており、馬車に居る目的の人が思うように力を発揮できていないようだ。

｢お〜、襲われてるな〜。というかこれ普通異世界に來て、最初の方にこなすイベントじゃね？｣

トリスはちょっと嬉しそうにブツブツと呟きながらも、一気に急降下して盜賊達や馬車に乗っている人々に気付かれないように地面に降り立つ。

｢さて、ステータスに手を加えて…。よし。それから裝備は…。うん、これで大丈夫かな？｣

トリスは、アイテムボックスから弓を取り出してから矢筒も取り出してに付ける。

あんまり呑気にしていると、襲われている側の犠牲者が増える一方であると思われるので、後はぶっつけ本番でどうにかするしかないと覚悟を決めて馬車の方に走り出す。

｢チッ！が重い！｣

ステータスを作して、自の化けじみた力を封じたため、思うようにがかないことに舌打ちをする。

だがそれほど距離があったという訳でも無いので、すぐに弓の程範囲に到達する。

｢助太刀する！｣

トリスはびながらも矢を放ち、盜賊の1人を倒すことに功する。

戦狀態で馬車を守っていた騎士達は、一瞬驚いたもののすぐに気を取り直して雄びをあげる。

｢このまま一気に片をつけるぞ！｣

『おう！』

反対に盜賊達は悔しそうな聲を上げる。

｢くっ！まさか挾み撃ちされるとは！｣

｢撤退すべきでは無いかと思われるます！｣

1人の盜賊が弱気な聲を上げる。しかし頭領と思われる者が愚かな選択を下す。

｢たかだか1人の援軍だ！気にするな！｣

『はっ！了解であります！』

イヤに統率の取れた掛け聲で方針を定めた盜賊達は、そのまま戦闘を続行する。

しかし今回は相手が悪かった。

｢なっ!?どうしてそんなに正確に狙いがつけられるんだ!?｣

トリスは30メートルほど離れた位置から弓を放っているのだが、百発百中の命中率なのだ。

どうやらトリスはスキルなどは関係なく、前世から弓の才能があったらしい。あらゆるステータスを作して弱化しているが、弓の腕前だけはステータス作前と同じようになるだ。

｢今だ！押し込め！｣

『はっ！』

勢いに乗った騎士達と、正確無比に撃ち抜いてくるトリスとに圧倒され、盜賊達は殺されるか捉えるかの2択となったのだった。

｢年、助かったよ。あのままでは負けはしないであろうが、こちらの犠牲も覚悟しなくてはならない狀況であった。禮を言わせてくれ。｣

｢いえ、気にしないでください。たまたま目にって、放って置くのも後味が悪いかなと思って行しただけですから。｣

馬車の護衛している騎士達のリーダーらしき人がトリスに禮を言ってくる。しかしトリスとしては自のために･･････行ったことであるため、々気まずそうに返す。

-ちょっと気まずいけど、ファーストコンタクトとしては上々かな？-

トリスはその後も騎士の言葉に、當たり障りのないように適當に答えておくのだった。