《事故死したので異世界行ってきます》第30話 魔王軍①
「ラギナ、1つ聞いてもいいか?」
俺は、レグルス法帝との戦闘の時に起こった出來事を話した。
もちろん死んだ事と神に蘇生してもらった事は話してはいないが…
「ほぅ… そんなことがあったのか、それでその話が今何か関係あるのか?」
「実はリリ…… 千面嬢との戦いの際にも俺はステータスを大幅に下げられたんだ」
不意に名前を間違えてしまった、リリカが起きていたら泣いているだろうな……
「ふむ…… それはつまり同じ手段で攻められたというわけだな?」
「あぁ、全く同じ手段だった」
「なるほど……」
ラギナは顎に手を添えて考え込む。
しばらく考え込んだ末に出した答えがこれだ。
「もしかすると、ずっと前から其方は魔王軍に目をつけられていたのやもしれん……」
気が合うね王様、俺もそう思ってた。
闘神になった後から目をつけられているとしたら俺の的な対策法なんてわからないはずでしょ?
でも、千面城は知っていた、という事は闘神になる前、なくとも俺がレグルス法帝と戦っている時から既に監視されていたと考えるのが妥當だろう。
「俺もそう思う、通者が居る可能は無いだろうか?」
「我が國を疑うというのか? いくら闘神であってもそれは許容する事はできないな」
ラギナの目が鋭くなり一層威厳を増す、まるで虎にでも睨まれているような錯覚に陥った。
「すまない… そう言うつもりで言ったわけでは……」
「いや、儂もし熱くなりすぎた この事はお互い水に流そう」
これが、初めてラギナ國王が俺に怒った瞬間だった。
「あぁ…… こちらこそ、申し訳ない事を言った」
「もう良い して、其方がいつから魔王軍に目をつけられているかだが……」
「うーん もしかするとヨルダン法國と魔王軍に繋がりがあったとか?」
「うむ それはあるやもしれんな、ヨルダン法國はここ最近になって勢力が増大していた、レグルスも最近になって法帝の位についたそうだ、その背景に魔王軍が絡んでいたのかもしれない」
それなら合致がいく。
「レグルス法帝が魔王軍の一員だったとは考えられないだろうか?」
「それはないだろうな、レグルス法帝はヨルダン法國が勢力を増す前から勤務していた宮廷魔導士だ、ただ勢力が拡大したのと同時に頭角を現したのも事実…… もしかするとレグルス法帝は魔王軍から力を得ていたのかも知れない」
「力を得る?」
「うむ、自を魔族に変える事でステータスの引き上げをすることができるのだ 但し、かなり高位の魔族と契約を結ばなければそのようなことはできないがな」
なるほどな……
千面嬢と契約を結んで人間を捨てた代わりに力を得たと言うわけか…
「じゃあ、ヨルダン法國と魔王軍が繋がっ……」
俺の発言を遮るように國王室前の廊下を大きな足音を立てながら走ってくる音がした。
音は衰えることなく國王室の扉をノックせず勢い良く足音の発信源が飛び込んできた。
「國王陛下! ミドラン村が魔王軍によって壊滅した模様ッ!」
足音の元は、俺を始めて王宮へ連れてきたあの兵長らしき男だった。
「なにっ⁈ 何故そんなところに魔王軍が……」
ミドラン村とは我が國カルダド王國とヨルダン法國の間に位置する村である。
「敵の數は10萬は優に超えると予測されます、更に魔王軍の先頭には黒き闘神ユウスケ殿が…… アレ?」
先程まで下を向いて報告をしていたため兵士長は俺の存在に気づかなかったようだ、顔を上げ俺の存在に気づいた途端軽いパニックに陥ってしまっている。
「千面嬢……」
「どうやらそのようだな、どうするのだ?」
兵士長そっちのけで俺とラギナは向かい合って話し合う。
「勝てる見込みはあるか?」
「數で言えば敗北は目に見えている、だがこちらには其方が居る、十分に勝てる戦いだろう」
「戦おう」
兵士長が口を開く
「國王ッ! その男は先程まで魔王軍を率いてミドラン村を壊滅させた男ですぞ!」
「タウロスト騎士長よ、そなたの見た黒き闘神はユウスケ殿ではない」
「それは一…」
「後でわかる、今は兵を集めて進軍の準備をせよ」
「は、はぁ…」
タウロスト騎士長は仕方なく納得したようにそう返答し部屋から出て行った。
因みに兵士長らしき男、タウロスト騎士長には貴族たちと同じ様に苗字と名前がある、フルネームはタウロスト・アヴェインである。
「俺はアイツらを取りに行くよ」
「アイツら? 魔剣と魔裝の事を言っているのか?」
「あぁ」
「ホッホッホ あのエリフィスとガルガンチュアをアイツ呼ばわりするとはな……」
「案外アイツらとは仲良くやってるんだよ」
自分で言うのも烏滸がましいかも知れないが……
「儂も同行しよう、萬が一の時の為にコレを持っておくと良い」
そう言ってラギナがポケットから取り出したのは、見覚えのあるだった。
「コレは…… 《王家のペンダント》」
俺の手に置かれたのは、リリカと初めて2人で行ったクエスト、盜賊狩りのクエストの時に回収したあのペンダントそのものだった。
「知っていると言うことは其方が取り戻してくれたのか?」
「あぁ…… でもどうしてコレを?」
「謝するぞ、そのペンダントにはHPが1割を切った時に強制的にココに転移される特殊な魔法陣が刻まれている」
ココとは、王宮ではなく王室のことだ。
「なるほど… ありがたく頂戴しておくよ」
「なんの、禮には及ばんよ 儂がしかったものは返ってきた、禮をするのはこちらの方だ」
ペンダントをよく見ると寫真をれられるスペースがあったがそこにはなにもれられてなかった。
ラギナがしがっていたのはペンダントで無く寫真の方だったのだろう。
「そ、そうか……」
「うむ、では早速だが其方の家に行こう」
「【ゲート】」
黒いゲートが開かれ、俺とラギナは同時にゲートをくぐる。
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駆け出しの小説家なので至らない點多々あるかと思いますがご了承くださいm(_ _)m
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