《世界がゲーム仕様になりました》共闘2日目

あれから々落ち著いて話すことも特になくなったので、全員部屋から追い出した。

これ以上弄られてたまるか。

「・・・なんか、ようやく肩の荷を降ろせたって気分だ」

気付いて無かっただけでずっと気が張ってたのかもな。

さて、今度こそ寢よう。

この日、久しぶりに寢付きが良かった。

寢付きは良かったのだが、翌日の朝は寢覚めがものすごく悪かった。

というか眠い。起きたくない。きたくない。いや起きるけど。起きますよ?でもあと10分、いや5分だけ。

とまあ眠気に負けて二度寢したが最後、起きたら見事に集合時間3分前。

とりあえず顔洗って歯を磨いて著替えて部屋を出た。

集合場所の食堂に著いたら、流石にみんな揃ってたし朝飯も食べ終わってるみたいだった。

サンドイッチとコーヒーを頼んでから席に著いた。

「珍しく起きるの遅かったな」

「二度寢のに負けたんだよ」

誰しも覚えのある覚なので苦笑いと共に納得と共を得た。

俺のせいで時間が過ぎてしまっているので手早く今日の予定を確認して、みんなには出発の準備をしてもらう事にした。

みんなを見送った辺りでサンドイッチとコーヒーが屆いたので、それらを引っ摑んで俺も準備の為に部屋に戻った。

食べながら準備を進めていき、し落ち著いたところでコーヒーを飲む。そのサイクルを何度が繰り返せば、殘るはコーヒーだけに。

端末で報やステータスを見ながら飲み干し、ゴミを捨てて部屋を出た。

再び食堂に戻ってきた頃には男2人は戻ってきていた。

「やっぱお前らは早いな」

「「お前には言われたくない」」

「なんで?」

「飯は?」

「食った」

「準備は?」

「もちろん終わってる」

「早過ぎだろ」

「別に普通だ。それより南雲、ちょっといい?」

「おー、なんだ?」

昨日の検証で殘っていた人に強化が掛けられるかどうかを試すための実験臺になってしい旨を伝えた。

一応、自分に掛けた時は問題なかった事やリスクもほとんど無い事も説明しておいた。

快く承諾してくれたので、戦闘の時にでも試してみようと思う。

雅人には例の『憤怒』のスキルの検証をしずつ始める事を提案してみた。

しかし、制できる自信がないとの事で保留になった。

それから、今日も単獨行する事を伝えると、雅人から反対された。理由を聞くと危ないからだそうだ。

その話は昨日も白亜としたし説得も終わってるからと言ったら

「白亜さんがオッケーしてもオレがオッケーするわけじゃないからな?」

「え、違うのか?」

「ちげーよ!?」

とこんなやり取りがあった。

隣で聞いていた南雲に笑われたが、こっちは大真面目だ。

とはいえ反対されたもんは仕方ないので今日は大人しく全員で行する事にした。

それでもやりたい事ができなくなったのは腹立つので腹いせに雅人をいじりながら陣を待った。

全員が揃えば面倒ごとが起こる前に即出発した。

今日の予定は南雲と上月が2人だけで安全に戦えるようになる事だ。

2日目でその目標は高すぎるんじゃないかと言われたが、本來は最初から2人のはずだったんだから早いに越した事はないし、俺たちが居るから大丈夫という意識も定著させたくなかったのでそれを話して押し通した。

というわけで初っ端から2人で戦わせてみた。今回は昨日と違って死にそうにでもならない限り手助けはしない事にしている。もちろんこれも全員の共通認識だ。

白亜にはものすごく反対されたし文句も言われたが、ヒーラーが居ないとはそういう事だと言って黙らせた。

初戦は昨日よりスムーズなきで倒して、さほど疲れた様子もなく戻ってきた。

しかし2戦目、3戦目と重ねるうちに疲れできが鈍り被弾も増えてきた。

南雲の頼みで索敵を全開にしてるのが仇となってほとんど休憩が無いのが原因なのだが、南雲の意図はよく分かる。

もし大量の魔に囲まれでもしたら、そんな想定でもしてるんだろう。

「近いうちに俺たちもやった方がいいかもしれないな」

「何を?」

「今2人がやってる事」

「ちょっと、そんなの危ないじゃない」

「だからやるんだよ」

聞かれたついでに今やってる事の意図と想定している狀況を俺なりの解釈で話した。

當然のように反対されたが、何事も想定してやっておくべきだと主張し、説得し続けたら納得してくれた。

馴染2人曰く、俺がここまで譲らないのは珍しいから仕方なく、だそうだ。

俺が限界だと判斷した辺りで休憩をれて、今度やる時の參考のために南雲に想を聞いてみた。

「そうだな〜、どれだけ強くても疲れるほど小さなミスが命取りになるって事は分かったかな。接近する奴は特にだ」

「それは當たり前じゃないか?」

「まあ自分の強さの適レベルで戦ってたらそうだな。おれが言ってるのはそうじゃない場合でもって事だ」

「なるほどな。格下にも疲れてたら殺されるって事か」

「そゆこと。大事なのは力もだけど、一番は集中力だな」

これは良い事を聞いたかもしれない。今後もし格上と戦う羽目になったら、まずは力を削るところから始めよう。

もちろん瞬殺されない程度の力量差だったらってのが前提だけど。

一度休憩をれてからは、南雲達が2人だけで戦えるのも十分に確かめたから6人全員で戦った。

といっても、ほとんど雅人と南雲が片付けて俺が取り逃がしの処理をする。というサイクルが5戦目辺りから確立してしまったが。

それでも時々遭遇する魔の群れに対しては総力戦で戦った。

幸いなのはここまでこの前の赤の熊のような奴に遭遇していない事か。

戦ってる合間に実験がてらやっていた南雲への強化魔想を聞きながら改善策を話し合った。

キリのいい所で學校に戻って晩飯を食べていると、來客が現れた。

「あれ?ナイスタイミングじゃん!」

「いや、何がナイスなんだよ。緑葉」

「依頼の品が出來たから連絡しようと思ってたとこだったのよ」

「・・・あ〜、そういやしてたな。依頼」

「忘れてたのね。まあ良いわ!とりあえずはいこれ!」

「おー、後でな。飯食わせろ。そしてお前の紹介もさせてくれ鍛治師さん。そろそろ皆の視線に耐えられない」

「えー、わたしは面白いからもうしこのまま続けても良いんだけど?」

「俺が面白くないから。・・・というわけでこの前偶然出會った鍛治スキル持ちの緑葉柚木。り行きで依頼する羽目になったから忘れてた」

「噂の極悪人に依頼を強要した鍛治スキル持ちの生産職です。どぞよろしく」

「黒鉄くんは極悪人じゃないもん」

そこわざわざ突っ込むのかい?スルーで良いのに。

つーかマジでどこまで広がってんだろ?

「あーっと、ごめんね。そんなつもりで言った訳じゃ無かったんだけど・・・」

流石に申し訳なさそうに言い淀んだ緑葉の様子に、突っ込んだ本人である白亜もまた揺し始めた。

それに助け舟を出したのは、上月だった。

「緑葉さんだっけ。これが極悪人には見えてないんでしょ?ていうか、極悪人って言い方で噂流れてなかったよね?」

「これってお前、扱いはやめてやれよ」

ありがとう南雲。その言葉に俺は救われたよ。

「なはは、この人が極悪人なら、世の中極悪人だらけに見えるかもねー。でもわたしが聞いた噂は極悪人で間違いないよ」

「とうとう尾ひれが著いたって事かよ」

「いやいや、呼稱が変わっただけで尾ひれは著いてないだろ?」

「え、もう俺の噂の話はどうでも良くね?今関係ないし」

「「・・・そうだな」」

「んーとにかくごめんね。要らないこと言っちゃって。それとそっちの紹介は大丈夫だから。みんな有名人だし、わたしでも知ってる人ばかり」

だろうなー。男共に學年でトップクラスの人気を誇るメンツの集まりだもんな。

うーん、今更だけど俺だけ浮いてるよな。

俺が圧倒的にこのパーティの顔面偏差値下げてるし。

「そういう事ならいいか。さてじゃあ改めて、とりあえず飯食おうか」

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