《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》リベンジマッチと行きませんか? 1
「おお! 魔王を倒した勇者様たちが來てくださったぞ!」
「これでこのキャンプをさらに拡張し前線に押し出すことも夢じゃないですな!」
「カスカ殿、我々も行軍にれてくだされ!」
「聞いていたとおり、魔族の者もこの行軍に參加しているのですな! 敵対関係にありながら我々に協力していただけるとはありがたい限り」
中にるとキャンプ地の人々から熱烈な歓迎をけた。シルティスの報もある程度は知れ渡っているようで、彼が不便になることは無さそうだ。
全員がかなり手厚い歓迎をけたのだが、中でもヤン兄はかなりの集られ様で上げまでに発展しそうになったので慌てて制止する。
「え、なになに、ヤン兄実はお國では人気なの?」
「お國とか言ってんじゃねえよ。俺のお國は日本だっつの。これは俺が今までやってきたことの結果だ」
にやけ顔でそう答えるヤン兄。
……これだけの人があるなら、ヤン兄のスキルの能力をフルで使えるかもしれないな。
「勇者様たちが來てくださったのなら、今夜の戦はもう勝利したも同然! なぜ毎晩私たちを殺さないのかがわかりませんが、いたぶられたのは事実。倍返しで葬ってやりましょうぞ!」
やけにテンションの高いリーダー格の兵士が、聲高らかにそう宣言する。
「……おいシルティス、もしかしてなんだけど、前周回の時にこいつら全員死んでたのって俺達がここに向かってたからだったりしない?」
「その通りだから今回は早めに來たのよ、ご主人」
「やっぱりか」
これは死人を出したらヤン兄は戦力にならなくなるな……質より量なんだから1人でも多くまともな戦力がいてしい。今回はヤン兄にも頑張ってもらわないと。
「これでやっと氷子イースベルを撃退できますな」
「ええ! アイツには散々手をやかされましたからな」
「西を取り戻したこの勢いで南も制圧したいものですな」
おいおい、おっさん達が妙なやる気を起こしてるよ。
というか、あいつの名前『氷子イースベル』って言うのか。
「おいシルティス。イースベルとか言うやつの能力はなんだ」
前回はあんなにもあっさりやられてしまった。イースベルとやらの能力について気になったが、予想がつかないのでシルティスにそっと聞いてみる。
「ご主人は一回使われてるじゃないの。『フォールンダウト』あれがやつのスキルよ」
その能力の中がまったくもってわからないから聞いてるんですけどね……
「その効果がいまいちな」
「ご主人はあれをかけられた時にどうなった?」
「……その場からけなくなったな」
「あとは自分で何とかしてね、ご主人。私からそれを言うことは、前前周回のご主人から止されてるから」
「は? どういうことだか全くわからないんだが?」
「まぁ、そういうこった。そのうち分かる」
「ヤン兄、シルティスと同化したからって々わかったぶっちゃって……」
「実際わかってるからな」
「それ言われちゃうと返す言葉がなくなるんだけど?」
「あー、俺から言えんのは、このサキュバスはこの時間を10回くらい繰り返してて、お前はそれ以上の時間を繰り返してたってことだな」
「俺はその前から周回をしていたのか……」
となると、前々回の俺と今の俺は別人と考えて、何を考えたか前々回の俺は『リプレイ』を使わなかったからそのまま死亡し、シルティスだけが過去に戻った。そして今の俺がまた周回をしていると。
シルティスに全ての報は託していたようなので問題はないと思うのだが、今までの俺が何度も周回して倒せなかったのだ。
今の俺がイースベルを倒すことが出來るかと問われると、正直いって不可能である可能が高いだろう。
それにしても、時間を巻き戻す能力か……自稱神の話を聞いていたじだと、そういう能力まではなさそうなじがしていたんだけど、確認ミスか?
……いや、死ななかったという事実を上書きしているだけ? ちがう、そんなことが出來るなら最初からあのが全てやって終わらせているはず。
まさか、スキルの能力は神の能力や力に連していない? だとしたら神の力とは別のところで力がいていることになるので、神が地上に深く干渉できないという絶対條件はちゃんと守っている。
ほかの能力でもそのようなものがないかちゃんと確かめてみるべきかもしれないな。
なんにせよ、些細な齟齬が生まれても、時間軸の収束で結末が同じになってしまったらそこでおしまいだ。
結末を変えるには世界線を超える、とかだっただろうか。
「ささ、勇者様方、宴の用意が済みましたので宴會の席へどうぞ」
考中にリーダー格の兵士がものすごく高くなったテンションで俺たちを宴席にってくる。
……おいおいこいつら、まだの安全が保証されたわけじゃないのにそんなこと始めやがって。仕方ない、ここは演説タイムと行きますかね。
「まだの安全が保証されたわけじゃありません。宴會は、ここに來るという、そのイースベルという魔族を倒してから始めましょうか」
「なんと!? それは素晴らしいお言葉でございますが、すれば我々は如何様に?」
「一時的にここの外へ避難をしてください。恐らく今晩來るであろうイースベルを我々が迎え撃ちます」
なかなか言っても聞かない兵士達を半ば無理やり外へ押し出すように荷を持ってキャンプを出させ、イースベルが來るのを待つ。
……しかしまぁ、敵さんがそんな簡単にこちらの事を察してくれるわけがないと思うので、しばらく待つのは覚悟しよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……來たわ」
「分かった」
シルティスの知能力でイースベルの知を行っても、こちらとしては戦闘の準備に十分な時間をとることが出來ることが分かっていたので彼に知を任せていた。というか俺が使うと見えすぎてしまうのと、戦闘経験が富でない俺が妙に込みするからという理由があるためにシルティスに任せざるをえなかった。
まるで空の上から舞い降りてくるかのようにゆっくりと下降してきたそれは、上機嫌に喋り出す。
『うふふ、今日は殺してもいい獲たちが來てるのね?』
「お前に俺達が倒せるかな?」
気丈に裝うが、1度は自分が殺された相手。意味もわからず殺されてしまった以上、どう対処していいのか凡人の頭ではそんな簡単に浮かぶはずもない。
『ぺろりと、味しく頂くわ♡』
嬉しそうになくイースベル。それをどのようにすれば狩れるのか。それだけをただひたすらに考えて、俺は目の前の的に向かっていった。
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