｢うわ〜。昨日は夜だったからあんまり実湧かなかったけど、すごい速さで飛んでるんだね！｣

モニター････に映し出された映像を見て、ホルスは興した聲を挙げる。

船室では、ファンタジー臺無しの機類が並び、上下左右360度全を映し出したモニターも設置されているのだ。

現在の高度は大500メートル程なので、地上の様子は雲に遮られることなく良く見えるのだ。

｢だろ？まぁ、俺が作ったんじゃないけど、褒められるのは嬉しいな。あ、あとこれ全速力じゃないから。｣

｢え？それホント？もっと出るの？｣

トリスの言葉に、ホルスは目を輝かせる。しかしトリスは首を振る。

｢…出さないからな？萬が一ドラゴンに激突して、ドラゴンの一部が落下したら大変だからな。｣

｢え？ドラゴンにぶつかったら、ドラゴンが々になるのは決定なの？船にダメージは？｣

衝撃発言にホルスは目を見開いて驚いている。

｢船にダメージ？ないない。だって素材にミスリルとアダマンタイト、オリハルコン、ヒイロカネの合金を使ってるから、壊れないんだよな。｣

トリスはにこやかな笑顔で、とんでもないことをぶっちゃける。

｢え？王國の裏側でかに囁かれている、ヤマト合金とかいうやつ!?それって実在したんだ!?｣

｢うん、みたいだな。ま、俺はこれの制作に関わってないから、詳しい事は知らんがね。｣

ネーミングから分かるように、勿論トリスが作ったのだが、知らん顔で運転席（全自運転なので魔力を注ぐだけ）に座り、前方のモニターを見ている。

ヤマト合金は、トリスが以前素材を持て余した際、冗談のつもりで適當に4種類の金屬を溶かし、割合も適當にぶち込んだ結果、魔力伝導、強度、しなり、耐熱、酸化のどれをとってもアホみたいに最高の能を持つ金屬が誕してしまったのだ。

流石のトリスもこれには驚き、慌てて師匠のアリアーヌ、カレンベルク商會會長のグレゴールに伝えて、この金屬の再製の研究を依頼し、つい數ヶ月前に方法が確立したばかりのものであるのだ。

｢ま、マジで？僕は今、機報がたっぷり詰まったに乗ってるのか…。ホントに、トリスは一何者なんだい？｣

｢え？ただの平民？｣

｢｢それは無い（です）！｣｣

トリスに対して盛大なツッコミがる。

｢2人して････そんなに褒めるなよ〜。照れちゃうだろ？｣

｢｢褒めてない（です）！｣｣

またしても元気よくツッコミがったトリスは、笑いながら言う。

｢え？そう？ホルスもアイ･･も、息ぴったりだな〜。結婚しちゃえば？｣

｢え？結婚？誰と？｣

第三者が居るかのような口振りになったトリスに、ホルスは首を傾げて聞く。

｢？アイ･･と？｣

不思議そうなトリスの言葉に反応し、どこからともなく機械的なの聲が聞こえてくる。

｢僭越ながらマスター。私には人間のようなが無いため、結婚は出來かねます。創造主様には好きな人が出來たら、いつでも言ってくれとは言われていますが、正直は人工知能である私には芽生えないかと。｣

｢そう？アイみたいに複雑な思考が可能なら、恐らく人間と同じようにに近しい考えは可能だと思うけど？｣

｢え？え？え？だ、誰と話してるの？え？何処に居るの？｣

聞こえてくる聲に対して、自然に言葉を返すトリスを見て、ホルスは混のあまりまともに思考が回らないようだ。

｢あ〜、言ってなかったか。アイ、自己紹介を頼む。｣

｢はい、了解致しました。初めまして、ホルスト･ラ･レンバッハ様。｣

｢は、初めまして…。｣

いきなり名前を呼ばれたホルスは、辺りをキョロキョロ見回しながらも、一応挨拶をする。

しかし辺りに誰も居ないので、ホルスはますます訳が分からなくなってしまう。

｢私は、アルヴィトに搭載されている人工知能の、アイと申します。魔力の制、機の制、周囲の警戒などを擔當させて頂いております。以後、お見知り置きを。｣

｢は、はぁ…。あの、質問いいですか？｣

アイの畏まった自己紹介に、ホルスは訳が分からないという表のまま問う。

｢はい、なんなりと。｣

アイの許しが出たホルスは、遠慮なく疑問をぶつけていく。

｢えっと、ではまず人工知能とは何ですか？｣

｢人工知能とは、人間が自分達と同じように思考が可能なように作り出した存在です。この世界ではまだ私1人のようです。｣

當然ホルスにはこれだけでは意味が分からないようで、顰めっ面で次の質問に移る。

｢う〜ん？じゃあ、どちらにいらっしゃるのですか？｣

｢私にはがありませんので、言うならば飛行船自に居ます、という表現が正しいかと。飛行船に住み著いている霊とでも思って頂ければ、分かりやすいかと思います。｣

アイの説明に、ホルスは驚いた表で質問する。

｢えっと、つまりアイさんは、この飛行船を作するためだけに生み出された存在だという事ですか？｣

ホルスの言い方には、し創造主に対して棘を含んであった。どうやらアイを、自由の制限された、自我を持つ存在と捉えてしまったようだった。

｢はい。あ、創造主曰く、外出可能なも用意しているそうなので、別に囚われのとかそういう訳では無いので、怒りを覚える必要は無いですよ？｣

そのためアイは創造主、トリスの擁護を行う。

｢え？そうなのですか？というか、よく僕が怒りを覚えたと分かりましたね？｣

｢言い回しやイントネーションから判斷させて頂きました。｣

｢へ〜、凄いですね。本のと會話をしているようにしか思えませんね。｣

｢お褒めいただき、ありがとうございます。しかし私には自我は無く、ただ計算に基づいて発言しているに過ぎないので、お気になさらずに、マスターと話していたような口調でお願いします。｣

全く嬉しそうだとは思えない口調で、アイは禮を言う。更にホルスに対して普段の口調で話せとも要求をしてくる。この要求は、『主人に仕える従者』を想定して人格の設定を行ったためか、敬語を使うとこのように言うようになったのだ。

｢う、うん、分かったよ。｣

戸いながらも要求をのむホルス。2人のやり取りを見ながら、トリスは小さく口角を上げながら呟く。

｢運要素も大分あったけど、出だしは順調か。これなら希通りになるかは五分五分ってとこか。本當に楽しみだよ…。｣

ホルスには背を向けているため気付かれなかったが、寢室や屋プールの更室以外に設置されている付與を駆使した異世界版防犯カメラにより、アイにはその口のきを読むことは出來たのだが、大した事ではないと判斷してれないので置くのだった。