《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》なんか効率悪すぎやしませんか?

作戦決行の晩、俺たち一行はそこまでに突き詰めていった作戦の容を何度が確認し直して、山頂の魔王城へと向かった。

エルンの案で俺たちは2つのグループに分かれ、それぞれのルートへと各自移する。

知のスキルによって常に周囲の敵を把握しているのだが、敵知にかかるのは魔王の反応だけで、それ以外の敵対生の反応は一切見つかることは無かった。

視界の端に映るマップの中心に見える赤い點は、城の中を右往左往しているようで、先陣組の的が外れないかし心配になる。

裏道から魔王の元へと向かったはずのエルンたちだが、よく考えると魔王の妹であるエルンがそんなことをしていると分かったら、バレた時に魔王サイドからのお咎めがかなりのものになるのではなかろうか。

あの天然のことだ、必ずここで倒すなどとほざいてあとのことを全く考えずに先走ったのだろう。本當にどうしようもないやつだ。魔神サイドにレジスタンス運をする奴らって、実は大抵みんな馬鹿だったりちょっと抜けてる子だったりする?

うちのシルティス嬢もそうだし、なにか関係があるんだろうか。うん、ないね、しってた。わかってるからその黒いオーラをしまってください、遠目でも見えます。

とにかく俺たちは、先にったエルンたちが魔王を外に追い出すのを見計らって白を破壊。その中にある魔王の魔の心臓部、氷石のコアを破壊しなくてはならない。

【偽・破滅魔法】で何とか破壊できるかどうかだろうとシルティスが言っていたが、よく思えば、その程度のさなのだったらうちの雙剣ちゃんたちで溶斷した方が早いなと思ったのは本の數十秒前だ。

妄想力でなんとかカバーした、それこそ初心者ダンジョンの床を突き破った時の本(?)のヤバいやつよりもはるかに劣る偽だ。破壊力など元から多く持ち合わせていない。

「ご主人、そろそろだわ」

シルティスのその聲で我に返り、大急ぎで魔法発の準備をする。詠唱が必要ないとはいえ、その分多く使ってない今回のような大型の魔法は、集中力を代償にして発される。妄想してる時は集中力MAXだから問題なく出できるのだけど、あのスキルは使うと、使用後の気分が最悪で々あとに響きかねない。ここは自分の力で何とかするしかないようだ。

城の頂上が大きく砕けて、轟音とともにエルンが城の中へと落ちていくのが見える。

『おらおらー、姉ちゃん、覚悟〜!』

気の抜けた、しかし大きな聲でエルンの聲が聞こえた。ここでエルンが南の魔王を仕留めてくれれば萬々歳なんだけど、さすがに無理かな?

『神楽の舞!』

あいつの技はどう聞いても廚二くさい。というかミツアキ、案外君ほかの世界救った勇者っていう設定からくる強さに忠実なんだね、思いのほか戦力になってる。

『『至高神と大魔王の戦火ゾロアスター』!』

ヤン兄が初っ端大技を放っている聲が聞こえる。あれ、俺から吸った魔力使い切るつもりですか?

「さて、俺達もそろそろ行くか。あいつらに一旦引いてもらわないと」

「ええ」

シルティスに了解をとると、大聲でこうぶ。

「『偽・破滅魔法』スピアーオブ、ブラッドサッキング!」

我ながら恥ずかしい名前である。ミツアキに技の名前を考えさせた結果がこれだ。あれ、なんか腹たってきたな、アイツごと城ぶっ飛ばすか。

『あれ、すこしはやくn……』

ミツアキが外に出てくるのを待たずして打ち込む。主人公補正付いてんならよけれるだろ、このくらい。

その俺の期待通りにミツアキは、赤黒く一直線に城めがけて突き刺さる巨大槍を高く飛んで避ける。

「殺す気ですか!? ちょ、殺す気ですか!?」

「あー、ごめんごめん、技名思い出したらイラついちゃって」

「じゃあ帰ればよかったじゃないですか!? 人に考えさせておいて理不盡にも程がある……」

はっはっは、人間みんなそんなもんじゃない? 理不盡に気付かず理不盡して生きてるってみんな。ね? そうだよ……ね?

パキパキと音を立てて崩れ落ちる氷の城を見て、昔家族で見に行った映畫を思い出す。寫真でも撮って姉ちゃんに送ってあげようか。あ、カメラないし送る手段もないや。

『エルン……私をはめたわね……絞首刑よ、公開処刑……』

『あっははー、なんてこったい、氷の魔様は心まで凍てついてたってかー。実の妹からの最初で最後のビックなイタズラにそこまで怒るのかー?』

鎧をまとったくぐもった聲で、エルンが魔王に応答する。

『ここで死ぬ姉さんに絞首刑とかやられる筋合いないんだよね、さっ、あとは頼んだよ、おふたりさんっ!』

魔法陣を手早くその場に書くと、そこにある2人の人を召喚する。

「さぁさぁさぁ、かしてなくてなまってたんですよ! そろそろ出番ないかなぁって待ってたんですよ! マキナ、見參っ!」

「あのー、風魔法でこの周りの空気整えるだけでいいんだよね?」

明らかに出番がなすぎて大きなキャラ改変を起こしてしまったハイテンションマキナさんと、自分の役割をきちんと理解しているけど最終確認を怠らないコウジさんの召喚です。

「『ヴァ二ーノ・ヴェディ』!」

よくわかんないけど、語で魔法んでんだろうなぁと察する。巨大な火の玉を南の魔王にぶち込むマキナ、そしてその消えやすいマキナの火を空気を送り続けることによって永続的に燃やし続けるコウジ。

こと支援に関してはお二人共一流ですね、そのまま僕の役割ついでみんな個々で魔王倒せるようになりません?

『このようなもので私がダメージをけると? あのスライムもどきではあるまいし、片腹痛いですわよ、勇者共!』

あー、流石にこんなに簡単にくたばらないですよね、パーティみんなの経験値をあげようとしたための苦の策だったんだけどなー。

「よっと」

『なっ!?』

軽く一飛びして魔王の眼前へと迫ると、魔王は驚いた顔をして半歩後に下がった。

が、遅い。

「『勇者パンチ』」

『ぬぶっ!?』

らしからぬ聲で、腹パンされて白の殘骸に叩きつけられた魔王に俺はこう言った。

「殘念だけど、アンタを倒すのは俺一人で十分だ」

うん、最初からこうしてればよかったね。でも、旅は道連れだし、みんなに倒してしかったな! なんでみんな魔力切れてへばって広報でシルティスの救護けてるのかな!?

しっかりしやがれよ!?

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