《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》ヲタクはみんな異能者ですか?

「著いた、ここ。ここが私たち、秋葉原自警団の本拠地」

「自警団?」

連れてこられたのは建の3階のカードショップの奧。その奧には、普通に人が數人で生活することができそうな広いスペースがあった。

……うん、カードショップがあの狹さなのもうなずけるわ。

「ええ。この街には、あなたのように神の、強い人間がよく訪れるから、私たちが、ノアの子を追い払い、安全を確保している」

のたどたどしい説明に、専門用語のようなものも付け足されてしまったために、何が何だか全くわからない。

「いやぁ、ごめんね! ちゃん口下手だからさ! もう、そんなんだからコウジくんにいつまでも振り向いてもらえなかったんじゃあないか」

「カマちょは、だまれ……」

「あ、そうだ、自己紹介まだだったね! 僕の名前は釜田かまた 翔一しょういち。ショウイチって呼んでくれると嬉しいな!」

「カマちょはカマちょでしょ……オカマで、かまってちゃんな、釜田翔一。カマちょほど、的をてるあだ名はない」

「それが不名譽なのよっ!」

先程から目の前でけたましく言い合う2人を、恐らく俺はぽかんとした顔で見つめているのだろう。

釜田 翔一と名乗ったその男は學校帰りに立ち寄ったのか、紺のブレザーを來ていた。

名前からして圧倒的に作られたキャラがすごいが、これで本當にカマ口調が彼の本來の分であったのなら驚きを隠せない。

「さ、さて、僕達自警団の能力を聞きたいんだろう? それにしても、君もあの世界にいたのかい?」

「殘念ながら、俺にはその世界にいた時の記憶はありません」

「……ふうん。もちろん、ステータスは出せるよね?」

あー、疑われてるやつですね、素直にいえばい疑われ、かと言って居ましたと言っても話を合わせられずに疑われ……退路なしですかはい。

「どうぞ」

これで勘弁してくださいという意味を込めて、ステータスを開いて2人へと開示する。

「……なんじゃこりゃ!?」

「えぐ、うわ、きも……」

「あのう、シンプルに傷つくんですけど」

自分がこのステータスのことをどう思って異世界に行ったかは知らないが確かに異常だとは思っていた。柳沼のステータスと見比べれば當然だ。

そのわかっていることを再度確認させられるのだ。ただでさえ能力を持っていることが異常なのに、その異常の同士であるという人達にまで言われるのはし傷つく。

しかし、まぁ、今の反応で7割方本當にあちらの世界にいたということは確定した。

普通、こんなもの見せられたら、まずはこれがなんなのかの反応をするはずだ。でも彼らは真っ先に俺のステータスを指摘した。今は斷定はできなくても、能力を見せてもらえれば1発だろう。

「いや、だって、死んでも、蘇るとか、戦闘、やり直すとか、ありえない……」

ちゃん、これ以上言うのはやめなさいな、僕も正直驚いてはいるけど」

「……あと、サブスロットにカスカのスキルがある」

「……」

全く意味が分からず聞き覚えも無い単語を聞かされて、俺はただただ黙るばかりだけれど、釜田はまた別の理由で黙っているような気がした。

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「じゃあ、そろそろ僕達のスキルを見てもらおうか」

釜田のその聲にはっと我に戻るが、実際に気の抜けていた時間はほんの數秒だっただろう。

「……おけ。『スケイルマント』」

葉がそう言うと、彼の手から1枚の布が現れた。

「オープン」

「うわっ!?」

マントの側から小柄な、明らかにこの世のものではない生き達が10數匹現れ、部屋の中を走くり回る。

「これが私のスキル。モンスターを、この中に、飼っておける。私は、テイマー」

「調教師の一面よりも魔師の一面の方が有名だったけどね」

「あれは、趣味」

「転移魔の名士! とか言われててね、魔王に殺されちゃう前までは王國でVIPだったんだよ、VIP」

事前に柳沼に聞いていたので王國というものの存在はわかっていたが、VIPがどれくらいの待遇なのかいまいち良く分からず、ただその言葉に驚くことしか出來なかった。

「クソジジが、なんか、近づいてきただけ。それ以上、変な事言ったら、地中に転移させる」

「あー、それはやめてもらえると助かるかな、もうおちょくるのやめるから……」

すっかり意気消沈した釜田がし気の毒に思えた。

「それで、釜田さんの能力、スキルは?」

ここでは彼らが能力のことをスキルと言っているので、それに合わせる。

「ああ。僕の能力はこれ」

ブォン、と音が聞こえたかと思うと、俺の周囲の景が変わった。辺り一面にとりどりの花が咲き、遠くには大木が1本。

「どう? 今の君にはどう見えているかわからないけど、まぁまぁ言いすぎるでしょ?」

幻想的な風景が目の前に現れたが、肝心の聲の主の正はどこにも見えない。

「ええと、これは?」

「僕のスキル、『固有結界』だよ。対象の心象風景に起因した空間に相手を閉じ込める能力さ」

まぁ、この通り戦闘向きではないんだけどね、自分はれないから。と付け足すと、結界は解除されたらしく、俺は先程の部屋に戻ってきていた。

「さて、それで君が僕達にコンタクトをとってきた理由は何かな?」

本題に話を進めてくれた釜田に心で謝しつつ、俺はことの経緯を彼らに話し始めた。

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