《死神と呼ばれた殺し屋は異世界に》第28話 守るために
とにかく走る。訳もわからず、どこに行くべきか分からない中、俺の目はを失う。灰の街を駆ける中、ノイズが紛れる。
ノイズとともにテレビに出る砂嵐のようなものが現れる。そんな中、一瞬ある景が見える。黒い、大地?
その景はすぐに元に戻る。
あの場所はなんだ?分からない、ただ行ける、俺なら行ける場所、脳がそう直する。すると、目の前が折り畳まれるように黒くなる。
そして、次目が見えたときには視界がづいていた。いつの間にか裏路地に來ていたみたいだ。俺はアルジェントを見るが、震えたままだ。
「おい、アルジェント、大丈夫か?」
「…………いで………。」
「アルジェント?」
「來ないで!」
すると、アルジェントは俺を押し出し、後ろに走っていく。俺はいきなりのことに頭がついていかず、思考がまた始まるのは10秒後だった。
「何なんだ?一?」
何があったんだ?あのとき妙に怯えていたが。
………いや、俺が考えてもしょうがない。とりあえず追いかけ………。
「何で俺はアルジェントのためにここまでするんだ?」
不意にそんな考えが頭を過る。どうしてだ?
………この世界に來てから本當に変だよ、俺………
今まで、人のためにここまでしたことなんてあっただろうか。
今まで、普通に殺してきたのに、何で殺したあと心が痛くなるんだ?
今まで、人を殺すことに迷いなんて持ってなかった。
生きていくため、稼いでいくため、仕方ないと勝手に思っていた。
今まで何回引き金を引いた?その引き金で何人の人を殺した?なぜその道を選ぶことにした?なぜあのとき銃を奪った?
……あの日、縦に首を振ったとき、何をんでいた?
◆◇◆
雨、雨、雨、冷たい雨が俺の頬に當たる。でも、覚はじるが、はじない。頬をでる水滴以上に俺の心は冷えきっていた。
「ひっ、たっ!助けてくれ!か、金なら、いくらでも出す!だ、だからここは!」
俺の前にいる男はグリード・マジェスティー。有名な科學者の一族らしいが、彼は人の研究の裏でウイルスの開発をしている男だ。
依頼人によると、そのウイルスは大量生産しやすい上に、ウイルスが発癥した場合、數日で死に至るらしい。
そして、犯罪組織とのパイプを持っており、もしそのウイルスをその犯罪組織の手に渡ったら被害はどれ程になるか分からない。
しかし、彼は表の研究、人の研究でも素晴らしい実績をあげており、そのことを言っても聞く耳を持たないだろう。
だから殺し屋に依頼した。実際どこまで本當のことかは分からない。依頼人は匿名のため聞くこともできない。しかし、本當の場合、ここで見逃してしまえば最悪の場合、対処ができない。
俺は銃口を向ける。蛇に睨まれた蛙のように怯えながら俺を見て恐怖した。そして、引き金を引いた。
銃弾は見事に眉間を撃ち抜いた。グリードは力なく倒れ、涙を流しながら死んだ。彼の下にの沼ができた。
「大丈夫か?祐。」
「師匠。終わりましたか?」
師匠はある犯罪組織を殺すことになっていた。それがさっき殺したグリードとパイプを持っていた犯罪組織だ。
「ああ、大丈夫だ。」
すると、師匠は俺の手を見た。
「まだ、震えるか。」
「ええ。」
俺はあの日、初めて人を殺したあの日から銃を撃つと手が震えるようになった。おそらく神的なものだろう。
「とりあえず、明日戻る。今日は宿に泊まるから速く來い。」
俺はマガジンを抜き、オートマチックのため充填された殘りの1発を死に向けて撃ち、ガンホルダーの中にれた。
~~~
宿に行く途中、師匠は言った。
「すまない。」
「またですか。」
師匠は俺に殺しを教えてからよく謝るようになった。1日に何回も。……理由は、俺に殺しを教えて本當に良かったのか今も迷っているらしい。
「言ったでしょ、俺はこの道を選んだことに後悔はしていない。だから……もう謝らないでください。」
そう、俺は後悔などしていない。だが、何回も謝られると俺は本當にこの道を選んだことが本當は間違いだったのではないのかと錯覚してしまう。
師匠が俺にあの選択をしたのは理由がある。……師匠は捨て子だった。孤児院に連れていかれそこで期を過ごしたが、そこでじた、いや、襲われたのは恐怖だった。
親代わりの人が本當に見つかるのかという、孤獨による恐怖。その恐怖はじないと分からないようなどうしようもない恐怖。そして、師匠は親代わりの人が見つかった。
そして、師匠も殺し屋として育てられた、捨て子なら足はつきにくい、実に分かりやすい理由だ。そして、その何年も後、俺を見つけた。
師匠は迷っていた、普通なら孤児院に連れていくだろう。しかし、師匠は親代わりの人が見つからない恐怖を知っている、そのせいで孤児院に連れていくことに躊躇した。
しかし、師匠が引き取るにも教えられるようなことは殺しくらいしかない。この2つで迷い、そして、師匠は、
「……この弾丸をけとれば君に殺しを教える。でも戻ることはできない。拒否すれば私があなたを孤児院に連れていく。どうする?」
選択を俺に任せた。しかし、師匠はそのことをずっと引きずっていた。私は考えることを放棄したのだと、引きずり、悩み、そして俺に謝るようになった。
「……祐、君は何で私についていこうと思った。」
俺が師匠についていった理由、俺が殺し屋になることを選んだ理由。
「俺は弱い。あのとき、俺が初めて人を殺したとき、死の恐怖とともに味わいました。」
聲に抑揚をつけず、淡々と話す。
「初めて死にたくないと思いました。そのために必死になりました。……あのとき、どうして死にたくないと思ったかは分かりません。
でも、あの恐怖は味わいたくない。……自分の命を守るためにこの道を選びました。」
「それで、誰かに死の恐怖を與え、誰かを殺すことになったとしても?」
「……師匠、俺が失敗したときのこと、覚えてますよね。」
「あれは失敗ではない。祐はきちんと依頼を功させた。」
「いえ、俺は失敗しました。」
俺は、ある戦場で敵軍の幹部を殺してほしいという依頼をけた。しかし、一度狙撃に失敗した。それにより、隠れながらの銃撃戦を強いられた。
そこで1人の捨て子を見た。彼は銃聲に驚きそこから逃げようとした。しかし、そこを撃たれた。俺は依頼を功させたが、その後彼に近づいて気づいた。
俺は彼を殺されたくなかった。守りたかったのだと。
「自分勝手かもしれませんが、俺にも守りたいものはあったみたいです。だから、守りたいものを守るために今、俺は師匠についていってます。」
「私は守りたいものなどない。」
師匠はその一言で切り捨てようとした。
「なら、どうして俺に謝るのですか?」
「…………」
「師匠、あなたもそう思っていたのでは?」
「……そんなことはな……」
「いいえ、あります。だって師匠、あなたは、いつも
………大多數の人のためになる依頼ばっかりするじゃないですか。」
すると、師匠の頬に一筋の涙が流れた。
◆◇◆
そうだ、俺は守りたかったのだ、いつの間にか、俺はアルジェントのことを守りたいと、自分勝手だがそう思ったんだ。
「アルジェント!」
俺は一目散に走り出した。
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【注意】 この小説は、執筆途中で作者の続きを書く力が無くなり、中途半端のまま放置された作品です。 まともなエンディングはおろか打ち切りエンドすらない狀態ですが、それでもいいよという方はお読み下さい。 ある日、パソコンの怪しいポップアップ広告らしきものを押してしまった青年「藤崎啓斗」は、〈1日100連だけ引けるスキルガチャ〉という能力を與えられて異世界に転移した。 「ガチャ」からしか能力を得られない少年は、異世界を巡る旅の中で、何を見て、何を得て、そして、何処へ辿り著くのか。
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