《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》ちょっとこれは予想外なのですが?

「あとしすると、馬車がれないところに突するから気をつけてね」

目が覚めると、ちょうどシルティスが聞き覚えのある言葉を喋っている。

いつの間にか眠ってしまったのか、どんな會話をしていたのか思い出せないが、特に何も無かった気がしたのでそのまま會話を続ける。

「え? 暴帝様、食料はどうするおつもりで!?」

「俺もそこが聞きたかった」

何となく既視じて、喋った覚えのある言葉を吐く。

「魔族は違うかも知んねぇけどよォ、俺たちは食事が必要な種族なんだぜ?」

「リースとセイルに食べさせてあげる干し草は……」

「なんか最後のだけ違うわよね?」

全て聞き覚えがあるので訳が分からず、とにかく黙るしかなかった。

「で、どういうことだよ、馬車がれないってのは。と聞いてこないのね? ご主人」

シルティスのその言葉に驚くが、まだ會話は終わっていないので頭の片隅に置いて話を続ける。

「リースとセイルにご飯あげられないのは困るよ」

「まぁ、実際問題そこも含めて言ってるから気にするな、なんとかなる」

何故かそんな気がして言うが、自分の中ではこの言葉にも不思議と既視じた。

「どうにもならないから、誰かが途中に殘るしかないわ」

「え」

「馬の坊やは絶対に殘るでしょうから、うーん、マキナを置いていきましょうか。1番近い街でもバルトラ程度のヤツらがうようよしてるから」

「おいまて、じゃあなんでバルトラなんて低脳かま魔王になれた?」

決まったセリフを履いているかのようで、言葉を吐く口がし重くじた。

「まぁその辺りは、おいおいね」

「なぜ?」

「またあの娘に會えばわかるからからよ」

そういって、先程教えられた南の魔王城がある方向を指さすシルティス。

「食料も、一旦はあの元従者に預けといて、必要な量遅らせればいいわ」

「おいサキュバス、俺はまたお前達と行けばいいのか?」

ヤン兄がし焦り気味でシルティスに質問をする。しかし、またというその言葉には違和しかない。

「ゴートの坊やは分かってるようだからその方がいいわね。ご主人も忘れてるフリしてるならそろそろ思い出した方がいいわよ?」

そういって、シルティスがヤン兄の後ろの方へと歩いていき、何かを摑んでこちらへ投げ飛ばす。

「うにゃァァ!?」

「!?」

「やっぱりか」

ヤン兄のまるでいることが分かっていたかのようなその発言を聞いて、急いで俺は、自のステータス欄のスキル『リプレイ』の能力の詳細を見る。

『『リプレイ』→使用者が死の直前まで陥った時、ある一定の時間まで時を巻き戻す。記憶の保持の有無は定期的に変化する。なお、このスキルの保持者は速水映士のみのため、ユニークスキルとなる』

シルティスは俺のスキルを使用してこの時點まで戻ってきていたわけか。

「ご主人も一緒に毎回巻き戻ってたわよ。今回ばかり流行られ方がひどかったから、ゴートの坊やと『シンクロ』してまとめて戻ってきたわけ。たまたまシンクロの條件がどちらも1度死にかけることでよかったわ」

ふいに目を向けると、そこの茂みから1人の人が姿を現した。

服裝こそこの世界のものになっているけれど、彼は柳沼(やぎぬま)華(とうか)。俺の高校で漫研の姫をやっていた同級生のはずだ。

「おい、柳沼。お前に魔王は倒せないからここで大人しくしてろ」

「にゃ、なんだとぉ!?」

柳沼は俺の唐突の発言にキレ気味だったが、すぐに背後に回って軽く頭を叩いて気絶させた。

最近やっと力加減を覚えてきたので、死んではいないと思うがしばらくは起き上がれないだろう。

……気絶するほど強く叩いてしまったので、彼の脳細胞を多めに死滅させてしまったかもな。もとが馬鹿だから大丈夫だろうけど。

「もう二度とヲタミンとか呼ばせねぇから」

「……まぁ、良かったな」

「さぁ、わかったら早く行きましょうか。今回は覚えているみたいだから移しながら手短に話すわよ」

「おう」

「コウジ、柳沼を頼んだ」

「なんかよくわからないけど、とりあえず了解」

ひとまずコウジに柳沼を預けたし、マキナもいるからやられることはないだろ、多分。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さぁ、ご主人。ここから先は気を張っていくのよ? とは言わなくても」

「分かってる」

ベースキャンプに到著し、すぐに『コネクト』『思考加速』『覚醒』が使えるようにスキル欄を表示しておく。例の化けがいないことを確認してから中にる。オーバーライトさえ使わなければ思考のネガティブ化はある程度防ぐことが出來るのだ。

「今回は中の人間がまだ生きているのね」

シルティスが何回この時間を繰り返してきたのかはわからないが、おそらく今までの俺はこのスキルを使っていなかったのではないだろうか。シルティスが気づいていたのに俺が気づいていなかったとは、けない限りだ。

ヤン兄に風鎧を裝備してもらい、一時的な戦力の増強を図る。ステータスはあくまで數字であり、実力で完璧にカバーされたら俺たちに勝ち目はない。よって數の暴力作戦というわけだ。

「シルティス、分マックスで出しとけ」

道中に把握しなおしたシルティスの分能力を使うように命令しておく。

「さぁ、化けさんよ、今回は簡単にはやられたりしないぜ?」

そう呟き、俺は再び南のベースキャンプに足を踏みれる。

異常な冷気にすくみそうになる足を無理やり奨めながら、先の相手に対してどのような有効打があるのかを考え続けることにした。

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