《転生王子は何をする?》第112話 突撃開始です 1

「さて、ここで我が戦艦バトルシップの能をお伝えしよう!」

「え?急に何言ってんの?」

翌朝、騒ぎになる前にと早起きして飛行船に乗り込もうとしたところ、唐突にトリスがびたしたのだ。

「ん〜、まぁ細かいことは気にしないで、ここはひとつ俺を助けると思って聞いてくれよ。実際ホルスも気になってるだろ?」

「う、うん。何が助けになるのかは分からないけど、気になるのは事実だし聞くよ。…戦艦バトルシップ!?飛行船じゃなくて!?」

この世界の飛行船は辛うじて數分飛べる程度の、まだ実験段階の代であるため、その兵転用版と聞き思わずホルスは摑みかかる。

「ちょ!落ち著けって!」

「いや、だってさ!なんでトリスはそんな騒なを手にれられるのさ!てか実用化されてたの!?」

「べ、別に悪用するわけじゃないんだから良いだろ?それに今回は特別措置だってば。このままフロレンティーナ様を放っておく方が、國にとっても危ないことだろ?」

「う。確かにそれはそうだけどさ…。はぁ、分かったよ。じゃあ、詳細な説明をお願いしたいんだけど。」

ホルスは追求を諦めたのか大人しく聞くようで、腕を組みながら話すように促す。因みにフロレンティーナは昨日の攫ってきた時に眠らせたまま、飛行船の一室に放置してある。

「さて、それではご紹介いたしましょう。『機能オフ』。こちらが我が戦艦バトルシップ、名前はアルヴィト。とある國の神話に出てくる半神から名前を頂きました。全知って意味だね。最高時速は1500km/hで、最高高度は1萬メートル。正面に600ミリの主砲が1門、250ミリの副砲が側面に各2門ずつ。んで、40ミリの機銃が主砲と同じく正面に1裝備されてるんだ。」

「…。」

トリスはステルス機能を解き、芝居がかった口調でホルスに説明をしていく。現代の地球でもありえないスペックに、ホルスは唖然とした表をしている。

そんなホルスを見て、トリスは『驚いてもらえたかな?』と満足そうに説明を続ける。

「全長は15メートル、幅は5メートルで高さも同じく5メートル。理的に飛ばすなら、本來気嚢が必要だけれども、付與を使ってるから必要なくて、見ての通り形は飛行船の船室部分に丸みを帯びさせただけってじかな?」

トリスは例のごとくカレンベルク商會を通じて飛行船のアイデアを出しており、水素ではなくヘリウムガスを気嚢にためるというアイディアで研究をさせている。

ヘリウムは水溶ガス田から採取しておるが、このトゥール王國だけでは無理があるため取り敢えず完品を作ることだけを目的として、その後に他國から援助を仰ぐ予定である。

それは兎も角トリスが自前で作したアルヴィトはそのコンセプトからは大きく外れ、魔法だけでどうにかした代である。ホルスは父が侯爵なだけあり、裏に開発されている飛行船についてはし聞いたことがあるため、聞いていたものとのかけ離れた違いに言葉が出ないでいる。

「そして、最も特筆すべきはその部!昨日乗り込んだ時や、フロレンティーナ様を部屋に放り込んだ時に気付いたかもしれないけど、時空屬魔法の付與によって広さはなんと7000平方メートル。風呂、トイレ、キッチン、リビング、寢室、食料庫に倉庫、武庫、書庫、談話室、娯楽室という名のカジノ風の部屋、挙句には室プールなどなど、んな機能付きだぜ!」

「そ、それが特筆すべき事項なんだ。武裝の方がよっぽど酷いと思うのは、僕だけかな?」

あまりのスケールの大きさに、ホルスから飛び出たのはただそれだけであった。

「ん?何か言った?」

「いや、何でもないよ。それより説明は終わった?」

武裝に関してどうしようもないのは、昨日の話し合いで分かっているため、ホルスは『どこの國に喧嘩を売るんだ?』という問い詰めは諦めることにして、早く行こうと目で訴えかける。

「?まぁ、一通りは終わったけど?詳しい事は乗って、分からなかったら聞いてくれよ。」

「うん、分かった。…よし、行こうか!」

「おう!ある意味囚われのお姫様を助けに行こうか!」

フロレンティーナを神的に囚われているお姫様と表現したトリスの掛け聲と共に、2人は実に楽しそうな笑顔で、飛行船からびているタラップに足をかけるのだった。

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