《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》幸運はやってきますか?

走る。馬の如く、風をきって兎に角前へ。

追い付く。もう二度と置いていかれることのないように、しがみついて離れないように。

私はもう二度と、自分の周りの大切な人を失いたくはないから。

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何度も何度もノックする。

一向に反応がないので扉に手をかけてみると、まるで誰かが來るのを待っていたかのようにすんなりと扉は開いた。

「中は思ったより暗いな」

電気がついていないのか、薄暗くてイマイチよく見えないので、スマートフォンのライト機能を使って照らしながら歩く。

「まるで窟だな?」

「なんだかここちょっと不気味だし、寒いわ……」

「おい、こんなところより他に隠れるのにいい建あるだろ? なぁ、ほかを當たろうぜ」

「いや、家主が避難しているんなら、ここが一番いいだろ」

壁や床の至る所に不思議な紋様が刻まれて不気味ではあったが、地下へと続く階段を見つけ、いい隠れ場所を見つけたと心底安心した。

市街地の端で仲間3人と夕食を取りにファミレスにったところであの阿鼻喚が俺の耳に屆いた。

急いでみんなを乗せて、襲いかかってくる蛇からなんとか逃げていたのだが、日々の節約もといケチな分が祟ってガソリンが切れてしまい、結果走って逃げることになったのだ。

幸い蛇はこちらに気づいておらず、おってくることは無かったのだが、それも時間の問題。

この騒の中で落ち著ける場所を探して歩き回っていた。というのがことの経緯だ。

「しっかし、おかしくないか? この建。もう階段を10回くらいは降りたぞ?」

「いいじゃないか、深ければ深いほどあいつらに見つかりにくいだろ」

怯えきっている友人に軽い言葉で希を持たせて、なんとか先へと進む。

途中、もう歩くのが疲れたのでし座って休憩をすることにした。

壁は冷たくていはずだと思っていたのだが、案外座り心地がよく、気がつくと俺と友人、彼の3人はその場で眠りに落ちていた。

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「あぁっ、もうっ!」

何度も何度もこちらへと向かってくる蛇たちを、先頭立って切り伏せながら、班長の指し示す方角に急いで向かう。

「シルティス様、そこを左です!」

シルティスは班長の聲が聞こえたので左に曲がり、そしてある家に3人の人間がり込んで行くのを見た。

「班長さん、もしかしてだけど、ご主人の反応ってあの地下だったりする?」

「はい。あの建の地下ですね」

先程3人がっていった建を指さして班長に問うと、やはりそこの地下に映士がいるという確認が取れたようだった。

「じゃあさっさと行きますか」

「この深さはダンジョン級だ……我々だけで攻略できるだろうか?」

「現実じゃあこの世界でありえる現象での最大限しか起こせないのよ、あのご主人のオーバーライトっていうスキルは」

「と言うと?」

「出るとしたら、一般人を倒すために作られたレベルの雑魚か、蛇だけを倒すために作られた兵の魔ね」

「ならば後者にかけて襲われないことを祈るしかないと」

「ええ」

運任せに放ってしまっているが、それでも今の彼になら會う価値がある。シルティスはそう深く信じた。

  背後から迫る、蛇とは異なる存在に気付かずに。

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知を開くと、家の近くに敵対反応があった。

この世界での敵といえば蛇くらいで、巨大なマークで表されるはずなのだが、となると小さい蛇かそれ以上の生だろうか。

何にせよ、このまま何もせずにここまでたどり著かれるのは嫌なので、俺に対する敵対反応が出た生を見直そうような設定に変える。

これで我が家ダンジョンの中に敵がってきても、萬全の狀態での戦闘ということにはならないだろう。

さぁ、來るなら來いやぁ!

「楽しそうにしてるところ悪いんだけど、この家にあるもので作り置き何か作っておいていい? あっちに持っていく時に便利だし」

「あー、攜帯食とかだったら適當によろしく。普通に飯なら作れるけど、そこまで行くと俺は専門外だ」

「はいはい、りょうかいにゃー」

だいぶ剝がれてきたキャラ付けを確立するための流用のように見える、にゃーの使い回しをして、柳沼はキッチンの方へと去っていった。

「しっかし、俺の素手でも倒しきれなかったのに、家の周囲の蛇の反応がどんどん消えてたのは一どういうわけかねぇ……」

不思議なこともあるもんだと思いつつ、もしや自分よりも強いステータスの人間がこの世界にいるのではないかとし希を持つ。

そんな人間がいるのならなんとかなるだろ、外の狀況も。俺は正義のヒーローじゃあないから何も出來ないけれど、そんな奴らがいるなら外の世界を救ってくれるだろう。

今はとにかく、自分自と、このたくさんのグッズが置いてある我が家を何とかして守るということを考えなくてはいけない。

俺は、なくとも、チキンだと罵られようとも近なものだけは何とかして守りきりたいから。

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