｢H〇、〇Q！応答せよ！ただ今何者かに襲撃をけている！｣

トートの居る部屋まで、最短距離で潛中にトリスがいきなりび出す。

｢え？急に何？｣

｢いや、言ってみただけ。さ、そんな事より先急ごうぜ。｣

トリスとしては、前世でやっていた某伝説の傭兵が、単AIやら數百人の敵兵をボコボコにしに行くゲームを思い出し、懐かしくなったのでつい口に出していたのだ。

｢えぇ〜、そりゃないよ。｣

曖昧な返事が返ってきたため、ホルスは『気になる〜』と先を急ぐトリスを追う。

仮にも敵陣の真っ只中とは思えないやり取りである。

｢お、そろそろじゃね？｣

トリスはそう言い、突き當りに見えるドアを指さして立ち止まる。

トリス達は城壁を乗り越え、窓から侵して、報にあったトートの部屋がある５階建ての城の4階の、奧まった位置まで來ていた。

｢うん、そうだね。この紙には、近くの部屋は全て空き部屋と書かれてるね。ちょっと中の様子が分からないか、隣の部屋にって様子を窺ってみようよ。｣

｢な!?真晝間からの部屋の覗き見ですって!?ホルス君！私は悲しいわ！お母さん、貴方をそんな子に育てた覚えはありません！｣

｢えぇ!?ティーナを攫ってる時點で、もうアウトだよね!?というか、報が大事って言ってたのは、トリスだよね？｣

唐突のトリスの裏切りに、ホルスは全力でツッコミをれる。

｢んん？ん〜、まぁそれもそうか〜。じゃ、16歳のの子の私生活を覗き見るとしますか！｣

｢ちょ！言い方！｣

巫山戯つつも、トリス達はトートの居るはずである部屋の隣の部屋にって、壁に耳をあて中の様子を窺う。

｢―あぁ、誰か私に力を。現狀を変えるだけの力を與えて下さらないでしょうか。ふふっ。多くの人をってきた私には、到底葉わない願いでしょうけどね…。｣

｢｢…。え？どゆこと？｣｣

中から聞こえてきたの聲に、トリス達は唖然とする。そして壁から耳を離し、ヒソヒソと話し合いを始める。

｢若しかして、更に黒幕が居るパターンじゃね？どうする？｣

｢何か魔法で行を強制されてるなら、僕の魔法で解除出來ると思うけど…。しかし、正しい報が無いことにはどうしようも無いよな…。｣

難しい顔をしてトリス達は考え込む。

やがて、トリスはやれやれと首を振りながら、アイテムボックスを裝ったバッグを漁るフリをしつつ、収納インベントリーからとあるものを取り出す。

｢はぁ、しゃあないな。ホルス、ちょっと壁に小さなを開けてくれないか？試したい事があるんだ。｣

｢う、うん。…よし。出來たよ。｣

トリスが何やら漁っているのを橫目に、ホルスは魔力制の応用で、土屬の魔力を石壁に浸させ、そのまま軽く覗き程度に小さくを開ける。

魔力制とは、魔法をより効率的に使うため、魔法に使う魔力量の調節や、純粋に魔力のみを自由にかす技であるのだが、トリスやホルス並の上位者となると、魔力に屬を付與した狀態で自由にれるようになるのだ。水屬なら水を、風屬なら空気を一定程度れるようになる。

｢サンキュー。じゃ、やりますか。｣

そう言い、トリスはバッグから眼鏡･･を取り出して裝著する。

｢え？メガネ？｣

數年前から、トリスが市民の視力の底上げとして、カレンベルク商會(ry。

そのためホルスはその存在を知っていたのだが、何故この狀況で取り出したのか察しがつかないため、首を傾げる。

｢ん？あぁ、これは鑑定が付與されてるんだ。｣

｢え…。｣

またまたぶっ飛んだ能の魔道マジックアイテムに、ホルスは開いた口が塞がらない狀態になった。

｢ま、本家の『鑑定眼』に比べれば、大した事は無い能だけどな。的には、対象者の名前と別、狀態が分かる程度だ。｣

だが、そんなホルスの様子に気付かないトリスは、壁に空いたから中の様子を覗き込む。

｢お、居た居た。ベッドに座り込んで、廃人のような表してるな〜。笑えば可いだろうに。さて、『鑑定』。｣

部屋を暗くして、ベッドに座り込んでいる人に視點を合わせてキーワードを口にした瞬間、トリスの脳裏にトートのステータスが浮かび上がってくる。

名前:トート･ローヴァイン

種族:人間

年齢:16

狀態:強制ギアス･･･魔法行使者の意に反する行為をすると発。効果は、ありとあらゆる苦痛を験した後、腹部が裂けて死亡する。解除するには、魔法レベル8以上の者が、解呪ディスペルを行使する必要がある。

｢…（チッ）。｣

糞悪い結果に、トリスは思わず舌打ちをらしてしまう。

｢トリス？｣

そんなトリスの様子を見て、明らかに良い結果では無いことが分かったホルスは、眉をひそめながら聲をかける。

｢ん？あぁ、やはり誰かに強制ギアスをかけられてるみたいだな。しかし厄介だな。｣

｢え？何が？｣

普通の強制ギアスならば、ホルスであれば余裕で解除出來るため、厄介という意味が分からないでいた。

｢実はトートさんは、屬魔法レベル8以上の者が解呪ディスペルしないと解けない強制ギアスをけてるんだ。｣

深刻な表で告げるトリス。魔法レベル8というのは、聖人や聖認定されるレベルの使い手であり、數百年に1人到達できるかどうかといった確率なのだ。

勿論トリスの元のステータスであれば、何ら問題なく解呪ディスペル出來るのだが、まさか今ホルスの目の前でそんな事が出來るわけもなく、頭を悩ませる。

｢なんだ、その程度････か〜。なら良かった。｣

だが、トリスの重い聲音に反して、ホルスは安心したような軽い口調で呟く。

｢うん、そうなんだ。良かったよな〜、ほんとに…って今なんつった？その程度？まさか屬魔法がレベル8以上なのか!?｣

トリスは思わず素で驚愕してしまうのだった。