《転生王子は何をする?》第127話 とある休日のドタバタ 2 (ローゼマリー編)

ローゼマリー達からのデートのおいの翌日、ホルスは指定された場所に、待ち合わせの時間である10時の30分前には到著していた。

本日はローゼマリーとのデートの日であり、ホルスは心做しかソワソワしているようにも見えた。

「くくくく。張してらっしゃるな〜。実に初々しいじで、これもまた青春ってじだな。」

そんなホルスを監視する存在が1人。勿論トリスであるが、彼はに隠れてホルスの様子を窺っているのだ。

ホルスには今日1日街をブラブラしていると伝えてあるため、萬が一顔を合わせることになっても、言い訳がきくという、何とも萬全な狀態での覗きであった。

「ん?あれ、ローゼマリーさんじゃん。2人とも早いな。」

トリスの言葉通り、ローゼマリーが待ち合わせ場所に現れるのが見えた。

「お待たせいたしました。」

「そ、そんなに待ってないよ。そ、それよりも、服似合ってるね。」

ローゼマリーはゴテゴテとしたじではなく、シンプルに淡い青のフリルブラウスに、白の膝丈のスカート、そしてこれまた白のつば広の帽子、靴は現代日本においてメリージェーンと呼ばれる種類にそっくりなものを履いている。

見ると通行人の殆どはローゼマリーのしさに見れ、またある者は聲をかけようと近付こうとするが、近くに居るホルスを見て諦めるという景が繰り広げられていた。

そんなローゼマリーに、ホルスは顔を赤くしながらも、純粋な笑顔で褒める。

「あ、ありがとうございます!ホルスさんも、いつも通りカッコイイです!」

ホルスは黒好きのトリスに影響されてか、黒のシャツに、黒のズボンという、黒ずくめの格好をしている。

「あ、ありがとう。でもそんなにばれると、ちょっと恥ずかしいね。」

2人して赤面しながら褒め合う様子に、街ゆく人々も顔を赤くして見守っていた。

一方のトリスは、今すぐ飛び出して行って、全力で揶揄いたいのを我慢していた。

-こ、こやつらは!何というベタな展開!何というお約束!そしてそれを天然でやっているという奇跡!これは最早!素晴らしいという一言では片付けられな程の完度だ!-

どうやらトリスは、真の変態になってしまったようで、強く拳を握りしめつつ、興のあまり鼻を出している。

「い、今こそ言おう!あの名言を!『我が生涯に一片の悔い無し』!!」

大聲でぶトリスだが、幸いにも街ゆく人々やホルス、ローゼマリーの耳にはっていなかったようで、殘念ながらお縄にかかることは無かった。

ローゼマリーの目的地は、カレンベルク商會が経営している、大型のショッピングモールであったようで、オープンしてから連日混みあっている中、仲良く置いてある商品を見たり、買ったりしている。

「ホルスさん!この下著・・可いですよね!」

「う、うん。あの、ちょっとここ僕は居ちゃいけない場所だと思うんだけど…。」

ブティックの一角で、ホルスが赤面したり。

「お!あれ味しそう!」

「へ〜、これサンプルといって、食事の見本を飾る時に用いられるんですね。説明書きがありますよ?」

「え!?あれ本じゃないの!?」

ガラス戸の中に展示されている、様々な食品のサンプルの完度に驚いたり。

「口開けてください。」

「え?う、うん、分かったよ。」

「はい、あ〜ん。」

「あ、はい…モグモグ。じゃあ、えっと、こっちも、あ〜ん。」

「え!?ありがとうございます。…モグモグ。」

バカップルのように、フードコートでを食べさせあったり。

「このイヤリング…高い、ですね。予算オーバーです。」

「あはは、ドンマイ。他にも可いやつ沢山あるよ?」

「そう、ですね。はい。他も見てみましょう。」

ローゼマリーの所持金でも手が出せないような、高級なイヤリング見て、『しかったのに…』と落ち込んだり。

兎に角その日を思いっ切り楽しむ2人。

一方ストーキングしているトリスといえば…。

「ぐふ、ぐふふふふ。転生して良かったわ〜。」

と、このように、気持ちの悪い笑みを浮かべながら、ニヤニヤが止まらないでいた。

「…にしてもあの2人、本當に楽しそうだな〜。」

何故かがズキっと痛むようにじたトリス。

「?何だ、今の痛みは?…まぁ、大した事じゃないだろうから、別にほっとけばいいか!」

常時裝備している魔道マジックアイテムの効果により、とあるものを軽く封じているトリスには、久しぶりすぎて分からなくなっていた覚であったが、それは『羨』と『寂しさ』、若しくは『慘めさ』であった。

そんなトリスに気付かないで居るホルスとローゼマリーは、そろそろ帰宅するようであった。

「そろそろ帰らなくちゃだね。」

「え?あ、もうこんな時間になってしまいましたね。」

ホルスに言われたローゼマリーが時計を確認すると、時刻は17時を回っていた。

「じゃあ最後に、これどうぞ。」

そう言いながら、ホルスは懐から小さな箱を取り出す。

「え?ありがとうございます。…開けて、良いですか?」

いきなり小箱を渡されたローゼマリーは戸うが、中に何がっているのだろうと、楽しみで頬が緩みながらも聞く。

「はい。」

ホルスが頷いたのを見てから、ローゼマリーはそっと、壊れを扱うかのように丁寧に箱を開ける。

すると中からは、途中の店で高すぎて予算オーバーし、買えなかったイヤリングがっていた。

それは、ローゼマリーが他のに気を取られている間に、店員の協力のもとこっそりと買ったものだった。

「こ、これは。こんな高い「しっ!これは今日楽しかったから、ってくれたマリーへのお禮も兼ねたプレゼントだよ。け取ってくれると嬉しいな。」〜!!あ、ありがとうございましゅ。あ、噛んじゃった。」

「ふふっ。マリーは可いね。」

「な!…不意打ちは卑怯ですよ。」

ローゼマリーが顔を真っ赤にさせながら、初日のデートは幕を閉じたのだった。

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