《三人の霊と俺の契約事》非公開練習
大會を一日前にした非公開の騎士団別の練習がコロッセオで行われていた。
先に練習を行ったのは前回勝利した銀の星団からーー 真っ新しいまだ誰も使用してないステージで練習を行えるのも正騎士団の証なのだ。
與えられた一時間の練習を終えてれ替えの時間になりコロッセオを後にする銀の星団の前に正面から金の夜明け団が向かって來たーー
「あっ! リンちゃあああん」
金の夜明け団の中から一人馬鹿デカい聲を出し手を振る若者がいる。
「ロビンさん」
顔に似合ったアニメ聲を出し小さく手を振るリンスレット。
「相変わらず可いよお。 ねえ、今度一緒に食事でも一緒にどお? 」
馴れ馴れしく相手の団長をナンパするロビンと呼ばれた年。
「え、、えっと嬉しいんですがーー」
困り果てるリンスレットーーその前に銀の星の団員が立ち塞がる。
「ウチの団長を困らせないで頂きたいな。それに明日対決する相手にデリカシーが欠けてないか」
ロビンを睨みつけるーーしかし、ロビンは
「固いねえ。ああ、俺も銀の星団だったら良かったなあ、毎日リンちゃんと一緒にいれるもんな。 銀の星団は幸せだよなあ」
頭の後ろに両手をやって、舌打ちするロビン。
「ロビン悪かったな、むさ苦しい男が団長で」
ランスロットがロビンをチクリと刺すように嫌味を言う。
「嫌、そういう訳では・・・」
苦笑いを浮かべて後ろに退がるロビン。
そんなやり取りを見て微笑むリンスレット。
「ーー後でアイツには良く言って聞かせるのですまない」
そういうと金の夜明け団全員が左に避けて道を銀の星団に譲るーーそして尊敬の意を表す魔法騎士団の敬禮のポーズを取る。
魔法騎士団の敬禮は、左手をの中心に當て會釈をする。
相手騎士団にこのポーズで道を譲ることも屈辱である。
正騎士団の最後の人が見えなくなるまでこのポーズで會釈し続けなければならないのだ。
「リンちゃん、またね」
ロビンが再び、リンスレットに聲をかけると隣に居た金の夜明け団の先輩騎士に頭を毆られた。
ロビンは、ぺろっと舌を出して痛そうに頭をでていた。
銀の星団が立ち去るのを確認すると、敬禮を一斉に止めた。
すると、すかさずランスロットがんだ。
「良いか、この屈辱は明日必ず晴らすぞ! 良いな」
金の夜明け団全員の雄びがコロッセオに響いたーー 當然、銀の星団の耳にも屆いていた。
先頭を小さなの子が率いてアヴァロン城へと歩いている。
リンスレットの耳に金の夜明け団の雄びが屆くーー 彼の口元が緩む。
「みんな、今の金のび聞こえたか」
足を止めて振り返るリンスレット。
全員が頷いた。
「負け犬の遠吠えだーー忘れろ」
再び正面を向いて歩き出すリンスレット。
「勝つのは私たち銀の星団よ、もう金の夜明け団が正騎士団になることは今後ないわ。何故なら私が銀の星団にいるからよ」
激突する火花、刻一刻と近づいてくる魔法武道會の開幕ーー
★ ★ ★
「おい! 誰か明日のフリートーナメントの出場選手の名簿を見せてくれ」
シーサーの元に分厚い選手名簿が屆いた。
シーサーはしばらく眺めると、思いついたような顔をしてニヤけた。
「追加選手をサプライズでお願いする。すぐ手配を頼む」
「かしこまりました。ーーで、どちらの方を追加なされますか」
城のメイドがシーサーに尋ねる。
「それはーーーー」
★ ★ ★
「凄い大きな建だなあ」
アーサーは、コロッセオを見上げて改めてその存在の大きさをじた。
「明日なのに人がいっぱいなの」
エルザは、本番ではないかという位コロッセオの外に溢れかえる人を不思議そうに見ていた。
「場所取りだよ! みんなしでも近くの良い席で観戦したいのさ」
キルケーが得意げにドヤ顔で答えた。
「何か凄い騒ぎで人集りが出來てる」
リサが指差す先に確かに人集りが出來ている。
三人の霊と一緒にアーサーは何となく行ってみる事にした。
人集りの真意を確かめる為に人を掻き分けしでも前に近づいた。
「うう、痛いの」
「エルザ、潰されちゃうぞ。 みんなも空から前に行きな」
三人の霊は空から前に移、アーサーも何とか前の方に移出來た。ーー見えた先には可い小さなの子が鎧を著て手を振っている姿が見えたーー
リンちゃん、リンスレットなど凄い聲援と騒ぎになっていた。
「あんな小さなの子が闘うのか? 」
アーサーが呟くとーー
「何だい兄ちゃん知らないのかい? リンスレット・ローエングラムって言えば銀の星団の団長で一昨年のフリートーナメント優勝者で怪みたいに強いんだぜ」
「あんな小さなの子が・・・」
「とてもそんなじには見えないだろ? 何しろ可いのなんのって」
オッさんはリンスレットにメロメロの様だ。
集まった人達の聲援に手を振ったりしてしばらく応対するとリンスレットはアヴァロン城へと消えて行った。
「凄くかわいい子だったの」
「小さくて目が大きくて、白でとても戦いなんて出來てるように見えなかった」
エルザとリサは二人で納得しながら喋っている。
「彼は見た目に騙されてはダメですよ。 とんでもないチカラを持ってますわ」
シルフィーが眼鏡を拭きながら鋭い眼をリンスレットに送っていた。
「そもそも魔法騎士団の団長に選出される位なんだから強くて當たり前だろ。 何か持ってるモノがあるから団長になれるんだよ」
アーサーの背後から聲が聞こえ振り返るとキルケーがいつの間にか腕を組んでニヤついていた。
「見てろよ! チョット魔力を解放してみようか」
キルケーが悪戯っぽく笑いながら魔力を解放させたーー 他の人々は平然としているが一部の人間はその禍々しい魔力の変化に気付いたらしい。
リンスレットが凄い勢いで振り返る!
銀の星団のメンバーもリンスレットを囲うように構えるーー
「気付く奴は気付くが、リンスレットって奴のの良さは異常だな。 相當の手練れだよ」
魔力を弱めてまたキルケーは人混みに消えて行ったーー
リンスレットは、アーサー達を怪しむように見ていたがしばらくして去って行った。
いつの間にか人集りもまばらになりアーサー達もアヴァロン城へと向かうのだったーー
ーー 魔法武道會開催まで僅かーー
- 連載中87 章
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
【2022年6月1日 本作が角川スニーカー文庫様より冬頃発売決定です!!】 「オーリン・ジョナゴールド君。悪いんだけど、今日づけでギルドを辭めてほしいの」 「わ――わのどごばまねんだすか!?」 巨大冒険者ギルド『イーストウィンド』の新米お茶汲み冒険者レジーナ・マイルズは、先輩であった中堅魔導士オーリン・ジョナゴールドがクビを言い渡される現場に遭遇する。 原因はオーリンの酷い訛り――何年経っても取れない訛り言葉では他の冒険者と意思疎通が取れず、パーティを危険に曬しかねないとのギルドマスター判斷だった。追放されることとなったオーリンは絶望し、意気消沈してイーストウィンドを出ていく。だがこの突然の追放劇の裏には、美貌のギルドマスター・マティルダの、なにか深い目論見があるようだった。 その後、ギルマス直々にオーリンへの隨行を命じられたレジーナは、クズスキルと言われていた【通訳】のスキルで、王都で唯一オーリンと意思疎通のできる人間となる。追放されたことを恨みに思い、腐って捨て鉢になるオーリンを必死になだめて勵ましているうちに、レジーナたちは同じイーストウィンドに所屬する評判の悪いS級冒険者・ヴァロンに絡まれてしまう。 小競り合いから激昂したヴァロンがレジーナを毆りつけようとした、その瞬間。 「【拒絶(マネ)】――」 オーリンの魔法が発動し、S級冒険者であるヴァロンを圧倒し始める。それは凄まじい研鑽を積んだ大魔導士でなければ扱うことの出來ない絶技・無詠唱魔法だった。何が起こっているの? この人は一體――!? 驚いているレジーナの前で、オーリンの非常識的かつ超人的な魔法が次々と炸裂し始めて――。 「アオモリの星コさなる」と心に決めて仮想世界アオモリから都會に出てきた、ズーズー弁丸出しで何言ってるかわからない田舎者青年魔導士と、クズスキル【通訳】で彼のパートナー兼通訳を務める都會系新米回復術士の、ギルドを追い出されてから始まるノレソレ痛快なみちのく冒険ファンタジー。
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