「魔法が使えるようになりたいんでしょ」

「ーー本當に使えるようになるのかよ」

「ええ。 私と契約すればね。だから、今すぐ私と契約しなさいよ」

リカちゃん人形または、玩のフィギュアのような大きさの赤い髪のの霊がふわふわと浮いている。

何故なぜか分からないが、やけに焦っているような気がするのはどうしてだろう？

霊は、顔を近づけて來て、

「 契約するの？しないの？ハッキリしなさいよ」

「し・・・します」

完全に強引に押し切られた形だ。

「ーーところで、契約ってどうやるんだ」

「 接吻よ 」

霊は、恥じらいもなく普通に言った。

「・・・やめておく」

じゃあーーと、霊に背を向け帰って行こうとするアーサー。

「ちょっ・・・ちょっと待ってよ。何で？ 何でよお」

霊は、何かに追われるようにあたふたと焦りだす。

「何で俺が、お前とキスしなければならないんだよ」

「だってえ、 仕方ないじゃない。霊との契約は人間と霊との繋がりで接吻って決まってるのよ。とにかく早くちゃちゃっとしちゃいなさいよ」

霊は、焦りを抑え切れなく強くれた早口になっている。

まるで、何か恐ろしいモノにでも追われているかのように。

「・・・お前さっきからやけに焦ってないか？ 何故なぜそんなに急がる。何か企んでるんじゃないか」

アーサーは、目を細めてじーっと霊を見つめた。

霊は、アーサーの視線から目を逸らし明らさまに困った顔になった。

「お前、絶対ウソだろ？魔法が使えるように本當は、ならないんだな」

「魔法は、使えるようになるわよ！それは本當よ。契約の接吻も事実よ」

私は、無実よと言わんばかりの弁解をしてきた。

「ーーじゃあ、何焦っているんだよ」

アーサーが霊に問いかけた時、霊は顔に手を當て首を振りながら肩を落とした。

不思議に思いアーサーが振り返るとーー。

「リサ、自分だけ抜け駆けしようなんてダメなの」

「ふふふーー見つけたわよ。リサぁズルしようなんて駄目な子ですわ」

何処どこからとも無く二人の霊が現れたーー