《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》數の暴力には勝てなくないですか?

ここまで魔王の領地に深く近づいて來てやっと出てくるということは、相當の馬鹿か、イースベル以上の強さの化けということだろう。

となると圧倒的にこちらの分が悪い……まずこの地帯に住むという時點で、敵が魔族の場合は確定で氷制を持っていると見た方がいいから、今急造した氷の剣の効き目はほとんどないだろう。

ここは急いでキャンプ地に戻ってシルティスを呼んでくるか? いや、流石に離れすぎている……今からキャンプに戻って援護を頼むとしても、その間にやられる可能も否めない。

スキルをうまく使いこなせればいいのだが、何分実戦経験が乏しいことが裏目に出て、なかなかうまく使いこなすことが出來ない。

「おいおい、流石にこれは致命的欠陥だぞ、似非神さんよぉ……」

自分の中で勝手に神イリアを似非神にランクダウンさせつつ、どうするかをひたすら頭の中で練る。

幸いというべきか、敵は俺がかなくなったこの現狀に不信を抱き、一時的にだが近づくのをやめたようだ。

俺の距離からでもギリギリの知であるため、もしシルティスが敵知を使っていたとしても、俺よりも知の範囲の狹いシルティスは彼らに気づくことはないだろう。

相手が不信を持っている今ならなにか音を出して呼ぶこともいいかもしれないと思ったが、相手が様子を伺っている現狀、迂闊に何か助けを求めるアクションを起こすのはリスクが高すぎる。

とりあえず大事に至らないうちに近くにいる奴らから片付けるか。

「やれ!」

んで何かを放つ要領で、覚で無詠唱魔法を発する。

勢いよく飛び出した風の魔法が吹雪をなぎ払い、その先に見えた敵の姿は見覚えのある長の姿だった。

「イースベル!?」

おいおい噓だろ? あいつが生きてた?

スライムみたいに分裂する個なのか? いや、でもそれだとしたらあの時に俺達が勝てた道理がわからない。

分裂するようなやつなんて、が氷じゃなくてに告示しているに決まっている。そんなやつが火でが溶けて死ぬなんていう間抜けをするはずがないが、確実にあの場であのイースベルは死んだ。

……となると、また別の個と考えるのが妥當か。流石にひとりで4を相手にするのは分が悪い。シルティスの能力を使って分しておくか。

「『実態分』!」

とりあえず多すぎても指揮系統がれて困るだけなので、一に2人を當てる方向で7を生み出す。

自分を頭數にれなくては行けない分面倒だな。まあ戦わないという選択肢はないので仕方ないが。分にすべて任せても、実際自分が作業してるのと変わらないし。

さぁ、あとはすごい速さでこっちに向かってきてる足音が見方であると祈ろう。

「……っと、やっぱりついてきて正解でしたね、援護します」

「あー、たすかったわ、ミツアキ」

これで9対4か。數の暴力で何とかなるか?

『さて、勇者さんたちがこんな山奧になんのようかな?』

「そっちこそ、こっちの自由時間奪ってまで出てくる用事ってなんだよ?」

そこ真面目に怒ってるからな? ぶっ殺案件ぞ?

『勇者さんたちが邪魔だからに決まってるでしょ? あっはは、そんなことも分からないなんて、なんでこんな無能にあの雑魚はやられたのかしらねぇ!』

どこからか何者かがずっと聲を発しているのだが、一向に聲の主がわからない。

知の把握上、聲の主は知できている敵達ではないと目星をつけ、返答を求めて問いかけをする。

「お前は誰だ!」

『え? そんなのここの王に決まってるじゃないの。あなた達、無能がすぎるようね。でもそれに嘆くことはないわ。私はいくら相手が無能であろうとも、全力を盡くして戦ってあげる主義だから!』

聲の主がそう発した數秒後、靜寂に包まれたなかで、空からなにかの羽ばたきのような異音が聞こえてきた。

「ほう、この世界では魔は魔族なんですね……」

「おいミツアキ、そんなことに心している場合か!? 百単位でも千単位でもない、萬単位で魔法使い共がやってきてる。正直俺ら2人だけだときついぞ?」

「まぁ、そこら辺はあなたのチートで何とかしてくださいよ」

そう言い放つと、ミツアキは腰の刀を抜いて空へと大きく降る。

「殲滅剣技・滅式」

ミツアキが刀から放った飛ぶ斬撃は、遠くからやってきた魔法使い共だけを狙うのではなく、小高い丘の上にいたイースベルに対しても攻撃をしていた。

「あー、ミツアキ、お前意外と戦えるのな」

「いえ? そこそこですよ」

「あ、そう……」

謙遜も行き過ぎるとウザさに変わるということを彼はそのをもってよく知った方がいい。

「さて、俺もやるか。二式・閃連撃!」

こういう時のためにシルティスに遠距離の剣技を教えて貰っておいてよかった……風魔法だとあいつらただ地面に落ちてくるだけか、數の力で相殺されそうだし。

それにしてもいっこうに魔法使い共の數が減る気配がない。何度も何度も技を放ってるのにどういうことだ?

あーあ、やめてくれよ、前に言ってたことが実現しそうじゃあないか……流石に數の暴力には勝てないよ?

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