王立ヴァイス學園にるには、まず學試験にからなければいけない。

試験會場にはすでに多くの人が並んでいた。俺は學試験者の列に並びしばらく待つ事にした。

並んでから2時間が経った頃、やっと俺の番がやってきた。用紙には年齢、名前、選んだ學科を書くだけだった為すぐに終えることができた。

りたい學科が、魔法科だけだった為學科についてはよく知らないが貴族科や商業科などがあるらしい。

その後は選んだ學科ごとにまとめられ、それぞれの會場へ移した。

「やあ、本日君たちの試験を務めさせてもらうヒューズだ」

その挨拶を聞いた學試験者はざわざわと騒ぎ出した。

「マジかよ、じゃああの人がAランクの冒険者で宮廷魔法騎士のヒューズさんか…」

「俺、初めて見たよ」

「俺も初めて」

「俺も俺も！！」

などと言っている。

そんなに有名な人なのか？

ヒューズは、そんなことを気にせず試験容を言い出した。午前中に実技試験で午後に筆記試験らしい。

早速、魔法がどれくらい使えるか試す為の試験が始まる。

用紙に登録した順に、20メートル先にある的に何の魔法でもいいから當てるように言われた。

続々と俺より先に登録していた奴らが、名前を呼ばれ前へ出て行った。

この學園にはEクラスからSクラスまでのクラスが存在する。績上位15名がSクラスにることができる。

Sクラスは、試験以外の全ての授業の免除、學費、學食の免除がある。

俺はSクラスを狙う為にここで一発好績を殘しておきたかった。

「次、ソージ・シルフィード」

ついにソージの名前が呼ばれる。

俺は前へ進み魔法を行使する。

「我、汝をする全てを燃やす焔よ〈火玉ファイヤーボール〉」

直徑5センチ程の火球が的へ向かって飛んでいく。

他の學試験者も〈火玉ファイヤーボール〉はよく使われる魔法の為特に騒いだりしない。

すでに試験のヒューズさんも俺の評価を書こうとしている。

ペンをかそうとした瞬間、俺の放った〈火玉ファイヤーボール〉が的に當たる。

火球が的に當たる。すると本來なるはずのない音がなる。

ドッカーン……

それを聞いた學試験者達はあんぐりと口を開きヒューズは持っていたペンを落とす。

火球の當たった的は、跡形もなく焼け焦げその下の土は焦土と化していた。

學試験者達は未だに我に帰ることができていない。

それはそうだ。本來の〈火玉〉の威力はせいぜい的を焦がすくらいだ。

これが真実だと言われるならば、いっそ上級魔法や幻だったとか言われた方がまだマシだろう。

魔法の行使を終えた俺はヒューズ試験に近づき

「すみません。もう終わりでいいですか？」

と言う。

ヒューズは急いで実技の記欄のところをSに変えて

「あぁ、終わったのなら筆記試験の會場へ行きなさい」

と伝えてくれた。

実技の評価がSになったことに喜び俺は次の會場へ向かうのであった。