《Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜》來客は突然にですか?
「ちょ、なんなのにゃ、これ!」
地下の最深部へと潛ったマイハウスの中から出て七で鮎を焼いていると、柳沼がこちらに向かって突っかかってきた。
「あ? なにって軽食だけど」
「鮎の塩焼きを軽食と申すかこの愚骨め!」
「はい?」
「あんな味しいものをなぜ飯で出さなかったのにゃー!」
「だって俺の分しか作る気ないし」
「……」
「お、出來た。うひー、味そ」
出來上がった鮎の塩焼き2本を手に取り、片方はそのまま、もう片方にはマヨネーズをかけて頂く。これがまた味いのだ。鮎の獨特なのに塩気、そしてマヨネーズのあの味。
あー、やばい。このままだとマヨラーになるかもしれない。マヨネーズって何にでも合うよね。
「うわ……ないわ……」
柳沼は俺の食べ方と、本當に2本のうち1本が自分のものでなかったことから何故か俺に対して引き気味になったが、の安全を保証している側としては、好かれなくとも信頼はしてもらいたい立場だ。
マイハウスに放火とかされたら困る。すていすてい、そこから立ち去れ、よしよし、ちゃんと家の中で大人しくしてるんだぞ。
それにしても、來るはずの來客がなかなか來ない。先程見た小型多勢の反応がバタバタと消えて、殘りも差し押さえられているので、多分その辺で止まっているのだろう。
「仕方ない、ちょっくら迎えに行きますか」
本當にどうしようもないので重い腰を上げて、自ら來るのを待つのではなく迎えにいくことにした。
「さて、どんな人達が來てるかねー」
そのままテレポートをして最前線まで飛ぶ。
目の前に現れたのは、死臭のするゴーレムの壁が狼の軍団を押し寄せている景だった。
「ということは、ここが前線ではなくてもっと下層に下ったか。いやー、我ながら読みが甘かったね、それにしても、ここまで來た狼さんたちはみんなこのダンジョンの魔たちを倒してくれちゃったわけだ」
蛇以外にも敵対生に対しては防衛裝置として魔たちが出現するようにプログラムしたはずだ。それが行われていないことを考えると、やはりスポーン狩りされてると思った方がいいだろう。
「ったく、無駄に強いな。この化けたちは」
仕方ないので魔に割く魔力を大幅に増やして、一一の質を増強する。
これで1層目から初心者ダンジョンのボス級の魔がわんさかと湧くだろう。覚悟しやがれ野良犬共!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぐぉぉぉ、という咆哮が聞こえて、狼がこちらにやってきたのかと思い振り返るが、そもそも後方から聞こえた音ではなかったし、狼の鳴き聲でもないことに今更気がつく。
「どこから聞こえた音?」
シルティスは音の正が更なる脅威になり得るかを判斷するため、瞬時に周囲に確認をとった。
「機械音が混ざって聞こえました。スピーカーかられたなにかの音かと」
班員の一人が答えると、シルティスはかつて映士から得た知識でそれをなんの音化を一時的に判斷した。
「これは、げえむ?」
自の口からは滅多に発することの単語だったためしなまってしまったが、その場に居合わせた全員は理解出來たようでうんうんと頷く。
「しかし、こんな地下で誰がゲームをしているのでしょう」
1人がポツリとそうつぶやく。
「それこそ、速水映士しかいないんじゃないか?」
「ですよね、私もそう思います」
「しかし、この非常事態にゲームなどやるだろうか?」
「ご主人ならやりかねないわね」
1人の発言から波紋のように會話は広がり、ついにゴールが近いということが分かると、班員たちの疲れた目にが宿り始めた。
「よし、次で85層。そろそろこの馬鹿みたいに長い迷宮も終わるといいのだけど」
期待と不安をに、シルティスたちは次の階段へと足をかけて降りていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「1班、魔力障壁用意!」
『了解!』
地上では、バルトラの懸命な救助及び駆除活により、蛇たちの勢いは次第に弱まって言った。
「今だ、魔力砲を撃ち込め!」
『了解!』
バルトラの的確な支持により所員たちは完璧な連攜を行い、救助されたなかでける男達も一時的な避難所を作るために大いに貢獻した。
郊外に一時的な避難所を設け、蛇たちに襲われぬように地下に雷撃弾という蛇に電流を流すために作られた特殊な機械を埋め込んで、防面に優れた拠點が作られた。
「12班はまだか?」
「はい、未だ連絡も來ず、彼らもかなりの苦戦を強いられているものと思います」
「すると、半數以上が救護能力特化の12班を當てたのがまずかったか」
唯一の采配ミスは、回復士を多く含む12班をシルティスと同行させてしまったことだった。
ほかの班にも回復士はいるにはいるのだが、この狀況下では數が足りない。すぐに戻ってくると思って使いに出したが、それは判斷ミスだったと言わざるを得ないだろう。
あれから4時間ほどたった。そろそろ戻ってきても良い頃合だろう。とバルトラは考えた。
「この拠點がある國を滅ぼされることはなんとしてもあってはならない。して、これをどうすべきか」
ふとそう呟くと、こちらに向かって走ってくる1人の所員の姿を捉えた。
「バルトラ様!」
「どうした?」
「バルトラ様に面會したいという男が來ています、何でも、相談したいことがあると」
「ほう」
この狀況でなにかいい案が出してもらえるのなら、本來ならそれは自分の役目ではあるが、藁にもすがる思いでしがみつくのもいいかもしれない。そう思い、バルトラは所員にその男の場所へと案をさせるのだった。
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