《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》唐突に転移させられたのはなんでですか?
――きりぃつ、きょーつけ、れぇい、おなしゃす――
學級委員のやる気のない號令のあとに、クラスメイト達のやる気のない挨拶が続いて、これまたやる気のない教師のだるそうな授業が始まる。
高校生にもなると、みんな手抜きの仕方などよく分かってくるものだ。なくとも俺はそういうものだと思ってる。
とどのつまり、俺は授業を真面目にける気などないので、教師に見えない位置にそっとスマートフォンを設置して通販サイトを開いて今現在進行形でネットショッピング中である。
通販サイトの購履歴の欄にびっしりと並ぶ発送済みの商品たち。このじなら、こいつらは全部明日には屆くだろう。
來週の週末に新たに屆く商品たちをら選ぶためには長時間の味が必要なので、今こうして授業の時間を削ってまで通販サイトとにらめっこをしているというわけである。
どんな商品を買おうかと期待と興をに抱きながら、このくだらない授業が完全自習になってなんでもし放題! という狀況になってくれることを願う。
ついでに學校の課題もなくなってくれることを願う。
なぜなら、もうすぐ春になるこの時期、俺が一番期待するこものは春期アニメだが、それを見る前に消化しなくてはならない未消化の冬期アニメがまだ多く殘っているという重要な課題もあるからだ。
その為にも早く帰宅してオールでアニメを見漁りたいところなのだが、やはり、早く終われ終われと思うほどに時間は長くなっていくわけで。
授業が終わる頃には、俺は完全にぐっすりと眠っていたようだった。
「おい、とっとと起きろよエイジぃ」
クラス委員の健太郎が起こしに來たが、話すこと自が億劫なので俺はそれを無視する。
「……おい、寢たふりするなって。今から全校集會だから、育館に行くぞ」
クラス委員という厄介な仕事を引きけたばっかりに、俺みたいな暗なやつの面倒も見なくてはならないとは。やつも苦労人だねぇ……誰か何とかしてやれよ。
「お前が起きれば片付くし、俺がわざわざこんなことをしなくてもいいんだけど、なっ!」
「ひぶっ!?」
健太郎の聲が力んだので、俺は何事かと思って顔をあげようした。すると、唐突に橫腹に強い衝撃が走った。それが健太郎の蹴りによる衝撃だと気づいたが時既におそし。俺のは大きくバランスを崩し、床に倒れていた。
何事かと思うと、頭上には額に青筋を浮かべながらこちらを睨む健太郎クラス委員
「そして一番何とかすべきなのはお前なんだけどな……」
……おやおや、うっかり思ったことを口に出してしまっていたようだ。俺が椅子ごと倒れたのもそれが原因だったりする?
「……はいはい、わかったわかった。行くよ」
無言でこちらを睨む健太郎の圧力に耐えきれず、渋々ながら承諾をするしかなかった。
「ったく、最初から素直にそうすりゃあいいだろうが……」
個人的には今夜の夜戦のためにももうし睡眠を継続してとりたかったのだが仕方ない。育館で続きの睡眠をとるとしよう。
校長ハゲよ、今日の話は俺が寢てても教師に何も怒られないくらいに、生徒全員が気絶するようなやつを頼む。
……とにかく今日は家に帰ってアニメ見る。
◇◇◇
「……であるからして、……が……であり、生徒諸君は……を……し、……く……しく生活するように」
最初はふつうの挨拶だったはずなのだが、俺の意識が覚醒し出した頃には、もうお説教のようなものに変わっていた。
一瞬だけ顔を上げて周囲を見ると、全校の半分以上の生徒が既に育座りの狀態で俯いている。
……校長ハゲよ、良くやった!
ここまでやってくれれば、教師は俺だけを職員室に呼び出して叱るだなんてことはしないだろう。
集會のたびに仮眠を取って教師に目を付けられる俺としては、今回のような素晴らしいつまらない話をいつもしてくれることを願う。
――校長先生、ありがとうございました。これにて全校集會を終了いたします。他に連絡のある先生方はいらっしゃいますか?――
さぁ、帰宅まであとし。早く終われ、終われ終われ終われ終われ! アニメと嫁が待っている! 帰りたい、帰りたい、理想の我が家が待っている!
このあと駐場まで全力疾走して帰りの混雑を回避、その後、先程の授業中に新たに購した商品の振込のためにコンビニに行かなくてはならないんだ。こんなところで潰していい時間なんてない!
―ザァァ……ズザッ、ザー……―
はぁぁ!? なんだよ、このノイズ音? マイクトラブルか? 要らないことで時間食わせるなよ、全く……
『あー、まいくてす、まいくてす。聞こえてるですかー?』
ん? こんな喋り方の教師うちの學校いたか?
聲もなんかいし。
周囲がざわつきが気になったのでゆっくりと顔を上げてみると、マイクを持ってたっているのは・・だった。
そう、・・。
……は?
いやいやいやいや、なんで高校にがいるんだよ、この場にいる全員が困顔だよ、どこから湧いスポーンした?
聲をあげようとしたが、から息だけが吹き出すように抜けていき、も何故かかすことが出來なかった。
どういうことだ?
『さぁ、大変急ではありますが地球の方はこの手のいが大好きだと常々お伺いしておりますので、助けを乞いにやってきたのです』
地球の方々?
助けを乞いに?
何を言ってるんだ、この。
『細かい説明は私の世界でするのです。とにかく今は私の世界に転移させますから、かないでくださいです』
いや、そもそもけないし、喋れないから?
おいおい、なんなんだよこれ……これじゃあまるで、異世界転移モノの始まりのシーンみたいじゃないか……
『さぁ、行くですよ……世界移ワールドムーブメント』
突然にが浮遊に包まれて、その恐怖でずっと目を閉じてしまった。
そしてだんだん意識が遠のき……
◇◇◇
フラッシュのようなで目が覚めた。瞼を閉じていても眩いが目に差し込んでくるので、みんながみんな目を手で抑えたり、瞼を極限まで閉じたりして目をに慣らしている景が、周囲のうめき聲とれの音を元に脳で再現ができた。
『さぁ、皆さん著いたですよ!』
著いたは著いたでいいんだけど、ここ一どこだよ?
「お、おい、ここは一どこなんだ!?」
あ、ちゃんと代わりに聞いてくれるやついた。
『ここは私の擔當する世界、ハルケミナの神域なのです。そして私はこの世界の神、イリアなのです』
なんと、なのですさんは神様だったのか。
……って、いやいやいや、そんな簡単にけれられる話じゃないでしょうに。
『さぁ、著いたので説明をさせてもらうのです。まず突然の召喚にも関わらず、皆様が來てくださったことに謝激なのです』 
「い、いや、俺たちはこんなところに來たくてきたわけじゃないぞ!」
おう、その通りだぜ。俺はまだまだ見なくちゃいけないアニメが殘ってるし、け取らなくちゃいけないグッズも沢山あるんだ。こんなところで暇を潰している時間なんてない。
『この召喚は、あなたがたに明確な拒む意志があったら起しないのですよ?』
明確な拒む意志って……そんなもんあんな突然に転移とか助けろとか言われて事の見込めるわけないだろ、こいつ。
「はやく元の場所に返してよォ」
「そうだそうだ!」
「そもそもなんなんだよ、転移とか助けろとかって」
『それを今から説明するのです! 単刀直に要件だけ先に言うと、あなたがたに勇者となってもらって、この世界にいる8人の魔王を倒してほしいのです!』
……俺も単刀直に言わせてもらおう。
「いいからとっとと家に返せやァァァ! 三次元のロリにゃあ興味ねぇ! とっととズラかれこのクソアマ! 魔王? そんなもんおめェ神様なんだったら自分でなんとかしやがれよ! 予定を狂わされたヲタこの俺クの怒りをなめんなよ、ゴラァ!」
……その場にいた全員がドン引きしてるけど俺は何も気づいていないふりをして靜かにその場に座った。
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