《事故死したので異世界行ってきます》第36話 帝國②
侵に功した俺は警備が薄すぎる事と、國に活気が無さすぎる事に驚きを隠せずにいた。
「なんなんだこのゴーストタウンは……深夜だから外を歩いている人がいないと言うのは納得できなくも無いが、沢山ある街燈に一つも燈りが付いていないってのはどういう事だ?」
(妾も、外へ出てきたあの兵士たち違和をじておった。あの者らからは、人ならざる者の魔力をじたぞ)
(同じく、魔族に近い魔力をじた)
「この國に人間は1人も居ないのか?」
(その可能もあるだろうな、そなたのスキルで調べてみたらどうだ?)
流石、博識エリフィス様だ。
「そうするよ【心眼】」
ドドルベルン帝國に居る人族、と言う容で調べてみたが脳に映し出されたマップには赤點が1つも無かった。どうやらこの國は本當に滅びているらしい。
(どうであった?)
(主人、やはりこの國は滅んで居たのだろうか?)
「あぁ、ドドルベルン帝國に人はひとりも居なかった」
(そうであるか、であるなら街への被害などは配慮しなくても良い言う事だな?)
「ま、まぁそう言う事になるが……何する気だ?」
(思う存分戦えるではないか、と思ってな)
(確かに、しかも今回の相手はかなりの強敵だろう主人も楽しめるのではないか?)
「いやいや、俺戦闘狂じゃねぇから!」
(そうであるか?戦っている時のお主の顔は実にイキイキとしていたから、狂戦士バーサーカーだと思っておったぞ。ガンドラもそう思うであろう?)
(うむ、私も同じことを思っていた)
「お前らな……」
(そんなことよりユウスケよ、前を見てみよ)
「なんだ?」
中央通りに立っていた俺の遙か遠くから1人の黒い鎧をまとった騎士がこちらへ歩いてきているのが見えた。
(主人よ、おそらく暗黒騎士・ベアルではなかろうか)
そう言われれば、そのように解釈できる見てくれをしている。
「ステータス」
遠くにいる黒い騎士のステータスを確認する。
暗黒騎士・ベアル
種族:魔人    クラス 不明
Level. 700
HP 729800/729800
MP 708000/708000
攻 30867
守 49800
知 26684
速 49108
運 0
スキル
【剣撃】: 通常攻撃時に威力30%の追い討ちが追加される
【剣武の才能】: 剣技、武技の消費MPが1/2になる
【三魔將】:全てのステータスを3倍する。
毎分消費MP10000
剣技
【刺突二段突き】:刺突系の攻撃時に威力100%の刺突系追い討ち付與。
消費MP100
【衝波斬】:斬撃を衝撃波にして放つ。
消費MP1000
【絶牙】:不可視の斬撃を無數に放つ。
消費MP100000
武技
【烈火俊斬】:火屬の斬撃を自の2倍のステータス(速)で繰り出す。
消費MP800
【斬り雨きりさめ】:無數の刺突系衝撃波を上空から降り注ぐ。
消費MP8000
【覇滅斬】:自分よりも高いステータスを持つ相手に300000の固定ダメージ。
消費MP500000
魔法
【ソニカルブースティア】:一定時間、ステータス(速)を10倍する。
消費MP10000
【フォースブースティア】:一定時間、ステータス(攻)を10倍にする。
消費MP10000
裝備
黒龍王の兜
黒龍王の
黒龍王の籠手
黒龍王の靴
黒龍王の黒牙剣
黒龍王の寶玉/特殊スキル自己再生Level 5付與
おいおいおい……こいつのステータス上限値超えてんじゃねぇのか?上限超えられるのは俺の特権じゃなかったのか!?つか、全然俺より強じゃん……
「軽い気持ちで來たつもりなんだけどな……」
(どうしたというのだ?)
「アイツは俺より斷然強い。一旦退いた方がいいかもしれない」
(そうか?妾はそなたの方が強いと思うがな)
(うむ、私も主人の方が強いと思う。だが、主人が退くと言うのであれば従うまで)
「詳しい話は後でする。【ゲート】」
ゲートを國王室へと繋ぎくぐろうとした瞬間、突風とともに突如として現れた鋭利な衝撃波のようなものがゲートを斷ち切った。
「逃がさん」
その無慈悲での通ってい無いかのような聲は背後から聞こえて來た。
「なっ!」
慌ててその場から離れる。
「黒き闘神である者が逃げるなど如何なものかと思うぞ?」
「いつ俺の背後を取った……」
(コヤツ、なかなかやりおるでは無いか)
(私も気づかぬに背後を取られてしまった)
「弱者に教えても時間の無駄だ。1つ忠告しておく、確かに貴様は人間という枠組みであれば最強を名乗っても問題ない能力を保持しているであろう、だがその最強は人間という種族の中でだけ通用するものであって我等からすれば貴様など取るに取らない存在なのだ。己が強いと思っているのであれば考え直すべきだろうな。」
久しぶりにじるシンプルな力の差。素のステータスで劣っていると思ったのは初クエストで運悪く遭遇してしまったストロングベア以來だろうか。
正直侮っていた、今回も難なくこなせるであろうと思っていた。だが違った、意表を突かれた事と強者を目の前にし背中には冷たい汗が流れる、それと同時に今までの戦闘にはじる事の無かった、高揚を覚えた。
「暗黒騎士・ベアルか……」
「フン……流石に名前はバレてしまっているか。さぁ、黒き闘神よ決死の覚悟でかかって來い」
「【黃昏】 エリフィス、ガンドラ行くぞ」
(闘うのか……ふん、やはりお主は狂戦士バーサーカーじゃの)
(ですな)
全てのステータスを2倍にして、エリフィスには闇屬をガンドラには火屬と雷屬それから闇屬の魔力を流し込む。
エリフィスは今までよりも濃く大量の黒煙を上げ、ガンドラは雷屬の魔力を流したことにより今までとは比べにならないほどの大きくそして禍々しい雷を纏っている。
「ほぅ……それが黒き闘神のチカラか……」
「おらぁぁっ!」
大地を強く踏みしめ、勢い良くベアルの懐に飛び込みエリフィスを振り上げた。
ガキンッ!!
ベアルはその攻撃を持っていた剣で容易たやすくけ止めた。
「なかなか良い太刀筋だ。だがその程度ではこのは元より鎧にも傷1つ付けられんぞ?」
「くっ……」
(ユウスケよ、妾にもっと闇屬の魔力を流し込め)
(主人よ、我には火屬と雷屬の魔力を流してしい)
「わかった」
俺は言われるままにエリフィスに大量の闇屬の魔力を流し、ガンドラには火屬と雷屬の魔力を流し込んだ。
瞬間、辺りは黒い霧に包まれた。
そして、そこには禍々しい稲妻が走っている。
「目くらましのつもりか?小癪な……
剣技【衝波斬】」
ベアルの放った一撃で黒い霧は晴れたが、瞬く間に元に戻りより一層霧が濃くなった。
「エリフィス、ガンドラこれは一なんなんだ?」
(【霧幻雷斬ファントム・ライジスト】妾とガンドラがいて初めてり立つ技じゃ)
(主人には、薄い霧のようにしか見えないかも知れないが奴の視界は黒く覆われている、そして主人がけるダメージはこの霧の中にいる敵の攻撃に限り全て無効化される)
そう、この濃くて黒い霧は俺から見れば微かにかかった霧程度にしか見えないため、ベアルがどこにいるか目視できる。それにこの霧の中にいる相手であれば実質HP無限の狀態で戦えるというのだ。
(それだけではないぞ?霧の中にいるお主以外の全ての者に火屬と雷屬そらから闇屬の複合屬の斬撃が止むことなく降り注がれる。ちょうど今ベアルが必死で捌いているアレだ)
「くっ……なんだこの斬撃の手數はっ!」
ベアルのに向けて無數の禍々しい斬撃が止むことなく飛んでいた、なんとかベアルは捌いてはいるものの數発當たったのか黒りしていた鎧に傷がっていた。
「流石は魔剣と魔裝だな」
(そうであろう?)
(この程度造作もない事だとも)
2人の聲はどこかを張って言っているように聞こえた。
「フン……そうか、貴様の裝備していた剣は魔剣エリフィス、そしてそのをまとっているのは魔裝ガルガンチュアだったな。この力は全てそれらのものか、貴様は己の力では何も出來ないのだな」
「なっ!」
(落ち著かれよ、あのような挑発に乗るではない)
(エリフィスの言う通りだ、ただの負け犬の遠吠えに過ぎん)
「我が本當のチ・カ・ラ・と言うものを見せてやろう……剣技【絶牙】」
「止まった……?」
先程まで無數の斬撃を捌いていた剣がピタリと止まった。ベアルの剣が止まろうとも、無慈悲な斬撃は止む事なく放たれる。斬撃がベアルに近づいた瞬間 パンッ と言う軽快な音を立てて消えた、そして次々に放たれた斬撃も同じ音を立て消え去った。
「違う、アレは止まっているんじゃない……早すぎて止まっているように見えるんだ」
(ほぅ…アレほどの剣技の使い手がいるとはのぅ)
(主人よ、どうやら我々の力だけでは彼奴あやつを倒すことは不可能のようだ)
「そう見たいだな……まずは魔法で距離を取りつつ様子を伺う。
謦咳に接する死の囁き
屆かざる生の一聲
沈み砕かれ淀み屈せよ
古代魔法【黒轟】」
俺の放った魔法【黒轟】は麻痺や毒それから混等の狀態異常を引き起こしステータスをダウンさせるデバフ系の古代魔法だ。
【黒轟】により発生した轟音は薄黒の衝撃波の様になり瞬く間に広がって行った。
「ぐあっ……ゼェ…ゼェ…」
流石に音を斬る事はベアルにも出來なかったのか【黒轟】の影響を食らっている様だ。
「これなら…ッ!!」
チャンスだと判斷した俺は最短距離でベアルに近づき音速をも超えようかと言う一太刀を放った。
今回はここまでですm(_ _)m
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