《転生王子は何をする?》第104話 學園モノといえば、やはり転校生ネタですね 2

トリスが散々ホルスを揶揄った翌日、愈々転校生のやって來る日となった。

「そういや〜、転校生ちゃんはの子だってよ。あんまり早くに手を出すのは止めておいた方が良いぞ〜。」

朝禮前の時間、マルティナがまだ來ないのでホルスにいきなり話しかけるトリス。

「いや、何の話!?僕は今までの子を口説いたことすらないんだけど。」

「え?いや、本気で言ってんの?」

「え?本気も何も、事実だよね?」

に対して『あれだけ殺し文句を言っていたのに!』と驚くトリスと、全く自覚の無いホルス。

「はぁ〜。うん、分かってたさ。しかし一切自覚無いのは、流石に相手に失禮じゃね?」

天然ジゴロ、ここに極まれりといったホルスに溜息をつくトリス。トリスとしてはそちらの方が面白い・・・ので問題無いのだが。

「え?自覚?それって一なn『ガラッ』…タイミングが…。こ、今度じっくり聞かせてね。」

「気が向いたらな〜。」

「む…。」

ホルスのセリフの途中でマルティナが教室に來たため、仕方なく話を中斷するホルス。そんなホルスに、トリスは曖昧な返事を返す。

それを見てホルスは何か言いたそうであったが、真面目なので諦めてマルティナの方を向いて姿勢を正している。

「皆さん、おはようございます。」

『おはようございます!』

マルティナの挨拶にクラスで元気よく返す。

そんな生徒達を見て嬉しそうに微笑んだマルティナは、ぽんと手を打って口を開く。

「はい。では早速ですが皆さんに大切なお知らせがあります。」

そんなマルティナの前置きに、ホルスが驚いた顔でトリスの方を見る。その表は、『マジで來るの!?』というホルスの心境を語っていた。ホルスのあまりの驚き様に、トリスは表筋がかないように必死に笑いを堪えるが、し震えてしまっている。

しかしそんな事には気付かないマルティナは、話を続ける。

し中途半端な時期ですが、皆さんに新しいクラスメイトが出來ます。」

その瞬間生徒達がざわめく。

-やっぱりどこの世界でも、転校生ってのは気になるものなのかね?-

トリスは呑気に考える。しかし生徒達がざわめいた理由はそれだけでは無い。

このトゥール王國では學園都市であるエコールに9割以上の學校が集中している。そして殘りの1割に満たない學校は、辺境の地にある平民が通う學校であるため基本的には國から転校生はトゥール學園にはやって來ない。またエコールにおいても、転校するなら最初からトゥール學園を験する。

そしてそこから考えられる事はただ一つ。他國の貴族の子弟が、國や貴族達の思で良縁を求めて転校してくるという事だ。

「は〜い、し靜かにして下さいね。…では、フロレンティーナさんどうぞ。」

生徒達が靜かになった頃合を見計らって、廊下に居る人に聲をかける。

『…。』

その瞬間、クラスに張が走る。男かか、格好良いか可いか、ありとあらゆる考えが生徒達の中で起こっているのだろう。

「はい、失禮します。」

そう言いながらフロレンティーナと呼ばれた人が扉を開けてってくる。

その聲を聞いた生徒達は一瞬意識を持っていかれてしまう。に対して興味が湧かないようにしている・・・・・・・・・・・トリスですら、まださは殘るものの『鈴を転がすような聲とはこういう事か…。』と嘆するしかなかったのだから仕方の無いことであろう。

「では自己紹介をお願いします。」

フロレンティーナが教壇の前に立ち、一禮してから自己紹介を始める。ホルスとお揃いの金髪碧眼ので、最早文句の付け所が見つからないほどの容姿で、150センチほどであり型は所謂『ボンキュッボン』と言われるようなものではないが、それでもワンピースをし豪華にしたじの服裝の上から分かる程度にはメリハリのあるものであった。

「はい。私わたくしはフォルツ王國第一王、フロレンティーナ・ツア・フォルツと申します。皆様、何卒宜しくお願い致しますわ。」

『…第一王!?』

一瞬間を空けてから一斉ぶ生徒達。その中にはホルスは勿論トリスまで含まれていた。転校生が來るという話は聞いていたものの、マルティナからは分までは教えてもらえていなかったからだ。

「て、テンプレって言えばテンプレな気もしなくはないけど…。」

トリスは思わずそう呟いてしまうのだった。

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