《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》スキル名があからさまに強そうなんですが?
『う、噓なのです……あんなヲタクソ野郎なんて、フィギュアや抱き枕であんなことやこんなことをしまくるようなヤツらなんて、一つ一つものを大切にすることなんてないのです……このシステムは改良が必要なのです。よし、ヲタクは召喚しない、召喚しない、えっ、そんな細かく作れない? ヲタクの特定が難しい!? そんなこと知らないのです、なんとかするのですよぉぉぉぉ!』
気絶から復帰したが言うには、地球に置いてきた、本人が『大切な』と心から思っているの數だけスキルスロットが用意されるらしい。
あとスキルスロットってのは持てる異能力の數を示してるんだそうだ。要らないなぁ、1000個も……
ちなみにこのシステムは、スキルという能力で『大切な』から離れる悲しみを埋めようという、先代の神とやらのセコい考えで考案されたらしい。んなもんで心のが埋まるか。俺の紅羽、黃羽フィギュアを返せ。あとすこしで屆くところだったのに。
それにしても『大切な』か。に覚えがありすぎるんだが。聞いた瞬間なんでこんなに多いのか察しがついてしまった。
嫁や妹たちフィギュアはすべて汚れや傷がつかないように、真空ケースの巣に大切に保管しているし、ほかのグッズなども1つ1つサイズにあった保管ケースにれて丁重に扱っている。
……だってねぇ、自分の嫁たちが汚れてるの見たくないよね。オイラ潔癖癥だから。嫁達に対してだけだけど。
まぁ、そんな當たり前のことは置いておくとして、スキルスロットなんていらないのでとにかく家に返してしいんですが。スキルスロット皆にあげるから家返してー。
が目を覚ました時にスキルスロットについての説明の要求をしたのだが、『んなもん、スキルを付與セットできる空き欄スロットに決まってるのです。クソヲタ野郎の分際で私に話しかけてくるななのです』と、半ば投げやりな回答をされてしまい、仕方なく比留間をたたき起こしてその容を説明させたのでに大して限りない不信が募る。
『では、今からスキルスロットにスキルをセットしてってもらうのです。ステータスボードに【スキルガチャ】という欄を用意したので、それを地球のみんなが大好きなソシャゲの要領でスキルを引いていくのです』
うん、今度はとっても適當で分かりやすい説明をありがとうございます。要するにみんながガチャを數回回すだけでいいのに対して、俺は1000回回さなくちゃいけないんだね、クソめんどくさ。
「……おい、早く家に返帰してくんない?」
『あー、その辺り怒り心頭で言い忘れていたのですが、魔王を全員倒さないとこの世界からは帰れないのです』
「……は?」
『今までの人たちも同じこと聞いてたですけど、こちらとしては地球の神に許可をとってあなた達を召喚してるので、地球の神がまたあなた達の帰還を要請しない限りあなた達が帰れることは無いのです』
『それがなんで魔王倒してからなんだよ!』
『地球の神呼んでこいやぁ!』
『調子こいてんじゃねぇぞ、おらァ!』
あ、不良集団マザコンたちが騒いでる。ママンたちと會えなくなることがそんなに悲しいのか。
いやいや、それよりも! 魔王倒さんと地球に帰れないってどういうことよ?
八人いて、今まで最弱の魔王1人すら倒せてないんだろう? そんなもん神様(笑)がさっさと出てってみんな討伐すりゃいいのに。本當にこの世界の神様だっていうんだったら。
というか容ブラックすぎるだろ、死ぬ可能もあるのに任意じゃない転移でしかも敵全部倒せって……あれはラノベの中だから許される行為で現実で許されていいものじゃあない。
『そんなもん自分で倒せばいいだろうが!』
あ、また誰かが言ってくれた。ほんとその通りなんだよなあ。
『倒せたら最初から呼んでないのですよ! 奴らは封印されている魔神と鬼神の加護をけていて、私の攻撃は全く効果がないのです。まぁ正確に言うと私の攻撃が皆無だという問題もありますが』
膨れ顔でそういう。なんだよ無能かよ。
そう思っての方を見ると赤く燃えるツインテールが左右別々に蠢いている。
……さっきから思ってるんだけど、あの髪のやっぱ生きてね? なんのためにいてんの? 省エネに行こうよ。
にしてもどうしても魔王を倒さなくちゃ元の世界に帰れないと。鬼畜かよ、異世界転移モノの主人公達まじイケメンかよ、すごすぎるわ。
いらない報といる報が瞬時に脳で整理出來ている主人公様たちにはつくづく服しまする。
倒さないと帰れない、しかし誰も倒せるやつがいない。
神は手を出せない。あれ? そもそも魔王たちは何をやって神に目をつけられてんだよ。
「おい、。魔王たちが一何をしたっていうんだ?」
『『『それなっ!』』』
今回は誰も聞いてくれる人がいなさそうなので自分で聞いてみる。そこまで都合のいいモブ屬の人達はいないようだ。それなっ! の大合唱が聞こえた。
俺のようなヲタク屬を持ってると、自稱神のとこういう風に絡めるぞー。まぁ、3次元に一切の興味がなくなるという代償をそんな奴らが払えるかといえば払えないと思うけど。
そんなことを頭に浮かべていると、が返答してくる。
『この星の人族の殺、そして我々神の集まりの中で悪神認定されている魔神と鬼神の復活を目論んでいる、というところでなんとしても阻止しなくてはいけないのです』
「魔神と鬼神ねぇ……」
俺も半ばスケールについていけてないんだけど、周囲のほとんどのヤツらが俺より容についていけてないんじゃあるまいか。
『あの2人を封印するのに120年もの時間と100人の神の力を割いたために我々神の力はまだ完全には程遠く、そんな中で封印してから40年目にして魔王たちが2人を復活させようと目論んでいることが分かったのです』
妙に説明口調だなぁ、ゲーム前のチュートリアルみたい。
「しかし、加護をけている彼らに自分の攻撃は効かないから、何度も何度も平和な世界の人間たちを呼び出して、こちらも加護を與えて倒してもらおうってことか」
『……クソヲタ野郎に言い當てられるのは心外なのですがその通りなのです』
うるせぇよ、廚二病。2次元になって出直してこい。てかさっき自分で言ってたろうが。俺がぼそっと呟いた獨り言さえ拾って反応してるんじゃねぇよ。
『とにかく、ガチャを引くのです。スキルを持ってさっさと魔王を倒せば、地球に帰ることも出來るですよ?』
「ちっ、めんどくせぇな……」
『大好きなお嫁さんたちに長期間會えなくなってもいいんです?』
「よし、待ってろ。速攻で終わらせてくる」
嫁たちを待たせるのは家主としてあるまじき行為だ。さぁ、魔王共をさっさと倒して地球に帰ってやる。嫁たちに悲しい思いは絶対にさせない!
……どちらにしろ帰る方法がないのなら急いでそいつらを誰かが倒してくれるのを待たねば。異世界とやらに心地よいねどこを作ろう。木彫りの嫁たちを作ろう。
『……ちょろいのです……ふふふ』
が何かをぼそっと言ったようだが、よく聞き取れなかったのでスルー。
その後は誰にも目をくれずにただひたすらにガチャを回し続けたのだが、最初にパッとしない能力が出たと思ったら、あとからどんどんエグい名前のスキルがスロットにセットされていった。
その最初のパッとしない能力の名前は『極運』。効果には『運気が常に最大になる』とだけ書かれていた。こういうのって信用ならないよね、悪運に恵まれそう。
その後に出たマジでやばいと俺がじたスキルは、
『超再生(死んだ後に10分1の確率で蘇る。基本的にはステータスが死ぬ前の2倍になる。死ぬ前に得た経験値量が1以上1000以下だと、いずれかのステータスを2乗する事がある。ただし、蘇るとレベルが1になる)』だ。死んでも蘇る、というもの。
これ、極運と組み合わせれば無限に甦れそうな気がしてるんだけどどうだろう? まぁ、ちゃんと極運が発してくれればの話なんだけど。
◇◇◇
やっとガチャを回し終えた頃には、もうは地面に寢転がって本を読んでいた。というか他のみんながもう居ない。
タイトルは……え、『今からでも間に合う! 背をばす簡単ストレッチ』。
……胡散臭すぎだろ。絶対無理じゃん。
は目の前に立つ俺に気づき、あわてて隠すように本を後に隠した。
『やっと終わったですか、イキリヲタクソ野郎』
「名前みたいに呼ぶんじゃない。不名譽だ」
『どうでもいいからとっとと行くですよ。さっさと魔方陣に乗りやがれなのです』
仕方ないので言われた通りに魔方陣の上に乗ると、陣が青白くり、俺のがだんだんと薄くなってきた。
『さぁ、行くですよ。世界移(ワールドムーブメント)』
ここに來る時と同じように浮遊が全にかかり、心地よいそのに包まれながら意識が徐々に遠のき……
◇◇◇
目が覚めるとまず視界に飛び込んできたのは天井の絵。ステンドグラスで作られているらしく、教會の宗教畫を思い起こす。
を起こすと、そこには甲冑姿の中年男が一人たっていて、話をかけてきた。どうやらここはベッドルームのようだ。
「最後の勇者様ですね。神イリア様にお聞きしております。毎回の召喚で最後の方が一番お強いので最後の方と魔王討伐作戦會議を行っております。此度もあなたと共にできたらと思っています。よろしくお願い致します」
話を聞いていくと、彼はこの王國の王國騎士団団長を務めているらしく、死にゆく勇者たちと共に戦ってきた歴戦の猛者だと後から來た部下達が語った。
え、俺が倒すことになってるの? ……ふ、ふーん……べ、別にめんどくさいなんて思ってないんだからね!
彼らが部屋を出て行ったあと、円に魔王攻略を進められるように上げられるかの実験をすることにした。與えられた役割で回避方法がわからなかった以上、このルートで進んでいくしかない。せめてセーブ地點があってやり直しが聞けば助かったんだけど……
『自決(自ら命を絶つ発同時苦しみなく逝くことが出來る。蘇りの効果を持つスキルや魔法の発生倍率が5倍になる)』
『ポジティブ(自分にとって利のあることしか起きなくなる)』
『超再生(死んだ後に10分1の確率で蘇る。基本的にはステータスが死ぬ前の2倍になる。死ぬ前に得た経験値量が1以上1000以下だと、いずれかのステータスを2乗する事がある。ただし、蘇るとレベルが1になる)』
この3つを使って無限蘇生を行ってみる。功する確率は低いが、嫁はいつも俺の心の中にいる。ちなみに極運は常時発だ。
心の拠り所であるフィギュアたちに會えなくなるのは寂しくなるが、嫁たちのために一生懸命やると決めた以上は命を懸けようじゃあないか。いざとなったら本気で逃げるけれども。
『スキル発、『ポジティブ』『自決』』
事前にから聞いていた、詠唱発系のスキルの使い方を思い出して、順番を間違えないように『ポジティブ』『自決』の順番で唱える。
すぐに意識が遠のき、すぐにハッと目が覚めた。……無事に復活することが出來たようだ。
「じゃあ、今の作を『ルーチン(同一工程しかない作業の効率を十倍に引き上げる)』を使って……」
そうして、目覚めた最初の日は、グダグダとベッドの上で過ごしていた。
◇◇◇
チクショウ、前までは俺がちやほやされてたのに、あいつらが來てから俺を呼び出して戦わせることがないじゃねぇか。
ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく!
前までは俺が一番強かったのに、別のヤツが今度から作戦會議に呼ばれ俺は用済みだという。
ありえない、俺より強いやつなんて。俺はLvMAX、要するに世界最強なんだぞ? さいぎょう、ザイギョヴ、オレバザイギョヴナンダッ!
そんな俺がどこぞの馬の骨かもわからんLv1のやつより弱いわけないじゃないか。
……よし、殺すか。俺がこの世界で一番強いんだ。魔王だって、俺が作戦を練って全員倒す。
チヤホヤされるのは俺一人でいい。愚民どもは迷にならないところで命盡きてもらおう。
――明らかに自分勝手な憎悪に囚われたそれは、自のと心の猛りを鎮めるために、エイジの命を奪おうとゆっくりと彼の部屋へと歩み寄っていく――
――エイジが明らかに歴代勇者の中で最強だとゆうことを知らずに――
【完結】前世は剣聖の俺が、もしお嬢様に転生したのならば。
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