《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》神話世界の再來ですか?

毆る。ただひたすらに毆る。毆って毆って毆って毆って、見渡す限りの紫に近いピンクを、毆って毆って傷つけていく。

弾力のあるその中だったが、消化を特に必要としていないのか全く胃などの危ないが満ちることもないので、要は蒸し暑さとの我慢比べだった。

しかし、忘れてはならない。本來の記憶を取り戻した俺が出來ること、それは付與魔法である。

の呼気に氷屬を付與したとしたら?

そう、この蒸し暑い蛇の腹の中もすぐに冷えて、ただの快適空間へと変わる。

「いやー、なんでもっと早く気づかなかったかねー」

まぁ、呼気に付與魔法使おうとか考える方が馬鹿らしいというか、頭が多逝っているのは確かなのだが。

壁が次第に冷気で冷えて、氷で固まっていく。側も凍っていたのか、毆るたびに氷が砕けてが一緒に砕けて行った。

「うわ、さっむ……全に炎熱屬を軽くかけとくか」

幸い、時期が時期なだけに來ていた服は薄い長袖のTシャツとジーパン。大して熱はこもらないだろうと思う。あくまで予想なので、生地の分がどうとか突っ込まれだしたら々と困るのだけれど。

「さて、どうするかね。なかなかどうして、こいつのはぶ厚いじゃないか。流石にただ毆り続けるだけじゃあ無理があるかね」

なかなか終わることのない掘削作業にイラつきつつ、俺はただひたすらに相手を毆ることに従事したのだった。

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地上に立する、何本もの蛇の柱。

人間への憎悪を吐きながら人を食らっていく魔は、大元の蛇一を元に無限に増え続ける。

本來であれば魔力が足りず、増は頻繁には行えない。しかし、日本で今回1番最初に捕えられた人間は速水映士。

規格外の魔力を兼ね備えた人間である。

彼の、その無盡蔵というほかないその魔力は、いくら減らされようとも時を追うごとに回復していく。

それもなんの代償もなしに。

そんな力源を得てしまえば、あとは最初の一が子機に必要な魔力を渡せばいい。

それだけで勝手に人間を食らって魔力を得る獨立兵となるのだから。

そして今、日本政府は各國に救援の要請を出したが一向に返事が來る様子はない。

これは日本政府も知るよしのないことだが、本日午前、日本以外の國は滅ぼされてしまったことに起因する。

多くの神住まう國を後者に回し、最後に日本の八百萬やおよろずの神を喰らい、破壊し盡くした。

もとより側にいた蛇たちの行も活発化し、より激しくなった一方的な躙が、次第に各地を覆い盡くしていく。

そのような怪異に対応できるかつての特を殘した都市、街などならある程度耐えることは出來たが、そうでない地域は一瞬にして壊滅。

人間はただ、躙されていく様を見つめて、ただ滅んでいくことしか出來なかった。

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「ちょっと、あんたの言っていた協力者たちはどうしたのよ!?」

轟音を立てて崩れ落ちるビル、ごうごうと燃え盛る街並みをみて、シルティスはバルトラに吠えた。

「それは仕方なかろう、この國の八百萬の神すら破られたのだぞ!? 他なる國にもかなりの神たちが殘っていただろうに、それを倒してきたというのか!?」

『端的に言うとそういう事になりますね』

「イリア、あんた今までどこ行ってたのよ!?」

「ちょっとこの非常事態なので各地の神が如何程のものか調査をしてきたのです」

「なるほど。結果は以下ほどかな、神よ?」

『この世界の神、神をもつ人に髪と崇められている者達は、神を與えられた自然現象、または神を與えられた世界的に名を馳せて多くの人間が共通の認識を得ることが出來る人の虛像です』

「つまり?」

『人からの信仰、そして観測されることが減ると極端にその能力が下がるのです。故に、人を先に滅ぼされれば彼らはなすすべなく崩されていくのです』

丁寧に説明されても簡単に理解出來ることではない。自分達の世界を滅ぼさせないため、宇宙を滅ぼさせないためにこの星から帰ろうとしていたのに、その出発點の世界諸共自信が消滅の危機にある。

『恐らく、ほかの陸地の蛇たちの増源はこの神たちのものと思われます。この島國の増源はキモヲタくん。まんまとやられてくれましたですね……』

無闇矢鱈に神の能力を使うと、この星の破滅に加擔しているであろう本來の神に邪魔をされる挙句、自分自が増源として食べられかねないので、イリアは一切の能力の使用ができなかった。

「くっ、こうなれば仕方ない。第3班、第7班、魔力砲の準備を、第4班、第8班は自警団の面々へのフォロー、第2班、第5班、第6班は魔力砲の魔力補給のため、手頃な蛇を狩って魔力爐にぶち込め! 第1班、そして第9班以降は我らと共に戦地に赴く、今は死ぬ気で我らがテリトリーを死守するぞ!」

うぉぉぉ、と所員たちから特大の歓聲が上がる。行軍だァァ! と、時代を間違えた雄びが聞こえるが、もう誰も何も突っ込まない。なぜなら、これより再現されるは神代の戦爭。

悪しき大蛇の群れと邪神を倒すために闘する、ごく小さな魔兵団の戦いの記録。

それがハッピーエンドになるのか、バッドエンドになるのか。すべての賽は投げられた。

あとは役者がどうくかのみである。

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