《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》なんか僕だけ桁が3つ違うんですが?
俺が靜かにその場に座ると、3次元神?が頭を抱えて唸り始めた。
『……う、う、このヲタクソ野郎がァァァァ! あなたみたいな、『異世界行ったら俺主人公だから』って考えてるクソ野郎が多すぎるせいで、私は追加の召喚を要求されたのですよぉぉぉ!?』
うわぁ、八つ當たり來たァ。この場だと八つ當たりは、理不盡に呼び出された俺に與えられた権利であって、このにはないと思うんだけど。
……俺、主人公になりたいとかいうポジティブシンキング野郎じゃないんだけどな……ネガティブにステータス振り切ってるから。
『馬鹿な勇者共が『俺は強いから大丈夫』とか言って、そのままどんどんパーティが全滅。最弱の魔王すら倒せないのは、クソヲタたちが俺TUEEEE脳なせいなのです……そう、私が悪いわけじゃないのです、地球の神が悪いのです……あなたたちを私によこした、地球の神が悪いのです!』
が言っていることを半聞き流しながら、俺はどうすれば元の世界に帰ることができるのかを考えていた。
あいつの言ってるヲタクソ野郎ってのは、典型的なファンタジー頭の奴らのことで俺は當てはまらないと思うんだけどなぁ……
いや、待てよ? ここでそういうことにしておけば、俺元の世界に返してもらえるのでは?
だってそういう奴らじゃない人材を求めているわけだし。うわお、なんと妙案。
冒険とか戦いとか、そういうのって好きじゃないんだよね。いや、ちょっと言い方に語弊があるか。正確に言うと、ラノベやアニメで見るくらいならいいけど流石に自分からやりたいとは思わない。
だって家に帰ったら天國ギャルゲや極楽萌えアニメに直行して、息をするように部屋に飾られている部屋で待ってくれてるフィギュアたち嫁や妹たちをでるという生活をしている俺に、ファンタジー要素は不必要だろう?
そりゃ、嫁達の前でかっこよくいたいという俺の願が時折浮かぶこともないことはないけども。
それでも、嫁たちは俺の心の中にいつもいてくれるから、妄想の中で嫁たちに自分のカッコいいところをスッと見せて惚れ直させることなど、いとも容易く出來るさ。そう、妄想の中で。そうだろう?
……おい、今そこの『キモっ』って言ったヤツら、後で全員職員室な。先生、心の外部から攻撃されるのに弱いんだ。いじめは良くない!
『さぁ、黙ってないで出てくるのです、クソヲタク。私がこの場で引導を渡してやるのです』
あらら、さんキレちゃいましたか?
『ちょっとその辺の方々、先程んだあのヲタクをつるし上げてくれませんか?』
目の端に涙を浮かべ、怒聲を上げながらこちらの方を指さす。
……やめなさい君たち、ちょ、ちょっと何をしているんだい? おい、やめてくれよ比留間くんっ、なんで君は俺のことを擔いでいるんだい? おい比留間、止めろ、止め、比留間ァ!
「こここ、このひとだよぉ!」
き、貴様ァァァ! クソ神3次元にいいところ見せたさに俺を売りやがったなぁ!
おい、比留間っ、お前言ってたじゃないか、「どぷふぉ、やっぱりは2次元に限るでござるなぁ! ロリきょぬーサイコー!」って!
完全に趣向が同じではないといえ、俺のことをよく理解してくれているやつだと思っていたのに!
これじゃ、俺が全校生徒に公開処刑されてるみたいじゃないか……ヲタクの中でもな俺になんて恐ろしい事を……恥ずか死んじまうぜ。お前復讐対象だかんな、分かっとんのか。
『さぁ、今からあなた達に神の制裁を下すのです……この世界に來てしまった以上、あなた達を裁く権利が私に與えられています……ふふふ、この私に喧嘩を売ったことを後悔させてやるのです』
俺ただ元の世界に帰りたいだけなんだけどなぁ……
『大抵ヲタクソ野郎は、こちらに來ても勇者の中では並スペック。所詮あなたも雑魚勇者のひとりなのです! さぁ、ステータス、オープンなのです!』
がそういうと、その場にいた俺たち全員の目の前に青くき通る明な板が現れた。
『うわ、なんだこれ?』
『フォーっ! 異世界パネェ!』
『え、攻撃-2って何っ!?』
『てか異世界ってなに?』
『……わからん』
突如現れたその板には『ステータス』や『プロフィール』などの文字や、それに準じた數字がびっしりと書かれていた。
……あー、はいはい。異世界転移モノあるあるー。
最初にステータス確認させられるー。そして最近のやつだとあれかな、意外なところで使える謎スキルみたいなのをひとつ貰えるとかそんなじかな。
……すこぶるいらない。
ステータスとか見なくていいからとにかく家に返してしいんですが。
『クックック、これからの旅で二度と宿屋の一室に引きこもって出てこれないくらいの神的ダメージを與えてやるのです』
俺に暴言を吐かれたことに対する一杯の犯行なのだろうが、元から自のスペックなど気にしない俺からしたら、どんな容でも関係ない。というかまず要らない。異世界行きたくないもの……
一杯の悪人顔でこちらを見つめる。そのの、まるで今にも燃えそうな赤い髪が逆だっている。
なんなの、あの髪。気分と同調してくんですか、一本一本が生きた細胞なんですか? 働きすぎだろ、細胞。
そんなことはお構い無しに、は俺の方へとステータスを確認しようと歩み寄ってくる。
「……ごふっ……あ、ありがとな、映士……拙者謝してるよ……が自分からこっちに歩み寄ってくるなんて……拙者の亡骸はすべて拾って、世界中のの飲みに末狀にして混ぜておいてくれないか? 拙者はもう長くは持たん。同士人形の玩者ドールマジシャン、頼んます……」
「……あー、勝手に死んどいてくれ。俺まじそういう3次元カオスは無理だから」
気の悪いセリフを吐いて俺のことを抱えていた比留間が地面に膝をついたので素早く降りる。
「……しゅあわしぇ……」
またも気の悪いセリフを吐きながら、比留間は口からを吐き、鼻からを吹き散らかして倒れた。
『比留間ァァァァ!?』
『逝くなぁァァ!』
『おぃぃぃぃイイッ!?』
『きゃぁぁぁぁぁっ!?』
と、何故か彼の事を悼む聲が聞こえるが、出多量の彼にその聲が屆くのはかなり先のことだろう。もう意識が飛んでいる。なんて幸せな顔で寢ているんだこの豚は。
『ん? なんで豚さんが転移者に紛れてるですか。誰か家畜を教室で飼ってる人でもいたですか?』
道中の他の奴らのステータスを確認しながら歩いてきていたが、唐突に暴言を吐いた。
「……ごほうびぃ……」
もういい比留間。起きるな。気を失ってまでキャラを通し盡くさなくてもいいんだ。
『さぁ、豚さんは放っておいて、こいつのステータス確認なのです。ここに來るあいだに見た人達のスキルスロットは平均3個とかなり多めでしたが、いつもヲタクソ野郎共のスペックはそれ以下なのです!
対人関係を極端に薄くした奴らは総じてスロット數がない! さぁ、貴様が異世界最弱として名を馳せる時が來るのですっ!』
あれ、さっきヲタクは並とか言ってなかったっけ? 彼の中ではそのへん割とどうでもいいのかもしれない。
しかし、その『スキルスロット』っていうのでだいたい強さの判別がつくと。みんなは3個くらいって言ってたか。
俺はそのまま板にスキルスロットの評価がないかを探す。
『さぁ、あなたのスキルスロット數は!』
「……これって、數がないほどいいってことか?」
ゲームはギャルゲしかやらないから、スキルは分かってもスロットが分からない。パチンコと一緒にあるやつ? ってじに何なのかが不明だ。ただ數字で幾つありますよーって書いてあっても意味がわからないし。
『ふっ、なになに、あー、ハイハイなのです。思ってた通り最弱ですです。1000って……え?』
板の上に書かれている俺のスキルスロットとやらの數を見て、目を大きく見開く。
『せ、1000っ!?』
俺のスキルスロットとやらの數を見たは、まるで腰が抜けたかのようにその場に倒れ込み、しばらく起き上がることは無かった。
に目の前で泡吹いて倒れられると、俺のイメージダウンに繋がるからやめてしいんだよね!
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