《三人の霊と俺の契約事》ベリアル
「一箇所街がやられ魔石を奪われました」
「何者だ?」
「魔らしき者だと連絡がってます」
「魔・・・」
薄暗い廃墟の古城ーー その玉座に座っている影は、 不敵な笑みを浮かべた。
その橫に二人の霊が、ガタガタと震えて固まって座っている。
「円卓がき出したか・・・」
影は立ち上がると震えて恐怖でけなくなっている霊の一人を摑み無理矢理起き上がらせる。
「嫌、 やめてよ・・・お願いします」
ガタガタ震え泣きぶ霊ーー。
影は構い無しに無理矢理霊を引き寄せとを重ね合わせる。
「嫌ーーん、ん・・・」
影は、霊のをやりやり奪い魔力を吸い出す。
「あ・・・あ・・・」
魔力を吸い出すと霊を地面に投げ捨てた。
「ひぃいい・・・」
もう一人の霊は、 魔力を吸い出された霊の姿を見て恐怖に悲鳴をあげた。
「まだ、足りない」
地面に座り込み恐怖に震えている霊を見つめる影。
「嫌、 嫌、 來ないで・・・」
恐怖でけず、 座ったまま後退りするのが一杯の抵抗だ。
「お願い、 やめてよ」
霊を無理矢理引っ張り引き寄せる。
「嫌だあああ」
霊は、影の腕を爪でひっ掻く抵抗を見せた。
影の腕からはがし滲んだーーそれを見て影の頭にが昇る。
霊を力一杯地面に叩きつける。
「ぎゃあああああ」
倒れた霊を蹴り飛ばし、 髪のを摑み腹に蹴りをれる。
それを何度も何度も霊の意識が無くなるまで繰り返した。
「はあ、はあ、 はあ」
息を荒くしている影、気が済んだのか、 意識の無くなりボロボロになった霊の髪のを摑みを起こすと引き寄せとを重ねて魔力を吸い出した。
「はあ、 しは魔力を取り戻せたかな」
首を鳴らしながらガラクタを投げるかのように魔力を吸い出した霊を投げ捨てた。
「そこの霊ゴミを片付けておけよ」
「はっ! ベリアル様」
窓の外で稲りが鳴るーー影にが當たりその姿が映し出される。
ベリアル、 極悪非道で殘忍な悪魔だ。
決して、 真実を明かさない。
自分自しか信じない。
何者とも繋がりを作らない。
何者相手でもそれは徹底している。
その考えは、生いたちなのか。
それとも、過去の出來事が原因なのかは誰にも分からない。
「やはりアーリマンの復活を勘付いたか」
ベリアルは、長くばしている銀髪の髪をかき分けた。
サタンや他の悪魔に比べ、ベリアルの容姿は天使族に近い。
切れ長のややつり上がった紅い瞳、 腰まである銀髪の髪、背中には天使としか思えない漆黒の翼。
頭には、悪魔獨特の牛の角のようなが生えている。
玉座の椅子に腰をかけて、 腳を組み天を見上げるベリアル。
怠そうなだるそうな表を浮かべているーー。
「この糞つまらない世界で十年も経つのか、 タルタロスに帰還出來るまであとし魔力さえあればこんな事にはならなかったんだがな」
顔の手前に両手を広げて自分の掌を見つめる
「ーーアーリマンを復活させるのか、 俺自が魔石を使うってのも有りだな」
顔の手前に広げた掌を握った。
まるでこの世界を自分の掌の中に摑むようにーー。
「ベリアル様、 メイザースの居所を見つけました」
悪魔族の使い魔がベリアルの玉座の前に跪くびざまず
「円卓がき出している、 合流される前にメイザースを捕らえて黒魔を聞き出せ。
いいな? 」
「意」
使い魔は、直ぐさま消えって行った。
「時は満ちたーー」
ベリアルの獨り言が古城の古びた壁に響いたーー。
★ ★ ★
「アーサーさまのおとうさまは、どんな人なの」
「シーサー様は、とても凜々しく勇敢で誰にでも優しくたくましい方です」
メーディアは、し上を向きながら思い出すようにエルザの質問に答えた。
「シーサーは、何よりも手が早い。には見境ないな」
キルケーは、怪しげな笑みを浮かべている。
「キルケーそう言う言い方良くないわよ」
メーディアは、キルケーに向け口を尖らせる。
「本當の事じゃないか。 メーディアもおられてただろ? 私だってーーおっ、ふにゅっ」
「キルケーえ! アーサーさんが居るのよ」
メーディアが、キルケーの前に立ち口を塞ぐ。
「そふにゃった」
メーディアは、キルケーの口を塞ぎながら肩を落としため息をついた。
「アーサー様のお父様って・・・」
「なの」
アーサーと三人の霊も今の話を聞いて想像している人と違うとじた。
それは、なぜか今まさに空間移魔法の準備をしている中年の親父の魔導士と重なった。
メイザースは、三人の霊の視線が分かったのか、こちらを向き霊達に向かって左目をパチンと閉じてウインクした。
三人の霊は、苦笑いを浮かべていた。
メイザースの準備が整ったーー。
「よし! 魔方陣を描き終えましたのでそろそろアヴァロンに行きますかねえ」
キルケー、メーディアの表が急に険しくなるーー。
「メイザース、ヤバイぞ・・・」
「囲まれてる、全然気付かなかったわ」
「やれやれ、 瞬間移魔法エスケープしちゃいますか」
「萬が一にも一緒に移されることがあったらマズイだろ」
「それに、一とんでもない魔力を持った奴がいるわよ」
「ベリアルの使い魔の一人かもなのだよ」
メイザースは、窓の外を覗くとそこには數十の羽の生えたデーモンと一の悪魔族が空からメイザースの屋敷を包囲していた。
「メーディア久しぶりに暴れたら? 炊事洗濯ばかりで鈍ってるでしょ」
キルケーがメーディアに向かって茶化す。
「馬鹿にしないでよね。そうね、屋敷の敷地から出れないから滅多にないチャンスよね。 久しぶりに暴れてみようかしら」
メーディアは、そう言うと背びをしながら応接間から出て行った。
「メーディア一人で大丈夫なの」
リサが心配そうに尋ねる。
「大丈夫、大丈夫。私には及ばないがそこそこやる魔導士だよ」
高笑いしながら外に目をやったーー。
「おっ! 出てきたよメイド。見ててご覧、 珍しい魔法が見れるから」
屋敷からメーディアが現れるとデーモン達が一斉にメーディアとの距離を詰める。
「申し訳ないですが、久しぶりの戦闘になりますので手加減出來ないのをご承知下さいね」
メーディアの金の瞳が輝くと同時に、全からパチパチと電流が弾く。
「電撃? 雷魔法なんて聞いたことないですわ」
シルフィーが眼鏡を抑えながら驚く。
「多分、世界で一人だけの雷魔法の使い手だよ。 それが雷帝 メーディア彼だ」
バチバチと電撃が弾ける音が辺りに響いてた。
ーー 雷帝 メーディアいざ ーー
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