《事故死したので異世界行ってきます》第40話 帰還
俺達一行は、帝宮を後にして僅かばかりの生存者戦士達の元へと向かった。
「大丈夫ですか?」
ベニアーナが神作により疲弊しきった戦士達にそっと聲をかけた。
「おぉ……姫様……ご無事で何よりです……」
活力の『か』の字も無い聲で戦士は呟いた。
その今にも消えそうな聲を聞いた數名はゆっくりとき聲を上げながらこちらへ向かってきて立膝をついた。
「帝王陛下を守りする事が出來ず……申し訳ございません……」
立膝をついてそう言っている戦士は風に揺られる花のようにユラユラとフラついている。
「ベニアーナ姫、戦士達を集められますか?」
「集められると思いますが……」
俺のその言葉に、ベニアーナはし戸い口を開いた。
「今は戦士達に一時でも休みを與えたいのです。後ほど召集をかけますのでどうかご容赦を」
ベニアーナはヘソ辺りの位置で手を差して俺に向かってお辭儀をした。
「わかりました」
そう返答すると、ベニアーナはまたお辭儀をした。
俺はベニアーナのお辭儀が終わった後、疲弊した戦士に治癒魔法をかけては、また別の戦士に治癒魔法をかける。俺は、総勢100名以上は居たであろう疲弊しきった戦士達一人一人に治癒魔法をかけた。
治癒魔法をかけられた戦士は全員、瞬く間に活力を取り戻し俺に向かって一禮した後にベニアーナの居る場所まで駆けて行った。
むさ苦しい戦士達の間をってベニアーナの元まで行き『これで失禮します』と一言だけ告げてリベリアルとともに早々にその場を立ち去った。
「あ、あのっ! あの……」
ベニアーナは必死に何か伝えようとしていたが戦士達が囲っている所為か何も聞こえない。
必死にもがいて戦士達の間から顔だけをひょこっと出して一言こう言った。
「ありがとうございました!」
猛々しい男達の間を必死にもがいて放った言葉はソレだけだった。だが、これほど分かりやすい謝の伝え方があるだろうか。
俺はそれに応えるように右手を上げ、彼に背中を向けたままドドルベルン帝國を後にした。
今回の五國會議は當然中止となり、甚大な被害を被ったドドルベルン帝國は傘下國と共に生きる道を選び、四王帝共和國へと名前を変えた。
そして、・アスモデウスはあの日を境に全く姿を現さないようになり、ドドルベルン帝國は元より、他國にも平穏な日々が訪れようとしていた。
カルダド王國周辺ー
ドドルベルン帝國から帰國した俺とリベリアルは今カルダド王國の近くに生い茂っている草木にを潛めていた。
帰り道はリベリアルに【飛翔フライ】を教えながら帰ってきたため太はもう既に登り切っていた。
「いいか、リベリアル。絶対に自分がリベリアルである事をバレちゃいけないからな?」
「うむ」
「よし、じゃあこの裝備に変えてくれ」
リベリアルが変裝するために、帰り道に通ったラゴウド國で一般的な騎士がにつける程度の裝備を見繕ってきていたのでそれに著替えてもらう。
ガチャガチャと金屬がぶつかり合う音が靜かな森に響き渡る。
「どうだろうか?」
「うん、良いじだと思う!」
「それは良かった」
リベリアルは顔が隠れるようにしっかりとヘルムをつけて、俺はエンドラとガンドラをにつけた。
「ん?どうして変わらないんだ??」
俺が握れば大剣は太刀へと変わるはずのエンドラが全く変わる気配がない、ガンドラに関しても威圧の強いフォルムのままだ。
「どうかしたのか?」
「いや、形の変化が起こらないなぁ。と思って」
「なにを言っているんだ?人型に変えたければ心の中で 変われ と念じれば変わるはずだが?」
「いや、違うんだ。俺がにつけていた時のエンドラは最も細い刀でガンドラもここまで威圧はなかった」
「そういうことか」
ヘルムで顔が見えないのが殘念だが聲からしてし笑っているのがわかった。
「どういうことなんだ?」
「本當の意味で主人であること認めたということだ」
何それ…って事はつい最近までは主人として認められていなかったって事??
「そ、そうなのか…」
「真の主人になったのは喜ばしい事だが、どうするのだ?」
「あ、たしかに」
そもそもなぜリベリアルがエンドラとガンドラをいだのかと言うと、覇王の再來、なんて言われて混に陥るのを避けるためだ。
その結果、リベリアルはフルプレートの鎧をにつけて代わりに俺がエンドラとガンドラをにつけることになったのだが……
「1つ考えがあるのだが良いか?」
「ん?」
「げば良いんじゃないのか?」
「そ、そうだな!」
やべぇ……に付けるのが大前提で考えてたわ……固定概念って恐ろしぃ……
結局俺はかなり前にカルダド王國の服屋で買った冒険者のような姿のまま國へ帰ることにした。
正面の門には國するときにお世話になったオッチャンが立っていた。
「よぉ兄ィ…… 國王様ッ!」
「大丈夫だよ、前まで通りに接してくれて問題ないから」
「いえ、立場上そう言う訳には行きませんので……」
「そうか……」
このオッチャンくらいは前まで通り接してしかったと思っていたのだがどうやら無理らしい。やはり國王になると言う事はそれだけ威厳を保つべきなのだろうか。
「國王様失禮ですが隣の騎士のようなものはどちら様ですか?」
「私の名前は、リベリ……」
俺は慌ててヘルムの上から口を塞ぐ。
「コイツは、俺の護衛だ!気にしないでくれ」
「そ、そうですかわかりました……」
「じゃあ、失禮するね!」
「はっ!お気を付けてっ!」
リベリアルの口を塞いだまま路地裏にり込んだ。
「ダメって言ったよね!?」
「うむ。バレていないではないか?」
コイツ……
「次からはあんなの無しにしてくれよ」
「承知した」
なんとか無事に王宮にり國王室まで戻ってくることができた。椅子に腰をかけ一息著いたところで俺はあることに気づく。
「【ゲート】使えば何も心配することも対策することも無かったんじゃねぇか……?」
コンコンーー
國王室の扉が2回軽くノックされた。
「どうぞ」
聲をしだけ変えてそう言う、するとそれに反応するのように扉が勢いよく開かれた。
「失禮する。ユウスケ殿やはりあのクエストで話し合いたいことがある」
國王室にって來たのはギルド長だった、俺は無言でギルド長に椅子を勧めて話し合うことにした。
「それで話とはなんですか?」
「その……ユウスケ殿の力を信じていない訳ではないが國王という立場もある以上単で攻め込むのはし心配だ、なのでこちらでSS級冒険者のユニットを2つ選抜させて貰った」
ん?あぁ……まだ1日も経ってないからクエストに出発してないと思われているのか。
「いえ、大丈夫ですよもう終わりましたので」
「うむ、では早速紹介させて貰おう……ん?今なんと?」
「ですから、もうクエストはすべて終わりましたよ。ただ、アスモデウスは戦う前に姿を眩ませてしまったのでそちらのクエストだけはまだ完遂してはいませんが」
「え…それって……まだ1日も経ってないと思うのだが……」
「まぁ……し急ぎましたので」
「急いだ…か。萬一にも噓などついてはいないと思うが何かヤツらの元を判明出來るようなはあるか?」
どうやら、常識はずれの速さでこなしてしまったため疑われてしまったようだ。心外ではあるが、現狀このギルド長は國王になった後も態度を変えずに居てくれた人の一人である。そんな彼の言葉を反論で返すのではなくしっかりとした応えを返そうと思いアイテムボックスからヘルムとリベリアルが叩き切った翼と角を取り出した。
「コレで証明になりますか?」
「うむ……ギルドの方で一度鑑定させてもらうことにしよう」
「よろしくお願いします」
「では、一旦失禮する」
「はい」
ギルド長は部屋を後にしてアイテムの確認をするべくギルドへと向かった。
次回の更新予定日は3/5です!
これからもよろしくお願いします!
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