《転生王子は何をする?》第105話 學園モノといえば、やはり転校生ネタですね 3

突然のび聲に、フロレンティーナは目を大きく見開いて驚いた表をしているが、そんな事には気付きもせず転校生が隣國の第一王であったというショックから抜け出せないでいるAクラスは、ザワザワとしている。

「は〜い、皆さんし靜かにして下さいね。フロレンティーナさんが驚いてしまってますよ。」

そんなマルティナの聲に生徒達は『しまった』という表になり、慌てて口を閉ざしてフロレンティーナに注目する。

「い、いえ、大丈夫ですわ。…コホン。えっと、これから3年間、よろしくお願い致しますわ。」

ニッコリと微笑みながら言ったため、クラスの9割9分が意識を持っていかれる。しかしそんな中トリスは吹き出すのを必死に堪えていた。

-プッ!…い、いや!わ、笑っちゃダメだ!いくら金髪碧眼縦ロールのお姫様で、挙句にですわ口調だからって、笑っちゃダメだ!本人は真面目にやってる事だし、この組み合わせはこの世界で現在普通の事だし!-

と、このように、大変失禮な事を思ってしまったからだ。このタイミングで笑うのは非常に変なので、自稱客商売(ただのアルバイト)で鍛えられたポーカーフェイスで耐える。

「トリス?」

クラスの中でも比較的しいを見慣れているホルスが早くに復帰し、なにやら耐えるような表をしているトリスを見て不思議そうに呟く。

「ん?何?…どうした?」

ジーッと見てくるホルスに耐えきれず、口角が上がりそうになるトリス。しかし耐えてどうにか話を逸らそうと會話を続ける。

「いや〜?何でもないよ?ほら、自己紹介聞かないと。」

怪訝そうな視線は逸らさずに、前で自己紹介しているフロレンティーナの話を聞けと促すホルス。フロレンティーナは自の笑顔に意識が飛んだ生徒が居ることに気付かないのか、好きな食べ、得意教科や苦手教科など次々と話している。

「お、おう。」

今まともにフロレンティーナの話を聞いたら、絶対に笑ってしまう自信のあるトリスは、覚悟を決めて無モードで耳を傾ける。とはいっても必死に笑いそうなを押さえつけているだけの力技だが。

しかし前世で培ってきた、『クラスで靜かに、目立たずに生活する』というスキルのおかげか、どうにかフロレンティーナの自己紹介を乗り越える事に功した。

「…ふぅ。」

「ん?」

「いえ、なんでもないっす。」

安心からか息をらしてしまったトリスに反応して、ホルスは嫌疑の視線を向ける。『まさか真面目に聞いていたよね?』というものだ。

一方無事に自己紹介を終えたフロレンティーナは、一禮してからマルティナに視線を向ける。

「それでは、私わたくしはどちらに座れば宜しいですか?」

「そうですね…。!では、廊下側から2番目の1番後ろの席の金髪のイケメンの子、ホルスト君の隣で大丈夫?」

マルティナは一瞬悩んだものの、すぐに何かを思いついたように『ポン』と手を打つとホルスの隣を指定する。

今現在トリスが廊下側の1番後ろであるのだが、その周辺はホルスに遠慮したのか所々蟲食い狀に空席となっているのだ。因みにローゼマリーは1番前の廊下側から3番目、リアとリタがその1つ斜め左後ろの4、5番目の列という並びだ。彼たちはガツガツとした格で無かったようで、ズカズカとホルスの隣やその周辺に座るという選択肢は無かったようだ。

「お、マジか。これはラッキーだ…。」

「え?何か言った?」

トリスは思わずそう口に出してしまう。ホルスは幸いにも聞き取れなかったようで、本気で聞き返している。

「いや、気のせいじゃないか?ほれ、そんな事より良かったな。あんなが隣の席で。」

「そ、そりゃ確かに嫌な気分ではないけど、あそこまで綺麗だと寧ろ戸っちゃいそうだよ。」

トリス達は話に夢中になったまま、近付いてくる気配に気付かないでいた。

「あら。そんな悲しい事を言わないで下さい。貴方とは仲良くしたいと思っていましたのよ。ホルスト・ラ・レンバッハ様。」

「「!?」」

人やの気配には敏な2人は、自分達が気付けなかったことに驚愕して素早く聲のした方向を見る。

するとそこではフロレンティーナが妖しくホルスに微笑みかけているのだった。

トリス達が驚いた表でフロレンティーナを見ている中、3人組は顔を合わせて話し合っていた。

「これはまずいですね。」

「うん、まずいね。」

「は、はい。…強敵だと思います。」

ローゼマリー、リア、リタはお互いに話し合った結果ホルスに関して共同戦線を張っていたのだが、思わぬライバルの出現にどうしようかと頭を悩ませているのだ。

何せ第一王に釣り合う相手など、それこそ王族が公爵、侯爵家くらいなものであるのだから、このクラスで該當する男子はホルスただ1人。それを言えばトリスも釣り合うのだが、まさか王族であるとは誰も夢にも思っていないので焦るしかないのだ。

「こ、ここは、やはりトリスさんが仰っていた…。」

「うん、王都で話題のね。」

「カップルに人気のお店ですか…。」

ここでトリスの蒔いた種が芽吹き始めたようだ。

「はい。と、なれば決行日は──。」

「う〜ん。それだとあれだから、──。」

「そう、ですね。じゃあ──。」

「「「ふふふふふ…。」」」

ホルスの預かり知らぬ所で、彼を中心としたイベントの計畫がたてられる事となってしまったのだった。

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