《異世界に転生したので楽しく過ごすようです》第26話 お買いデートするようです
結婚式から翌日の朝こと。俺達は宿の一室にいた。
昨日はバックスさんに叱られたあと、遊び疲れたこともあり、晩飯を食べて宿ですぐに寢てしまったからな。
さて、今日俺はしたい事があるのだ。それを皆に言わないといけないのだが、事が事なため心配事がある。
俺のしたい事とは、ジュリとのデートである。
だがこのデート。ジュリの事が好きだからするっていう訳では無い。
俺はジュリと結婚したため、それを周りに見せていた方がいいだろうという俺の考えだ。
そこで俺の心配事というのがジュリ以外の皆だ。
また昨日みたいなことになりかねんからな。なんか対策でも練らないといけないはず。
とりあえず俺はみんなに今日することを話すことにした。
「なぁみんな。今日ジュリとふたりで買いしようと思うんだが…」
「あら?私とふたりで?」
「まぁそうだな。結婚したんだからそれくらいはしておいた方がいいと思ったからな」
「そういう事でしたら主様とジュリ様のおふたりの方がいいですね」
「マスター優しいの」
「ん」
「わた…じゃなかった、オレもそう思うぜ」
お?なんかするっといけたんだが。まぁ無駄に理由立てて置いていくよりはいいか。
それとリンさん?素で喋ってくれていいのよ?むしろ素で喋ってください。
「じゃあ準備が出來次第出発するわ。ジュリも準備してこいよ」
「わかったわ。ちょっと楽しみね」
ジュリは王だったもんな。この世界に來てからまともに買いとかしたことないのだろう。
それから俺とジュリは準備を終わらせた。
「それじゃ行ってくる。お前達は今日は自由にしていてくれ。王都の人達に迷かけないようしろよ」
「はーい」「はい」「ん」「おう」
そして俺はジュリとのデートに繰り出した。
◇◆◇◆◇
「主様達、行きましたね」
「そうだねー」
「これからどうするの?」
「ジュリちゃんうらやましいなぁ」
殘された4人は王都に來て初めての自由行を取れることになった。
「私に提案があります」
「「「??」」」
「主様達をつけましょう」
そのレンの一言で他の3人は目を輝かせる。
「つけるのー!」
「あたし頑張る…!」
「わたしも一緒に!」
レンはうんうんとうなずいている。
「それじゃ私達も準備をして外に出ましょう」
「はーい!」「ん」「うん!」
こうして自由行を取る4人は、準備を済ませて外に出ることになった。
◇◆◇◆◇
宿を出てすぐのこと。
周りの人達の話し聲が聞き耳のスキルで俺に聞こえてきた。
「みてみて!王様よ!」
「隣にいる人は誰かしら!」
「なんでぇ!おめぇら知らねぇのかい!」
「あんたは知ってのかい?」
「あたりめぇよ!王様の隣にいる奴は王様が昨日結婚した相手なんだよ!」
「王様はなんていい男を捕まえたの!それに比べ私の旦那と來たら…」
「あなたはいいじゃない。私なんて旦那すらいないのよ…」
「ぶっはっはっ!おめぇらみてぇなのにあんないい男はよらねぇさ!」
「「何言ってくれるのよ!表に出なさい!」」
「むところでぇ!」
「なんだなんだ!喧嘩か!おーい!みんな喧嘩だぞ!!」
……朝から元気がいいな。
「あそこなんか人が集まって來てるわね」
そう言ってさっきの人達を指さすジュリ。
「喧嘩らしいぞ」
「あら。どうしたのかしら」
「気にしない方がいいぞ。俺達が行くと大変なことになるからな」
「それもそうね」
ジュリは王だ。そして俺はさっきの話に出てた。もし今行ったらめんどくさいことになる気がする。多分ほおっておいて大丈夫だろう。
「それじゃどこに連れていってくれるのかしら?」
「そうだな。最初は服でも見に行くか?」
「いいわね。エスコート頼むわよ?」
「任せとけ。上手く出來る自信はないけどな」
「あら。頼りない人」
俺達はそんな軽口を叩きながら商店街の方へ向かっていった。
◇◆◇◆◇
「あそこ人がいっぱいいるよー?」
「本當ですね。何かあったのでしょうか?」
後を付けようと宿を出てすぐ。人が群がっている一角が4人の目についた。
「いくー?」
「んー。どうしましょうか」
「わたしは行って話を聞いた方がいいと思う」
「あたしも」
リンとミルの意見に従って、とりあえず人の群がっている方へ行く。
「ねぇ、おじさん。これ何してるのー?」
「お?嬢ちゃん。これはな、男との戦いだ」
「たたかいー?」
「はっはっは!分からないか!簡単に言えば喧嘩だな」
「喧嘩はいけないのー!」
「嬢ちゃんの言ってることはただしい!だがな…っていない?」
ゼロは喧嘩している3人の方へ。レンとミルとリンはゼロを追いかけて人混みの中に混ざっていく。
◇◆◇◆◇
その喧嘩している3人はというと。
「あんたみたいな男誰も近寄らないわよ!」
「へっ!おめぇらみたいなに近寄る男だっていねぇよ!」
「あんたしは世辭っていうものを學びなさい!そんなんだからのひとつもできないのよ!」
「へっ!噓をつくのは嫌いでぇよぉ!俺は本當のとこしか言わねぇのさ!それが嫌っていうは俺の方から願い下げでぇい!」
「なにをー!」
「なんだとー!」
そう言って達は箒を、男は拳を互いに向けこのままだとどちらかが怪我をするような自になっていた。
そして達が怒りにを任せ、箒を本気で男に叩き付けようとする。
それを見た男も拳をに向ける。
まさに3人の攻撃がぶつかろうとした瞬間。3人の目の前に一人のが出てくる。
『『『と、止めれない!ぶつかる!』』』
3人は同時に同じことを思った。そしてそのを傷つけてしまう現実から目を背けるように目を瞑る。
バシィ!
そのに3人の攻撃が當たる音。3人は後悔しながら目を開けた。
そして目を開けた3人は驚愕して、さらに目を見開く。
そこに居たのは、3人の攻撃を腕で防ぎ、けろっとしているがいたからだ。
「喧嘩したらダメだよー!」
そのの一言に3人は気が緩み腰を抜かす。
「ちゃんと仲直りするんだよー?」
「ゼロ様!主様に言われたように迷はかけてないですよね?」
「うん。喧嘩止めただけだよー」
「ゼロえらい」
「えへへー」
「ゼロちゃんみんなの前で目立ってていいなぁ…」
後にやってきた3人の達と仲良く談笑するさっきの。
「どうやら主様達は商店街の方に既に向かっているみたいです。私達も急ぎましょ」
「わかったー!…おじさんとおばさんたちはちゃんと仲直りするんだよー?じゃあねー!」
そう言って4人の達はどこかへ消えていく。
「な、なんだったんだ、あの子は」
「そ、そう」
「でも怪我してなかったみたいでよかった」
「あの、えっと、そのよ、俺が悪かった!ちょっと言い過ぎだった!」
「私達も言い過ぎたわ。ね?」
「ええ。私達も悪かったわ。ごめんなさい」
「はっはっは!これであの子も許してくれるだろうか」
「ふふふ。きっと許してくれるわよ」
そう言って笑い仲直りをした3人。そしてさっきの達を見ていた野次馬達。今ここで起きた話は瞬く間に王都中に広がっていった。
そして、旦那のいなかったと喧嘩した男は互いに惹かれあっていたらしく、この喧嘩のおかげなのか付き合う事になった。
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