《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》なんで誰もいないんですか?

紋章の回収作業は上手くいっているようだ。このまま行けば魔神オルレウスと鬼神イリガムンの封印が解かれるのもあとしだろう。

人類は進化する。しかし、今の人類に進化の可能は潰えた。だったら、もういちど世界を始めればいい。

その為に、僕はこの地球を作ったのだから。

人に試練を與えよう。人に苦難を與えよう。人に科學を與えよう。人に資源を與えよう。

與えよう與えよう、なんでも與えよう。可い我が子達の為ならば、僕は何度でも、

この宇宙をやり直す。

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眩しい日差しがまぶたの上に當たり目が覚める。

「ん、あぁ、いってぇ……」

どうやら床で寢ていたらしく、の至る所が痛んだ。

「あー……」

なにか長い夢を見ていたような気がするのだが、何も思い出せない。まぁ、大抵夢なんてそんなものかと割り切って、學校へと向かう準備を始める。

イマイチ頭がはっきりせず、ぼけーっとしてしまう頭を冷水で無理やり起こして、遅刻しないように急いで學校へと走った。

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「は? なんだこれ?」

學校のグラウンドには數臺のパトカーが止まっており、學校の中を平気で警察が歩き回っていた。

何故か見つかると面倒だという思考が頭に浮かび、サッと門の外側の植え込みに隠れる。

意味がわからない。何かあったか? 學校からの休みの連絡が來ていたか再びスマートフォンのメール欄を確認したが、それらしきメールは一切見當たらない。

門には厳重に黃いテープがられて封鎖されており、普段自分が通う學校の中を制服姿の警が歩き回る姿はとても不気味なものに見えた。

「……あ、あ!! え!?」

突如なにかに驚いたかのような聲が背後から聞こえ、ぱっと後ろを振り向く。

「ヲ、ヲタミン!?」

「なんだその小馬鹿にしたような不名譽なあだ名は……なんだ、柳沼か」

「ちょ、ちょっといいからこっち來い!」

「は?」

わけも分からずに、スマートフォンを持っていなかった方の手を強引に引っ張られて、俺はその場から離れた。

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「ここまで來れば安心ね!」

えっへんと腰に手を當ててをはる柳沼。辺りを見渡してみると、そこは閑靜な住宅街があった。

まさに「閑靜な住宅街」という表現がぴったりな、スーパー、コンビニ等が全く見當たらない靜かな街並みの真ん中に、元気ハツラツな柳沼と肩で息をする俺の姿がある訳だが。

酷く異質。極めて異常。

ちょっと待て、ここまで來れば大丈夫とはなんなんだ?

「おい、急にこんなところまで連れてきてどういうつもりだ?」

「いやいや、ヲタミンこそ、あの時私を気絶させて放置しといてどういうつもりだったの。目が覚めたら知らない人たちに見られてたから急いで逃げ出しちゃったし。よくあんな酷いことするにゃー」

「は? いや、俺はお前みたいなパリピを気絶させるようなことをするほどリア充を恨んではいないぞ?」

「冗談キツイにゃー、とりまうちに來やがれクソヲタク!」

「ちょ、待てよ!」

再びき出した柳沼に手を引かれ、近くにあった一軒家に立ちる。

家のサイズ的には家族數人で住んでいそうな外観だったのだが、靴は柳沼の普段はいているスニーカーしかなかった。

俺が靴をれるように言われた靴箱にも、同じ會社の別のスニーカーが數個あるだけで柳沼以外の人間の出りがないのかと一瞬不思議に思った。

が、まぁ、うちも大したことは言えないのでれることはしない。基本、面倒くさいことは気づいてもれないに限る。

「さぁ、とりあえず座って」

「ああ」

リビングのソファに言われるがままに座り、キッチンに歩いていった柳沼の背を遠目に見つめる。

再び戻ってきた柳沼は、お盆に急須と湯呑を乗せて持っていた。

「どうぞ」

緑茶をれて出された湯呑を、そのまま自分のところにさらに手繰り寄せ、った覚でまだ溫度が熱いことがわかったので飲まずに置いておく。

「柳沼、質問攻めになるけどいいか?」

「……まぁ、仕方ないか。いいよ、どんどんきいて!」

しだけ暗い顔をすると、柳沼はすぐに明るい表に切り替えて俺に対応をした。

「……じゃあ、まず最初に。學校はなんであんなことになってる?」

育館で全校集會があったことは覚えてる?」

「ああ。やたらと校長の話が長かったなって言うことくらいは。そんないつもあるようなこと気にして生きてないから、すごく印象があるかと言われたら無いが」

「質問1に答え100で返すタイプだね、ヲタミンは……」

「こればかりは分だから勘弁してくれ」

「……とにかく、その日、私たちは先生達も含めてみんな一斉に異世界に召喚されたんだよ」

「……何を言ってるんだ?」

「ほんとになんにも記憶が無いんだね」

「……」

確かに言われてみればなにかぼんやりと、柳沼の言っていることを否定しきれない自分がいることは確かだ。だが、そんな非日常な出來事が1度の人生にそう何度もあって貯まるものか。

……あの日の大量殺が、俺にとって最後の非日常。それで良かったはずなんだ。

「學校からいっせいに人がいなくなって、警察の人が殺到したってわけ。私は異世界で殺されて、この世界に戻ってきた」

「……」

「ほかの人たちは、真面目に転移先の國の人達のいうことを聞いて、ちゃんと訓練をしてから外に出ることになっていたけど、こっそり抜け出した私とヲタミンはこうして戻ってきている」

「……」

「私は死んで戻ってきた、つまり、私の言いたいこと、分かるよね?」

「俺は、異世界で死んだ?」

コクリと首を上下に振った柳沼は、唐突になにか単語をぼそぼそと呟いた。

ヴン、と音がして柳沼の周りに青白いを放つ明な板が現れる。

「まぁ、ヲタミンならラノベとか言う読んでるから、こういうのを1目見てどんなものがわかるでしょ?」

「ステータス、か?」

「そう」

さぁ、あなたが思い出さないとことが始まらない。だからとにかくなんでも質問して、あの世界のことを思い出して。

そう言った柳沼の言葉に何故か応えなくては行けない気がして、俺は日が暮れるまで柳沼にひたすら質問を繰り返した。

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