《死ねば死ぬほど最強に?〜それは死ねってことですか?〜》第59話〜対話〜
ウズラは拳を引き一気に距離をとる。
「モンブラン?」
「新しく魔王になった者の名だ。よく覚えておけ」
「魔王? お前が? 人間風が。俺の拳をけ止めたぐらいで噓はよくないな。後悔するぞ」
「それはお前だ」
「舐めるなよ!」
再びウズラがモンブランに向かって拳を振るう。今度は片手ではなく、発したブラッドシールドによって守られていた。
「分かっただろう。実力差は明らかだ。退け! 俺が用があるのは仲間だけだ」
「そんなことは関係ない。この屈辱晴らさねば眠ることさえできん」
「來い!」
ウズラの一聲で周囲のオークがウズラに集まり始める。
ウズラにれられたオークは倒れ、それと同時にウズラのが徐々に大きくなっていく。
「そういうことか。 王よ、あのオークは仲間の力を吸収しています。時間をかければ不利になる可能があります。早々に殺した方が」
「俺は殺しに來たわけではない。仲間を助けに來たのだ。ここで殺しては平和への第一歩など程遠い」
二人が會話をしている間にウズラはさらに巨大化していた。
「準備完了だ。今までと同じだと思うなよ。自稱、魔王さん」
「仲間を殺してまで俺を殺したいのか?」
「コイツラは死んではいない。気絶しているだけだ」
「そうか。それはよかった」
「戦いの最中に相手の心配とは平和な奴だ、な!」
言い終わると同時に、今までと比べにならない速度と威力でモンブランに向かって拳が振るわれた。
「鬼人化」
その拳は再び、モンブランの片手によってけ止められていた。その姿は人間ではなく、ヴァンパイアへと変わっていた。
「諦めろ。どれだけやってもお前に勝利はない」
「ヴァンパイアだと! ここまでの強者とは。このオーラ、本當に魔王なのか?」
「そうだ。退け! 俺はお前を殺さない」
「だが、そうであったとしても。退く理由にはならない!」
認識すらできない速度で、ウズラは連打を行う。だが、それは普通の生の話。モンブランにはその拳が早いとはじなかった。遅い。その一言で済むほどだった。
け止めることはしない。ひたすらに拳を避け続ける。
「逃げているだけでは勝てんぞ」
「そうだな。だが、負けもない」
「分かっているぞ。お前の攻撃は俺のに傷をつけられない。だから攻撃してこないんだろう」
「冗談もほどほどにしろ」
「強がらなくてもいい。恥ずかしいことではないさ」
ウズラには自信があった。力を吸収することにより、力も速度も上がる。だが、オークの一番の長所はそこではない。圧倒的な打たれ強さ。力と防関係こそがオークの神髄なのだ。
「一発だ。だが、殺しはしない。挑発したことを後悔しろ」
「ほざけ!」
ウズラが毆りかかった瞬間に、最高の形でモンブランのカウンターが炸裂する。モンブランの拳がウズラの橫顔に當たった瞬間、巨が宙を舞う。木々をなぎ倒し、數十メートルのところで停止する。
カハッ
「化けが」
を吐きながらウズラが呟く。
「自覚はあるさ」
停止して顔を上げたウズラの目の前には、すでにモンブランの姿があった。
「退け! あそこに寢ている仲間たちもつれて」
ウズラの心はまだ負けていなかった。だが、は違った。心ではなく、がこれ以上戦うことを拒んでいた。生としての生への執著だ。
「見逃してくれるのか?」
「そう言っているだろう。ただし、條件がある」
「なんだ?」
「人間を襲うな。それだけだ」
「善処しよう」
ウズラは傷ついたを引きづりながら仲間を回収して森の中へ消えていく。
「無事か?」
「「はい。ありがとうございます」」
戦闘の間に三人のヴァンパイアの傷は完全に癒えていた。
「王よ。馬車の積荷を見てください」
「これは」
イチルはここまでに至る全ての経緯を話した。
「そうか。とりあえず保護しよう。この男達にも話を聞かなくてはな。早くベットで寢かせてやれ」
「了解です」
エルフを保護したことにより、ミナ王國との絆がさらに深まる。
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